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キヤノンとカネボウ

横田好太郎/著

748円(税込)

発売日:2006/02/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

なぜ明暗を分けたのか。カネボウに23年、キヤノンに10年。内側から見た企業文化。

戦前、日本最大の民間複合企業として君臨し、その後凋落していったカネボウ。町工場から出発して日本を代表する企業に成長、経団連会長まで出したキヤノン。「感性」で勝負する文系企業と、「知性」による研究開発で発展してきた理系企業。全く対照的な両社に勤めたサラリーマンが、「内側から見た企業文化」を描き出す。繊維業界の風習や、発展の原動力となった「キヤノンの常識」など、貴重な証言も満載。

目次
はじめに
第1章 高度成長とともに
カネボウ入社
彦根工場
工場の高校教師に
純真な1年生たち
女子寄宿舎
事件続出
女工哀史
高度成長を支えた女寄
山椒大夫
工場のクラブ活動
高橋高見
女子バレーボール
会社名の付いた町
今は跡形もなく……
第2章 繊維業界は「密林のジャングル」
動物園から土俵まで!
鐘紡、消防、泥棒
この頃がピークだった
人事出身、慶応閥
ピアノの鍵一つで左遷
総合商社の時代
繊維業界の因習
キャッチボール
宇宙遊泳
空前のコンツェルン
ボーナス35ヶ月
文化コレクション
山水庵と去来庵
石油ショック
化粧品部門に転勤
第3章 化粧品は「金のなる木」
別世界
看板車
美容部員は事業の宝
販売のプロ
美容部員の結婚相手
慰安旅行
化粧品本社転勤
チェーン店制度
顔の面積で2兆円
深さ2ミリの美容情報
キメは揃うか
ミニ口紅
紫電改
第4章 本当に同じ会社?
キャンペーン
日本初のコマーシャルソング
夏目雅子
エステの草分け
ショーツが大ブレーク
繊維部門に復帰
数量単位がバラバラ
エステティック繊維シリーズ
素材横断のプロモーション
メイクアップブラ
全社商品開発室の立上げ
立ちふさがる「バカの壁」
第5章 経営者の責任
形骸化していた経営理念
伊藤淳二元社長
ペンタゴン経営
日航会長
論語が大好き
帆足隆元社長の「神話」
本社マーケティング室長
親分肌
帆足社長の誕生
最後のババ
第6章 キヤノン入社
ソニーとのトップ会談で失望
リストラ開始
中途入社
玉川事業所
ベクトルを合わせる
ヘッドハンティング
ウィーン
「集団見合い」を企画
新規顧客開拓
「わさびがキクゾー」
突如出現した森
7000人の大行進<
第7章 ものづくりのDNA
町工場のリアリズム
創業はカメラ
第二、第三の転機
歴代の社長
御手洗現社長の実績
御手洗家
経営理念
「含み資産」はいくらでも
消耗品は利益源
生産指向
時間厳守
研究と開発
特許戦略
特許の鬼
SED
「キヤノン」と名付けた人物の謎
第8章 キヤノンの常識
社風の違い
うどんよりそば
所持金不要
社員の格好
役員朝会
合宿
グローバル企業
赤字事業からは全て撤退
キヤノン販売
堀留の新記録
キヤノン音頭
終わりに 企業文化と価値観

書誌情報

読み仮名 キヤノントカネボウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610153-3
C-CODE 0234
整理番号 153
ジャンル 実践経営・リーダーシップ、サイエンス・テクノロジー
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/11/25

蘊蓄倉庫

5000円の鰻重vs.自腹で社食

 企業文化のいちばんの特徴は、表向きの経営理念よりも細部にあらわれるのかも知れません。かつてのカネボウでは、役員会は昼に、社費で5000円の鰻重を食べながらおこなっていたそうです。一方のキヤノンでは、毎朝八時から「役員朝会」なるものがあって、重要な経営の決定はここで決まっていく。多摩川の川べりにある本社では、役員といえど昼は自腹で社食。キヤノンの辞書で「重役出勤」と引けば、「朝早く出社すること」と出ているようです。
掲載:2006年2月24日

著者プロフィール

横田好太郎

ヨコタ・コウタロウ

1948(昭和23)年東京生まれ。早稲田大学卒。1972年にカネボウに入社。化粧品部門、繊維部門などで主としてマーケティングを担当。1995年にカネボウを退社し、キヤノンに入社。2006年現在、キヤノン株式会社の下丸子本社に在職。

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