ルート66をゆく―アメリカの「保守」を訪ねて―
770円(税込)
発売日:2006/03/20
- 新書
- 電子書籍あり
ニューヨークでもワシントンでもロスでもない、“本当のアメリカ”がここにある!
五大湖のほとりシカゴから西海岸サンタモニカまで全長三千九百キロ、米国の真ん中を横断する「ルート66」。イリノイ、ミズーリなど中西部を貫くこのルート上は、米国内の典型的「保守」層が多く占める地である。進化論も否定するキリスト教原理主義、中絶や同性婚を忌み嫌い、子供は公立学校に通わせず、小さな政府を熱望する……。ニューヨークでもロスでもない、“敬虔で頑迷な彼ら”こそ大国の根幹を成す実像であった。
目次
まえがき
1 ハートランドとは何か=イリノイ州シカゴ
中西部人気質
米国社会の鏡
レーガンの生まれた土地
「赤と青」の二元論
米国社会の鏡
レーガンの生まれた土地
「赤と青」の二元論
2 心のすきま埋める教会=ミズーリ州セントルイス
非教派教会
重み増す福音派
神との距離の近さ
分け与えられる「良い知らせ」
ジェネレーションⅩ
神のコミュニティー
重み増す福音派
神との距離の近さ
分け与えられる「良い知らせ」
ジェネレーションⅩ
神のコミュニティー
3 ひろがる進化論論争=カンザス州ガレーナ
足跡の化石
モンキー裁判
人間はサルから進化した、だって?
インテリジェント・デザイン論
文化戦争のひとつ
モンキー裁判
人間はサルから進化した、だって?
インテリジェント・デザイン論
文化戦争のひとつ
4 最前線担う市民兵=オクラホマ州オクラホマシティー
ホーム・カミング
シチズン・ソルジャー
黄色いリボン
オクラホマからアフガンへ
幻の取引
シチズン・ソルジャー
黄色いリボン
オクラホマからアフガンへ
幻の取引
5 草の根保守の群像=オクラホマ州オクラホマシティー
四半世紀前、変化が芽生えた
ブッシュはリベラル
気乗りしないサポーター
「草の根」共和党大会
十代の論客
ホームスクールを選ぶ理由
反体制運動としての保守主義
三つの円
「悪」としての政府
源流は公民権運動
ジョージ・ウォレスが蒔いた種
ブッシュは無慈悲
ブッシュはリベラル
気乗りしないサポーター
「草の根」共和党大会
十代の論客
ホームスクールを選ぶ理由
反体制運動としての保守主義
三つの円
「悪」としての政府
源流は公民権運動
ジョージ・ウォレスが蒔いた種
ブッシュは無慈悲
6 ノスタルジック・ルート=ニューメキシコ州アルバカーキ
あの輝きを取り戻したい
ふたつのモーテル
グリーンチリとレッドチリ
六〇年代は本当に楽しかった
ふたつのモーテル
グリーンチリとレッドチリ
六〇年代は本当に楽しかった
7 燃える国境線=アリゾナ州ダグラス
ゲーティッド・コミュニティー
君に降りかかったら、どうする?
奴らは福祉と仕事を奪いにくる
ドライブ・スルー
ワイルド・ウェスト的冒険主義
移民問題は人種問題
新たな争点として
君に降りかかったら、どうする?
奴らは福祉と仕事を奪いにくる
ドライブ・スルー
ワイルド・ウェスト的冒険主義
移民問題は人種問題
新たな争点として
8 「アメリカ」の争奪戦=テキサス州アマリロ
ウディ・ガスリーの肖像画
割りきれない両義性
「アメリカ」の殿堂
割りきれない両義性
「アメリカ」の殿堂
あとがき
主要参考文献
主要参考文献
書誌情報
読み仮名 | ルートロクジュウロクヲユクアメリカノホシュヲタズネテ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610157-1 |
C-CODE | 0225 |
整理番号 | 157 |
ジャンル | 社会学、地理・地域研究、ビジネス・経済 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/06/29 |
蘊蓄倉庫
「ゾクゾクするぜ、ルート66……」
「ルート66」といって何を思い出されるでしょうか? 50代ぐらいの方ならきっと米国製のテレビドラマ、それに主題歌を思い出されるのではないでしょうか。バドとトッドの二人の青年がコルベットを駆ってカリフォルニアへ向かう、その先々で巻き込まれるエピソードはアメリカが抱える社会問題を考えさせられるものでした。
あるいはジョン・スタインベックの名作『怒りの葡萄』を思い出される方もいるでしょう。1930年代、オクラホマを襲った砂嵐で故郷を追われた貧農たちが辿った道もまたルート66だったのです。
しかし現在のルート66は、そうした時代とはまた異なる様相を呈しています。そこには今のアメリカの根幹を成す典型的「保守」層が占める地となっているのです。
三百六十度、どこを見回しても地平線があるだけ。真っ直ぐに伸びたハイウエーの向こうからゆっくりと雲が湧き上がっていく。そうした光景が延々と続く……。ニューヨークやロスとは違った“リアル・アメリカ”がそこにありました。
「ルート66」といって何を思い出されるでしょうか? 50代ぐらいの方ならきっと米国製のテレビドラマ、それに主題歌を思い出されるのではないでしょうか。バドとトッドの二人の青年がコルベットを駆ってカリフォルニアへ向かう、その先々で巻き込まれるエピソードはアメリカが抱える社会問題を考えさせられるものでした。
あるいはジョン・スタインベックの名作『怒りの葡萄』を思い出される方もいるでしょう。1930年代、オクラホマを襲った砂嵐で故郷を追われた貧農たちが辿った道もまたルート66だったのです。
しかし現在のルート66は、そうした時代とはまた異なる様相を呈しています。そこには今のアメリカの根幹を成す典型的「保守」層が占める地となっているのです。
三百六十度、どこを見回しても地平線があるだけ。真っ直ぐに伸びたハイウエーの向こうからゆっくりと雲が湧き上がっていく。そうした光景が延々と続く……。ニューヨークやロスとは違った“リアル・アメリカ”がそこにありました。
掲載:2006年3月24日
著者プロフィール
松尾理也
マツオ・ミチヤ
1965(昭和40)年兵庫県生まれ。産経新聞外信部記者。慶応大学文学部卒業。産経新聞入社後は、大阪・東京両本社社会部を経て、外信部勤務。1996年から一年半の間、米国サンフランシスコ州立大学大学院に留学。
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