宝石の裏側
748円(税込)
発売日:2006/12/20
- 新書
- 電子書籍あり
エメラルドはサラダ油で“着色”されていた! 華麗なるジュエリー業界の内幕を明かす。
輝きあるところには影がある。「ブランド品の原価は三百円」「エメラルドはサラダ油に漬けて着色する」「ダイヤモンドには放射線照射」「通信販売には要注意」等々、宝飾品業界に三十年以上身を置く著者が、知られざる業界の裏側を明かす。そこから見えてくる日本の宝飾品文化の貧しさとは――。至高の逸品を手に入れるのに必要なのは、大金ではありません。宝飾品についての正しい知識なのです。
書誌情報
読み仮名 | ホウセキノウラガワ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610195-3 |
C-CODE | 0263 |
整理番号 | 195 |
ジャンル | ビジネス・経済、アート・建築・デザイン、ファッション |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2009/03/27 |
蘊蓄倉庫
『宝石の裏側』には、素人が知らない業界の裏話が満載です。なかでも衝撃的だったのはエメラルド・グリーンの作り方。むろん、最高級品には手を施す必要はまったくありません。しかし、ヒビが入っていたり、色が薄かったりする欠陥品はサラダ油に漬けると、色が鮮やかになるのです。こういう「整形エメラルド」は、眼鏡用の超音波洗浄器にかけると、簡単に色が落ちてしまうそうです。
担当編集者のひとこと
裏話の面白さ
知らない街を歩いてみたいのは「遠くへ行きたい」ですが、知らない業界を知ってみたいと思うのが人情です。政治家、タクシー運転手、病院、テレビ局、食品業界等々、「内幕モノ」の本が根強い人気なのは、読者のそういう気持ちにこたえているからでしょう。そしてこの種の本は大抵面白いです。打ち明け話には誰しも心惹かれるものなのです。 この『宝石の裏側』は、タイトル通り、宝飾品業界の内幕を描いた本です。著者はこの道30年以上で、現在も東京郊外で宝飾品を製作、販売しています。
これまであまり裏側が描かれていなかった業界だけに、披露されるエピソードには驚かされること間違いありません。担当者である私は40年近く生きてきて、自分のために買ったことがある宝飾品は結婚指輪のみ、それも一度も身につけたことがないという男ですが、それでも十分に面白いのです。
「エメラルドのグリーンを鮮やかにするにはサラダ油に漬ければいい」「宝石は産地で買うと高くつく」「通販の宝飾品は怪しい」「ブランド品の原価は数百円程度」等々、華やかな業界の知られざるエピソードが満載です。
ただし、この本はいわゆる「暴露本」ではありません。著者はいまでも宝飾品を扱っていますし、愛しています。「正しい知識を得ることで、もっと宝飾品に親しんでほしい」という気持ちがあるから、この本を書いたのです。「宝石なんて女の話だ」と思っていた(私のような)人でも必ず楽しめます。つまり、宝石を身につける人、つけない人、贈る人、贈られる人、無理やり贈らされる人、誰でも読んで楽しめる本になっているのです。
2006/12/25
著者プロフィール
内藤幹弘
ナイトウ・ミキヒロ
1940(昭和15)年静岡県清水市生まれ。日本ルーテル神学大学卒業。法政大学大学院修士課程修了。1975年に宝飾工房「弥馬屋」を設立。その後、宝飾品の国内卸業、海外輸出業に携わり、現在はオリジナル創作ジュエリーの製作・販売に専念している。