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かつて、そこは世界で最も美しく、猥雑な都市だった……。齢92の女性作家が語る、生の昭和史――。

幻の大連

松原一枝/著

770円(税込)

本の仕様

発売日:2008/03/17

読み仮名 マボロシノダイレン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書
判型 新潮新書
頁数 223ページ
ISBN 978-4-10-610255-4
C-CODE 0221
整理番号 255
ジャンル ノンフィクション、日本史
定価 770円

「ふるさとは大連」――遼東半島にある港街にしてシベリア鉄道の玄関口、大通りにはアカシアが連なる。そこはかつての植民地においてもっとも美しい都市だった。一方で、張作霖爆殺、満州事変と激動の時代、元憲兵大尉・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、張学良、謎の阿片王、猟奇的殺人の妖婦など、怪人たちが闊歩する。多感な少女時代をかの地で過ごした著者が記憶を辿り、歴史書にはない貴重なリアリティを再現する。

著者プロフィール

松原一枝 マツバラ・カズエ

1916(大正5)年、山口県生まれ。大連で少女時代を過ごし、同人誌「こをろ」で文筆活動を開始して以来七十余年。『お前よ美しくあれと声がする』で田村俊子賞受賞。主な著書に『改造社と山本実彦』『大連ダンスホールの夜』『中村天風 活きて生きた男』『幻の大連』など。

目次

はじめに
第一章 小学生の頃見た旅順の風景
遠足は日露戦跡巡り/二〇三高地と白玉山の展望台/岩間に咲く石竹の花/水師営で聞いた“驚き”/伝統なきところ植民地/山査子から車海老、易者、街の物売り
第二章 女学生時代――張作霖爆殺事件の真相
李先生の中国語/西崗子の噂話/好奇心旺盛な中国人/爆破現場の臨場感/日本と張師府の腹の探り合い/張学良の「易幟」
第三章 避暑地の海で見た溺死体
星ヶ浦水明荘/妓楼の田代さんの家/羽衣はなぜ死んだのか
第四章 阿片王の住む町
松山台の豪邸/慎ましかった孫の生活/関東州の阿片政策/巨万の富を旅大道路に散じる/阿片特売人、朱春山
第五章 満州事変余聞
その時、奉天では/前線に赴く兵士たち/川島芳子の皇后脱出劇
第六章 憧れの内地で学生生活
映画、コンサート、浄瑠璃文楽/靴底の磨り減った不良/まだ見ぬ憧れ「内地」の実像/福岡女専に入学/カルチャーショックの寄宿舎生活/大連―内地間帰省の船旅
第七章 帰省した夏休みの出来事
一大ブームのダンスホール/高利貸しの家へ/匪賊に拉致される/牟の大手柄/満州青年連盟の講演会/世界の一流音楽家が集う地/天才・楽童と同級だった横田先生/村岡女性合唱団に入団する
第八章 豪華なる春、厳しく楽しい冬
百花繚乱「五月祭り」/零下五・二度の光景/ペチカと栗ぬくい
第九章 児玉邸殺人事件の顛末
大連で起きた猟奇的事件/腑に落ちぬ児玉不起訴の理由
第十章 内地に帰り、思わぬ転機が
大連を去る前に食べた北京料理/上京してきた「こをろ」同人/思わぬ縁から出版ブーム
第十一章 再び訪れた戦中の満州
甘粕元大尉と同船の偶然/女性開拓団を訪れる/鬚の戦車隊長、藤田実彦大佐/国境の町、黒河/「土俗人形収集家」/不可解な川端ファン/甘井子のボスになっていた牟

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