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ジョークで読む国際政治

名越健郎/著

748円(税込)

発売日:2008/03/17

書誌情報

読み仮名 ジョークデヨムコクサイセイジ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-610256-1
C-CODE 0231
整理番号 256
ジャンル 政治
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/03/30

爆笑サミット開幕!

金正日総書記「核ミサイルが遂に完成した。いずれ東京に向けて発射する」。長男の金正男「ディズニーランドだけは壊さないでください」――。独裁者の一挙手一投足をからかうロシア、大統領の不倫劇に盛り上がる米国、王室ネタが大好物の英国、意外なジョーク愛好国のフィリピン、パレスチナ自治区……。ローマ法王から福田総理まで、オールキャスト総出演。大笑いしながら、政治も外交もぐっと身近になる一冊。

目次
はじめに
第1章 それもこれも日本のせい――アジア
独裁者たちの肖像
六カ国協議のヒソヒソ話
神が日本に与えた「試練」
北京で流れる反日狂騒曲
オリンピックは終わりの始まり
アメリカに宣戦布告を
「クレジットカードを使えばいいのに」
自民党の天国と地獄
日本と北朝鮮の共通点
第2章 歴代大統領の泣き所――アメリカ
「George www. Bushと改名します」
あれ、十数年前と変わってない
ハリケーンが二度直撃
チェイニー副大統領が撃った!
スキャンダラス・ビル
愛と癒しのヒラリー
オバマ候補の魔力
ビル・ゲイツの下半身
第3章 EUという喜劇――欧州
マルクスの「遺言」
フランス新兵が最初に学ぶこと
シラクからサルコジへ
お父さんはストリップダンサーです
「この次はイタリア抜きでやろう」
右はブッシュ大統領の愛犬
私なら、ダイアナでよかった
第4章 最強のスパイ大統領――ロシア
「合格だ。私の部屋に戻ってくれ」
銃殺の代わりに追徴課税
「イワンはどこに連れて行かれたの?」
四島の日本帰属
ポロニウムあります
第5章 我こそカストロ議長の後継者――中東・中南米
用意された末路
「フセインを穴倉に戻そう」
テロリストは図書館に
シャロン首相vsアラファト議長の二十年戦争
壁の内側から聞こえるジョーク
カストロ議長が召される日

インタビュー/対談/エッセイ

波 2008年4月号より ロシア・ジョークの腕前

名越健郎

「オジイサンになるのは怖くない。オバアサンと寝るのが怖い」――。
先日、在京ロシア大使館のレセプションで、同世代のロシア外交官が、初孫ができたと打ち明けた。外交官は一瞬沈黙し、「こんなアネクドート(小話)を知っているか」と言って披露したのがこのジョークである。ロシア語の韻を踏んでおり、ロシア人なら爆笑するだろう。
ロシア知識人の会話の機転やエスプリ、ジョークのセンスは、作家兼同時通訳者の故米原万里さんが何度も指摘したように、日本の知識人より格段にすぐれている。
計八年間ロシアで記者生活を送った筆者にとって、厳しいモスクワ生活の楽しみの一つはロシア人からアネクドートを仕入れることだった。八〇年代の行列も、九〇年代のハイパーインフレも、彼らはアネクドートで耐え、事態を諦観してきた。それは現在のプーチン強権体制下でも変わらない。



深夜、プーチン大統領が台所に入り、冷蔵庫を勢いよく開けた。すると、プリンがぶるぶる震えた。大統領が言った。
「心配するな。ビールを取りに来ただけだ」



ロシア・ジョークの独特の手法を国際情勢全般に適用できないものかと『フォーサイト』誌の堤伸輔現編集長と相談し、二〇〇一年から「カレント・アネクドーツ」という連載を開始。今回新潮新書に再構成させてもらった。指導者や政策を痛烈に皮肉るジョークは各国のウェブサイトなどでも広がっており、そうした小話が案外、本質を突いていることがある。



ヒラリー・クリントン上院議員が占星術師に将来を占ってもらった。
「残念ながら、あなたの夫は将来、悲劇的な死を遂げることになります」
「それで、わたしは無罪ですか?」



中国の農民が種を買って野菜を植えたが、芽が出なかった。気落ちした農民は毒物を買って飲んだが、死ねなかった。
農民がやけ酒を飲むと、酒が当たって死亡した。



問 フランスが英仏海峡にトンネルを掘ったのはなぜか?
答 ドイツ軍がこの次に侵攻した時、フランス軍がすぐに脱出できるようにするためだ。



ある大新聞が読者にどのページをよく読んでいるか秘密調査したところ、外電面をよく読むと答えた人は一%だったという。硬くて画一的な外電面は敬遠されがちだが、ジョークを巧みに利用すれば「視聴率」も上がるかもしれない。

(なごし・けんろう 時事通信社外信部長)

蘊蓄倉庫

129人の登場人物

 本書でご紹介するのは、世界各国で飛び交う生きたジョークの数々です。共通しているのは、実在の人物が多数登場すること。金正日総書記からオバマ上院議員、プーチン大統領、福田総理まで、その数なんと129人に上ります。亡くなったはずのレーニンやダイアナ妃、果ては「神様」まで登場して、「幻の会話」を繰り広げる一幕も。どの地域のジョークにも顔を出す、人気キャラクターのひとりは元アメリカ合衆国大統領、ビル・クリントン氏。その理由は、どうぞ本書を開いてお確かめ下さい。
掲載:2008年03月25日

担当編集者のひとこと

ロシアの飲み会に持っていくもの

 モスクワで8年間記者生活を送った著者の名越さんにとって、楽しみのひとつは現地のアネクドート(小話)を収集することだったそうです。あちらではスピーチの冒頭に限らず、気の置けないお酒の席でもジョークが飛び交うのだとか。
 ウォッカを3、4杯流し込んだ身体が温まり、テーブルを囲む面々がふと沈黙したとき。「こんな話知ってるか」と一人が言って、新しく仕入れた(あるいは考え出した)ジョークを披露するのだそうです。あとはめいめい順に「持ちネタ」を話していきます。
 もちろん、全部ロシア語のやりとりです。リラックスしたところに順番が来るのですから、酔ってばかりもいられません。そこで、名越さんは飲み会があるとジョークを3つ4つ用意して出掛けていたそうです。ちゃんと伝わることがジョークの肝ですから、事前にロシア人秘書にチェックをしてもらいます。こうして作った作品で、ジョークお家元の面々を笑わせる瞬間がなにものにも代えがたい愉しみだったことは想像に難くありません。
 ただ、名越さんも最初からこのロシア方式についていけたわけではないそうです。オチがどこだったか掴めず何度も聞き返すうちに、相手がしらけてしまうこともありました。ただ、その探究心が、本書に繋がったことは間違いないと思います。

2008/03/25

著者プロフィール

名越健郎

ナゴシ・ケンロウ

1953年、岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒。時事通信社に入社。バンコク、モスクワ、ワシントン各支局、外信部長、仙台支社長などを経て退社。2012年から拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授。主な著書に、『北方領土はなぜ還ってこないのか』、『北方領土の謎』(以上、海竜社)、『独裁者プーチン』(文春新書)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)など多数。

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