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頭痛のタネは新入社員

前川孝雄/著

748円(税込)

発売日:2008/05/19

書誌情報

読み仮名 ズツウノタネハシンニュウシャイン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 188ページ
ISBN 978-4-10-610264-6
C-CODE 0236
整理番号 264
ジャンル ビジネス実用
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/10/28

えっ!? もう辞める? 「売り手市場」世代との接し方。

ネットと携帯を駆使してシューカツ戦線を勝ち抜き、第一志望の会社に入った――のに、突如機能停止してしまう新入社員たち。彼らはどういう“生き物”なのか? その生態と行動原理を徹底分析。「送信しっぱなしコミュニケーション」、「大人免疫力」の低下、「プラネタリウム型視点」……。全国から聞こえる悲鳴と衝突の実例を挙げながら、それでも一緒に働いていくために上司が仕掛けるべき十二の技を伝授する。

目次
はじめに
第1章 就職活動と「シューカツ」の違い
世代で異なる道のり
大学一年生からインターンシップ
「リクナビ登録」は必須
「自己分析」という作業
意外な人気企業
名刺を持つのも常識に
ケータイで会社説明会を予約
「すごい体験」に悩む
面接の直前までケータイ
理系学生、海外組の悩み
企業探しが自分探しに
ネットの噂で絞り込んだら二社だけ
第2章 「お客様感覚」を満喫する学生たち
二十代半ば~三十代の社員がいない
就職氷河期の惨状
求人数が史上最多に
「超売り手」にも大きな例外
ひし形に変形した企業組織
学生にパワーシフト
企業の「つなぎとめ」攻勢
「転職に有利な会社はどこですか」
内定が出ても決められない
第3章 辞める新入社員、辞められる上司
人事部にメールで「辞めます」
ねじれるコミュニケーション
自己評価の辛い上司たち
社内研修は泊まりか日帰りか
上司同士が明かす悲しみ
辞めることを選ぶ若者たち
切り捨てられた中間管理職
プレイング・マネジャーの登場
「次の課題は若手の育成」
若手エンジニアの荒業
「手負いの猪」が部下に
部下の雄姿に不覚の涙
もっと指導をしてほしい
第4章 若手を読み解く九つの鍵
ふたつの時代背景
二次・三次情報が得意な「インターネット耳年増」~鍵1
メールで完了「送信しっぱなしコミュニケーション」~鍵2
空間を飛び越えた「トモダチ依存症」~鍵3
低下する「大人免疫力」~鍵4
遠い存在に憧れる「プラネタリウム型視点」~鍵5
羽目は外さずやたらと真面目~鍵6
昇進よりも生活が大事~鍵7
正解探しは自信あり、「教えてマニュアル志向」~鍵8
成果主義を誤解した極度の焦り~鍵9
第5章 一緒に働いていくための十二の技
安心して働けるホーム作り
「オリジナル組織図」を描く~技1
幹事もコピーも言いよう~技2
憧れの「ヒーロー・ヒロイン社員」を創る~技3
0.1段でも「階段」を上らせる~技4
「ワークインライフ」発想に触れる~技5
「お前はどうしたいの?」で話させる~技6
二の矢は「それは、何のため?」~技7
「プロフィール付き名簿」の作成~技8
部内で遊びに出る機会を~技9
座席レイアウトに注目~技10
「職場内ぶらぶら散歩」の勧め~技11
上司が仕事を楽しむ、言葉にする~技12
掛け声の一歩先へ
おわりに
主要参考文献およびホームページ

インタビュー/対談/エッセイ

波 2008年6月号より 今年の新入社員の正体は

前川孝雄

「最近の若者はよくわからん。自分たちのときとは違う気がする」
職場にやってきた新入社員たちと接しながら、こう感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、彼らにはこれまでの新人たちと異なる特徴があります。職場で活躍している上司層も、かつては新人類、バブル世代などと言われたものですが、今年の新入社員たちにも名前があります。「バブル期以来の売り手市場」世代です。
就職氷河期と言われてきた市場は、〇六年頃から急激な変化を見せ、今や大学を卒業した学生一人あたり、2.14件もの求人がある状態です。団塊世代の退職や好景気などを背景に、企業が新卒人材の採用意欲を一気に高めているからです。
私は昨年まで、リクルートの就職サイト『リクナビ』関連媒体の統括編集長として、学生たちと日々接してきました。都内の私立大学で講演した時のこと。男子学生からこんな質問を受けました。
「転職に有利な就職先企業はどこですか?」
彼は真剣そのものです。周りに座る大勢の学生も、「聞きにくいことをよく聞いてくれた」とばかり、こちらを見つめています。就職の前に、もう転職を考えているとは、さすがにショックでした。
管理職研修や講演でこのエピソードを紹介すると、参加者からは失笑が漏れます。しかし、こういった若者が増えているのが現実なのです。若手と上司層の間には、大きな溝がありそうです。
案の定、新入社員たちは希望した職場で上司や仕事に馴染めず悩んでいます。彼らを部下に持った上司も葛藤しています。新刊『頭痛のタネは新入社員』は、そんな状況で荒れた職場を人間味のあるあたたかい場にしたいと思い、まとめた本です。
「今どきの若手」を読み解く鍵の幾つかをご紹介しましょう。前述の学生の例のように、転職を視野に入れているのは、「成果主義を誤解した極度の焦り」と言えます。年功序列を体験したことのない彼らは、これまで見聞きしてきた情報で、「入社早々にスキルを身につけ、年上の社員と同じ土俵で戦わなければならない」と思い込んでいます。
また、「送信しっぱなしコミュニケーション」というべき傾向もあります。就職活動さえネットと携帯が必須だった彼らは、連絡をメールで済ませるのが普通です。入社しても、上司への報告や相談も、退職を決めたときの連絡もメール一本で、「送信」すれば伝わったと考えてしまいます。
深刻なのは、「大人免疫力」の低下です。学生時代にmixiなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を操って、気の合う友だちとのコミュニティに慣れきった彼らは、大人との会話が苦手です。少し叱られると「人格否定された」と感じて極端に思い詰めたり、労いの言葉ひとつで自信を持ったりするのです。
価値観の異なる両者が一緒に働くためには、何が必要でしょうか。本書では、上司が仕掛けるべき12の技を紹介しました。ぜひご一読下さい。

(まえかわ・たかお (株)FeelWorks代表取締役・人材活性化コンサルタント)

蘊蓄倉庫

「今どきの学生」をさらりとかわす

 企業に就職を希望する年間60万人の学生が利用する就職サイト「リクナビ」の編集長だった前川孝雄さんは、毎年10月になるとほぼ連日の出張をしていました。全国の大学を回って、就職活動に入る学生たちにガイダンスをするのです。2007年末、都内のある私立大学でのことです。質疑応答の時間になって、男子学生が手を挙げました。
「福利厚生が整っている企業は、どう見分けるのでしょうか」
 前川さんは答えました。
「福利厚生は企業の業績によって大きく変わる。そういった環境も重要だけれど、まずは自分が興味のある仕事ができる会社かどうか調べること、そして自分に力をつけることが大切だよ」
 客席にいた担当編集者は、意外な質問に息を飲む思いで見ていたのですが、日頃から間近に若者たちと接している前川さんには、予想の範囲内だったようです。
掲載:2008年05月23日

担当編集者のひとこと

ふたつの「売り手市場」世代

「このままでは成長できない。会社を辞めて独立しよう」
 今どきの若者の言葉ではありません。『頭痛のタネは新入社員』の著者、前川孝雄さんの言葉です。リクルート事件直後に入社して3年目に出した、自分なりの結論でした。ただ、優秀な同期や先輩たちと自分を比べてはコンプレックスに陥ってしまい、とても会社を飛び出す気持ちにはなれなかったといいます。 そんななか、前川さんはある雑誌で見つけた「税理士で独立」というコピーに惹かれて、週末に資格スクールに通うことにしました。そこで学んだのは、数字を扱う分析的な仕事は向いていない、ということだったとか。その一方で、仕事から少し離れて新しいことを学ぶと、自分の将来の姿をより具体的にシミュレーションできることにも気がついたそうです。幸運にも、そのヒントをくれた雑誌とは、自身が勤めるリクルート発行の「ケイコとマナブ」。税理士の勉強を途中で辞めて、異動願いを出しました。
 それから約15年、就職サイト「リクナビ」関連媒体の編集長になった前川さんには、「今どきの新入社員」が妙に気に掛かる存在に映りました。希望の会社に入ったのに、思い詰めたり、実際に辞めたりする若者が増えていると感じたのです。また、周囲からは、新人の育成に怒ったり悩んだりする同世代の上司の話が聞こえてきます。両者の間に、価値観の差という深い溝を認めた前川さんは、かつて若者であった上司層に向けて、「まずはこちらが一歩踏み出そう」という姿勢で、大胆な提言を始めました。
 前川さんの若者への温かな眼差しには、自身が真剣に悩んだかつての経験と、こちらも空前の売り手市場世代であった「バブル世代」としての思いがあるのだと思います。

2008/05/23

著者プロフィール

前川孝雄

マエカワ・タカオ

1966(昭和41)年兵庫県生まれ。大阪府立大学経済学部卒業。リクルートに入社、「ケイコとマナブ」編集長などを経て、就職サイト「リクナビ」関連媒体を統括する編集長を務める。2008年、人材活性化支援の(株)FeelWorks設立。主著に『上司力トレーニング』。

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