
「名医」のウソ―病院で損をしないために―
770円(税込)
発売日:2008/09/13
- 新書
- 電子書籍あり
知らない患者はバカを見る! 「病院ガイド」ではわからない本当のポイント。
「どの病院を選べばいいのかわからない」「『名医』に診てもらったけれど釈然としない」――「名医・名病院ガイド」をいくら読んでも、こういう不満は解消できません。満足できる医療サービスを受けるには、患者側が知っておくべきいくつかの常識とコツがあるからです。この知識さえ手に入れれば、近所の医者があなたのための名医に変わります。そう、名医は探すものではありません。賢い患者が作り出すものなのです。
書誌情報
読み仮名 | メイイノウソビョウインデソンヲシナイタメニ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610282-0 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 282 |
ジャンル | 家庭医学・健康 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/06/29 |
蘊蓄倉庫
医療に対する不安を多くの人が感じています。ところが『「名医」のウソ』によれば、医学論文の投稿数も、研究の質も日本はトップクラスだそうです。医療水準の目安とされる「乳児死亡率」に関しても同様です。その一方で、病院や医師への不満を抱える患者さんが多いことも事実です。このギャップを埋めるためには、患者のほうが賢くなる必要があります。同書は、患者として知っておくべき常識がコンパクトにまとまった一冊です。
担当編集者のひとこと
患者の勘違い
『「名医」のウソ―病院で損をしないために―』は簡単にいえば、病院のかかり方についての本です。
「病院のかかり方? そんなの保険証持っていけばいいんだろ」というのは大間違い。患者側が賢くないと、たとえ病院側に悪気はなくても、病気を見逃されたり、必要な治療を施されなかったりという不幸な事態に陥ることがあるのです。
また、医師との話し方ひとつで、不安が解消されることもあります。本書で紹介した例では、頭痛の患者Aさんが「親戚が脳梗塞だったから、もしかして自分も……」と不安を抱えながら病院を訪れます。でも、それを口にすると笑われるかと思ったので、診察中言いませんでした。
医師のほうは簡単に「風邪ですよ」と診断。実際、数日で治ったので風邪だったのでしょうが、Aさんは漠然とした不安を抱えてその間過ごすことになったのです。
こんなとき、どうすればよかったのか?
Aさんは、「心配しすぎ」と笑われることを怖れずに、きちんと「親戚が脳梗塞だったんですが、この頭痛は関係ないでしょうか?」と不安をぶつけてみるべきだったのです。そうすれば医者は「脳梗塞と今の症状はまったく無いから関係ありません」と断言したでしょう。それで数日間の不安は味わわなくて済んだはずです。
このように「不安を口にする」ことができない患者さんが意外と多い、と現役の医師である著者は言います。そして、「不安を口にする」ことを実行するだけでかなりの不安は取り除けるはずだ、と。
ちなみに、私は先日会社の健康診断の超音波検査の際に「最近、胃がもたれるのです」と不安を口にしてみました。すると「この検査は肝臓、腎臓を見るものだから、それは別の先生に言ってください」と一蹴されました。
ちょっと恥ずかしかったけれども、言って損をしたという気にはなりませんでした。
この本には、病院で納得のいくサービスを受けるために患者が知っておくべき常識がわかりやすく丁寧に書かれています。
死ぬまで病院の世話にはならん! という人は別として、すべての患者さんとその予備軍必読の一冊だと思います。
2008/09/25
著者プロフィール
児玉知之
コダマ・トモユキ
1976(昭和51)年生まれ。茨城県出身。2002年旭川医科大学卒業、聖路加国際病院内科入職。2004年同院内科チーフレジデント。2006年同院を退職し、現在、(株)ファミリー メディカル エージェント代表取締役。著書に『内科レジデントの鉄則』(共著)がある。