
手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法―
748円(税込)
発売日:2008/10/17
- 新書
- 電子書籍あり
「法律は絶対ではない。ただの道具なのだ」最高報酬3億5000万ドル! 「勝つための技術」を全公開。
絶対不利な状況でも諦めない。白を黒と言いくるめ、絶妙の切り返しで逆転する。大企業から莫大な賠償金を勝ち取り、国家相手にも一歩も引かない。訴訟先進国アメリカで活動する弁護士たちは、「手ごわい頭脳」をいかにして手に入れているのか。イシュー・スポッティング、ファクト・ファインディング、アナロジー等々、彼らの思考法とリーガル・マインドを、現役アメリカン・ローヤーが解説する。
書誌情報
読み仮名 | テゴワイズノウアメリカンベンゴシノシコウホウ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610286-8 |
C-CODE | 0232 |
整理番号 | 286 |
ジャンル | 法律 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/03/30 |
蘊蓄倉庫
アメリカの弁護士には日本人弁護士のように法律を丸暗記している人はまずいないそうです。その代わりに、ロースクールでは弁護士としての思考法を徹底的に叩き込まれます。その思考法により、ある弁護士が得た最高報酬金額は3億5000万ドル! 相手は巨大石油会社でした。『手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法―』には、大企業相手に一歩も引かない彼らの思考法、ノウハウが書かれています。
担当編集者のひとこと
なぜ彼らは手ごわいのか
小説やドラマ、映画に出てくるアメリカの弁護士には、やたらとカッコいい人がいます。まあ演じているのがアル・パチーノやトム・クルーズのようにルックスがいい人だから、というのもあるのでしょうが、絶対困難な状況でも諦めなかったり、国家や大企業相手に一歩も引かなかったり、というその姿勢もカッコよく見える理由でしょう。
ところが、現役のアメリカン・ローヤーである著者は、「日本の弁護士みたいにアメリカの弁護士は法律を暗記していない。その点については、日本の弁護士がカッコよく見えることもあります」と言います。実際、著者はニューヨーク州で10年以上弁護士をやっていたけれども、州の法律を諳んじることなんか出来ないそうです。
それではなぜ、アル・パチーノやトム・クルーズはカッコよくいられるのでしょうか。彼らは「法律の条文」の暗記はしていなくても、「法律の使い方」が身に着いているからです。
言語にたとえれば、アメリカの弁護士は「単語の丸暗記」はしていないけれども「辞書の使い方」を知っているということです。それもかなり効率の良い使い方を身に着けているから、むしろ丸暗記の人よりも強いようです。
アメリカのロー・スクールでは徹底的に弁護士として役に立つ思考法を教えこむのだそうです。なるほど、だから彼らはあんな状況でも諦めないほどタフなのか、というのがよくわかります。
この本、『手ごわい頭脳』を読めば、その基本的なところは身に着くようになるはずです。編集を担当した後、ルックスは向上しませんでしたが、自分の論理力、交渉力が多少向上した気がしています。
2008/10/24
著者プロフィール
コリン P.A. ジョーンズ
Jones,Colin P.A.
1965年、米国コロラド州生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。東北大学大学院法学研究科博士前期課程、デューク大学ロースクール修了。弁護士(ニューヨーク州等)、同志社大学法科大学院教授。著書に『手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法―』など。