
先生と生徒の恋愛問題
748円(税込)
発売日:2008/11/17
- 新書
- 電子書籍あり
わいせつか? 純愛か? 学校という聖域での最大のタブー! 当事者たちが明かす禁断の恋の顛末!!
勉強や部活から将来の不安まで親身になって相談に乗ってくれた担任の先生。進路から家族のことまで心配してくれた優しい女教師……聖職者と思春期の生徒は、なぜ恋に落ち、どのように恋愛を発展させたのか? わいせつ行為で処分された先生や年齢差を乗り越えて結婚したケースなど、当事者たちの生々しい言葉からタブーの実相に迫る!
書誌情報
読み仮名 | センセイトセイトノレンアイモンダイ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610289-9 |
C-CODE | 0237 |
整理番号 | 289 |
ジャンル | 社会学 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/04/27 |
蘊蓄倉庫
テレビや新聞からは、毎日のように「わいせつ教師」が逮捕されるニュースを見聞きします。
文部科学省によれば「わいせつ行為」で処分される教師は、全国で年間約190人もいて、年々増えています。1人の先生が30~40人という生徒を受け持っているなら、教育の現場に与える影響はとても大きいでしょう。
しかし、中には、先生と生徒が本気で恋愛しているケースもあるのです。
中学校や高校で、先生と生徒の恋愛は、教育上の立場や年齢の観点からはどう見てもタブーに思えます。
でも、ふたりはなぜ恋に落ち、その関係をどのように発展させたのでしょうか?
本書では、この恋愛の体験者たちがその真相を生々しく語っています。
この恋愛は、在学中に発覚する可能性が相当高いようです。その後は、困難を乗り越えて結婚しても、果たして幸せな生活が続いているかどうか……読者のみなさんが判断してください。
一方の文部科学省や各自治体の教育委員会は、この恋愛行為を絶対禁止と規定し、「わいせつ行為」として教師を処分の対象にしていることが多いのですが、恋愛とわいせつ行為は、学校を離れれば別々のものにも見えてきます。
では、学校ではその境界線はどこにあるのでしょうか?
現実に起きた多くの体験者を丹念に取材した著者は、善悪を審判するのではなく、本書でこの特異な恋愛関係の具体的な問題点を明らかにしています。
担当編集者のひとこと
さまざまな恋愛体験の告白から……
中学や高校で同級生や先輩と交際していると「不純異性交遊」などと噂されたのは、もはや過去のことでしょう。恋人がいる少年少女はいまや珍しくありません。
でも、その相手が担任の先生だったら……。
先生を恋人としてなんて見られない、そんな汚らわしい関係は想像できない……という人が多いと思います。でも、現実には先生と生徒が恋愛に陥っているのです。
本書『先生と生徒の恋愛問題』では、そうした恋愛の体験者たちに詳しく話を聴いて、顛末をたどっています。
男性教諭と女子高生、男性教諭と女子中学生、女性教師と男子高生など多くの恋愛模様を挙げています。
タブー視されているにもかかわらず、なぜ恋に落ち、どのように発展させたのでしょうか。また、恋に落ちたふたりにはどんな障害や問題が起きたのでしょうか?
さらに、学校を司る文部科学省や教育委員会は、この恋愛をどう捉えているのでしょうか? 生徒との恋愛行為が発覚すると、教師はすぐに懲戒免職や諭旨免職になったりしますから、現代では、かなりデリケートで、危険な恋愛ともいえます。
一方の生徒は、多感な思春期に、先生という「教室での唯一の大人」にどのように魅かれていくのでしょうか?
また、昨今は「わいせつ教師」として逮捕や処分されるケースが多いのですが、恋愛行為とわいせつ行為とのちがいはどの辺りにあるのでしょうか?
それらの答えは、すべて本書に提示されています。
本書は、現役の教育関係者や生徒のみなさんには必読です。また、かつて中高時代に、先生にほのかな思いを寄せていた方々にもぜひ読んでいただきたい1冊です。
2008/11/25
著者プロフィール
宮淑子
ミヤ・ヨシコ
(1945-2015)1945(昭和20)年、長野県生まれ。毎日新聞社「月刊教育の森」編集部員を経て、フリーのジャーナリストとなる。埼玉女子短大講師(女性学)。著書は『セクシュアル・ハラスメント』『セクシュアリティ』『男たちの更年期クライシス』『黙りこくる少女たち』など。2015年4月没。