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先生と生徒の恋愛問題

宮淑子/著

748円(税込)

発売日:2008/11/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

わいせつか? 純愛か? 学校という聖域での最大のタブー! 当事者たちが明かす禁断の恋の顛末!!

勉強や部活から将来の不安まで親身になって相談に乗ってくれた担任の先生。進路から家族のことまで心配してくれた優しい女教師……聖職者と思春期の生徒は、なぜ恋に落ち、どのように恋愛を発展させたのか? わいせつ行為で処分された先生や年齢差を乗り越えて結婚したケースなど、当事者たちの生々しい言葉からタブーの実相に迫る!

目次
プロローグ
女子高生からの投書/性愛というタブー/「わいせつ教師」の報道から/本当は何があったのか
第一章 先生を許せない!
対決の日/音楽教師と女生徒/セクハラの発覚/消えない怒り/教師の対応
第二章 隠蔽された禁断の恋
高校教師は明かす/先生の誕生日/破局と罪悪感/いまでも好き
第三章 「淫行」で逮捕された先生
「淫行教師」の烙印/真実はどこに/性的関係の有無/女生徒は被害者か/先生の本音
第四章 先生と生徒は幸福になったのか?
懲戒免職の先生/妻の失踪/恋愛に向かないタイプ/夫と子どもを棄てた妻
第五章 「清らかな交際」のゆくえ
校長先生と教え子/メリットとデメリット/女生徒への恋心/厳しい現実/教師の特性/在学中はプラトニック/恋愛は御法度
第六章 女教師と男子生徒との恋愛模様
稀少な関係/女教師の処分と醜聞/四十二歳と十六歳/結婚をつかんだふたり/出会いから成就まで/専業主夫の生活/出産の日/罪深き思い
第七章 過去が裁かれるとき
福岡高裁での判決/恋愛のいきさつ/十四年後の告発/法廷に立つ先生/免職と恋愛の狭間で/県教委の見解
第八章 文部科学省とタブー
「わいせつ行為」とは/文科省の定義/セックスは「非行」
第九章 恋愛と「みだらな性行為」の境界
懲戒免職か逮捕か/「みだらな性行為」とは何か/合意か否か/無罪判決の意味
第十章 「処分された恋愛第一号」を訪ねて
山奥で暮らすふたり/最初であるがために/二十年後/教師聖職論/処分の理由/学校とセクハラ/性的関係の危険性/アメリカではどうなのか
エピローグ
リスクへの覚悟/恋愛関係を防ぐために/六つの問題点
あとがき

書誌情報

読み仮名 センセイトセイトノレンアイモンダイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610289-9
C-CODE 0237
整理番号 289
ジャンル 社会学
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/04/27

蘊蓄倉庫

純愛か? わいせつか?

 テレビや新聞からは、毎日のように「わいせつ教師」が逮捕されるニュースを見聞きします。
 文部科学省によれば「わいせつ行為」で処分される教師は、全国で年間約190人もいて、年々増えています。1人の先生が30~40人という生徒を受け持っているなら、教育の現場に与える影響はとても大きいでしょう。
 しかし、中には、先生と生徒が本気で恋愛しているケースもあるのです。
 中学校や高校で、先生と生徒の恋愛は、教育上の立場や年齢の観点からはどう見てもタブーに思えます。
 でも、ふたりはなぜ恋に落ち、その関係をどのように発展させたのでしょうか?
 本書では、この恋愛の体験者たちがその真相を生々しく語っています。
 この恋愛は、在学中に発覚する可能性が相当高いようです。その後は、困難を乗り越えて結婚しても、果たして幸せな生活が続いているかどうか……読者のみなさんが判断してください。
 一方の文部科学省や各自治体の教育委員会は、この恋愛行為を絶対禁止と規定し、「わいせつ行為」として教師を処分の対象にしていることが多いのですが、恋愛とわいせつ行為は、学校を離れれば別々のものにも見えてきます。
 では、学校ではその境界線はどこにあるのでしょうか?
 現実に起きた多くの体験者を丹念に取材した著者は、善悪を審判するのではなく、本書でこの特異な恋愛関係の具体的な問題点を明らかにしています。
掲載:2008年11月25日

担当編集者のひとこと

さまざまな恋愛体験の告白から……

 中学や高校で同級生や先輩と交際していると「不純異性交遊」などと噂されたのは、もはや過去のことでしょう。恋人がいる少年少女はいまや珍しくありません。
 でも、その相手が担任の先生だったら……。
 先生を恋人としてなんて見られない、そんな汚らわしい関係は想像できない……という人が多いと思います。でも、現実には先生と生徒が恋愛に陥っているのです。
 本書『先生と生徒の恋愛問題』では、そうした恋愛の体験者たちに詳しく話を聴いて、顛末をたどっています。
 男性教諭と女子高生、男性教諭と女子中学生、女性教師と男子高生など多くの恋愛模様を挙げています。
 タブー視されているにもかかわらず、なぜ恋に落ち、どのように発展させたのでしょうか。また、恋に落ちたふたりにはどんな障害や問題が起きたのでしょうか?
 さらに、学校を司る文部科学省や教育委員会は、この恋愛をどう捉えているのでしょうか? 生徒との恋愛行為が発覚すると、教師はすぐに懲戒免職や諭旨免職になったりしますから、現代では、かなりデリケートで、危険な恋愛ともいえます。
 一方の生徒は、多感な思春期に、先生という「教室での唯一の大人」にどのように魅かれていくのでしょうか?
 また、昨今は「わいせつ教師」として逮捕や処分されるケースが多いのですが、恋愛行為とわいせつ行為とのちがいはどの辺りにあるのでしょうか?
 それらの答えは、すべて本書に提示されています。
 本書は、現役の教育関係者や生徒のみなさんには必読です。また、かつて中高時代に、先生にほのかな思いを寄せていた方々にもぜひ読んでいただきたい1冊です。

2008/11/25

著者プロフィール

宮淑子

ミヤ・ヨシコ

(1945-2015)1945(昭和20)年、長野県生まれ。毎日新聞社「月刊教育の森」編集部員を経て、フリーのジャーナリストとなる。埼玉女子短大講師(女性学)。著書は『セクシュアル・ハラスメント』『セクシュアリティ』『男たちの更年期クライシス』『黙りこくる少女たち』など。2015年4月没。

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