パンデミック―感染爆発から生き残るために―
748円(税込)
発売日:2009/02/16
- 新書
- 電子書籍あり
新型インフルエンザに関する本書の予言が次々現実に! 我が身を、家族を守るために最低限知っておくべきことをコンパクトにまとめた最適な入門書。
全世界で数億人、日本で64万人以上が死亡! 性別や年齢を越え、世界中に同時流行し、悶死への恐怖に苛まれる強毒性の感染症「新型インフルエンザH5N1型」。密かにしのびよる「見えない悪魔」と私たちは闘えるのか? そして、もし罹患してしまったら……? 恐ろしい感染症の歴史と数々の病状。その対策の最前線に迫り、人類が生き残る可能性を探る警鐘レポート。
血まみれの鶏/パンデミックとアウトブレイク/世界は三度死んだ?
一九九七年の香港から/鶏との濃密な接触/鳥の世界は感染地獄/若い世代が危ない/パンデミックフェーズは移行するか?
エボラ出血熱/同心円状に拡大する/「協力できない」医師たち
手洗いとおしぼり/タミフル問題の教訓/二回のワクチン接種/相撲協会の対策/日米プロ野球チームの防御策
夏に流行する病/南半球の流行期とは?/南アW杯での対策は?/ジーコも苦しんだ感染症/凶暴化するウイルス
極めて危険なマラリア/蚊取り線香から白い靴下まで/稀少疾病治療薬/生薬の効能/「はしか」汚染国・日本/「はしか」を輸出してきた日本/「はしか」と「成人はしか」/「はしか」を根絶した韓国
感染症ランキング/イエローカードが持つ力/副反応と臨床研究/ブッシュとインフルエンザ/豚インフルエンザと社会混乱
あとがき
主要参考文献一覧
書誌情報
読み仮名 | パンデミックカンセンバクハツカライキノコルタメニ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610299-8 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 299 |
ジャンル | 科学、暮らし・健康・料理 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/12/28 |
蘊蓄倉庫
「人は3時間に平均で、目を7.4回、唇を24回、鼻を16回無意識に触る」という統計が出ています。新型インフルエンザウイルスは、粘膜の薄い箇所から即感染しますから、私たちはかなり無防備なのです。世界中で同時流行を懸念されているこの恐ろしい感染症のウイルスに対して人類はまだ免疫がなく、先に発表された「万能ワクチン」も実用化は数年後ということです。本書は、感染地獄に堕ちないための役立つ予防策と知識を授けてくれます。
担当編集者のひとこと
感染前も、罹患後も、必読の1冊
小中学校の学級閉鎖、マスクをかけて通勤する人々、うがいや手洗いのすすめ……毎年寒くなる時期に、インフルエンザの流行が警戒されてきました。
しかし、今年は、「新型インフルエンザ」の大流行が危惧されています。鳥インフルエンザが突然変異した強毒性で感染力の強いウイルスが、世界中に発達した交通網を媒介し、短期間で世界中に感染拡大するというパンデミック(感染爆発)が懸念されています。いつどこで感染し、発病するかわからない上、「日本で64万人以上が死亡」という厚労省の予測も出ています。 本書では、大宅壮一ノンフィクション賞受賞作家で薬科大学出身の著者が、感染症研究の最前線や過去の被害などを迅速に取材し、感染症の正しい知識と日常での具体的な予防法を明確に提示してくれています。また、万が一、罹患した際の処方も記されています。
風邪とインフルエンザは別種の病気だったり、意外にも壮健な若い世代が危険だったり、暑い時期でも感染症が流行したり……感染症への私たちの思い込みはまったく覆されます。
科学の視座と作家の筆致でまとめた、今こそ読んでいただきたい「緊急レポート」です。
2009/02/25
著者プロフィール
小林照幸
コバヤシ・テルユキ
1968(昭和43)年、長野県生れ。ノンフィクション作家。1992(平成4)年に『毒蛇(どくへび)』で第1回開高健賞奨励賞、1999年に『朱鷺(トキ)の遺言』で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。信州大学卒。明治薬科大学非常勤講師。著書に『パンデミック 感染爆発から生き残るために』『大相撲仕度部屋 床山の見た横綱たち』『熟年性革命報告』『ひめゆり 沖縄からのメッセージ』『全盲の弁護士 竹下義樹』『車いす犬ラッキー 捨てられた命と生きる』など多数。