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将軍様の錬金術―朝銀破綻と総連ダークマネー―

金賛汀/著

792円(税込)

発売日:2009/03/16

書誌情報

読み仮名 ショウグンサマノレンキンジュツチョウギンハタントソウレンダークマネー
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 252ページ
ISBN 978-4-10-610304-9
C-CODE 0221
整理番号 304
ジャンル 政治、外交・国際関係
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/04/27

献金せよ! 「北朝鮮の資金源」をすべて暴く。

現代の脅威・北朝鮮はどこから資金を得ているのか? 万景峰号による現金送致、「祖国望郷」を利用した帰還運動、パチンコ事業からの莫大な献金、バブルに乗じた杜撰な不動産乱脈投機、一枚一億円という巨額債券の発行……金日成・正日からの指令を受け、日本から平壌への献金を司っていたのが、朝銀信用組合と朝鮮総連だった。北朝鮮への献金のカラクリをすべて明らかにし、その誕生から没落までを描く「戦後裏面史」。

目次
はじめに
1 朝銀の設立と崩壊
設立から破綻まで
設立期の朝銀
総連の介入と朝銀支配
「学習組」の設立
2 北朝鮮の経済破綻と在日資産への触手
金日成の威信を誇示する建造物
自力更生政策の大失敗
総連のバックボーン――民族教育支援金の盛衰
標的は在日の資産
3 北朝鮮への献金
金日成への還暦祝いの貢物
芸術団の日本公演
訪問団は金のなる蔓
朝銀を通した「献金」要求
4 朝鮮総連の「商売」と「9月マルスム」
財政委員会
総連パチンコ店の全国展開
パチンコ店と在日
同胞パチンコ店との敵対
総連経営の破綻
暴力団企業舎弟と地上げ
5 投機資金調達と朝銀の蛮行
融資を可能にした人事権
「口利き」とつなぎ融資
総連関連不動産の差し押さえ
商工人たちを驚愕させた「新宿一番館事件」――無価値担保で巨額の融資
6 バブル崩壊と朝銀の破綻地獄
それは朝銀大阪から始まった
公的資金の導入と破綻処理
朝銀の罪と罰
落城寸前、朝鮮総連
おわりに

参考資料一覧

蘊蓄倉庫

北朝鮮「債券」の65億円はどこに消えた?

 投資商品の「国債」は皆さんご存知でしょう。国という保証があるのですから、投資元本へのリスクが少ないと考えられ、特に不況時には人気があります。
 しかし、北朝鮮が「国債」を発行していたとしたら……。
 本書で明らかになった「錬金術」のひとつに、朝銀を通じて発行され、朝鮮総連が保証した「債券」があります。なんと1枚1億円。返済期間6年で額面返済を保証し、北朝鮮にカラーテレビの工場を建設する名目で、1989年頃に65枚発行されました。この「債券」に在日商工人たちから出資させました。背景には平壌からの極秘献金命令があったのです。
 発行から6年後……ご存知の通りバブルは崩壊し、債務者の朝鮮総連は返還に応じないどころか、「発行したこともない」とうそぶき、65億円の債券は紙切れになってしまいました。そして、北朝鮮でのカラーテレビの工場新設の情報はどこにも入ってきていません。
 その後、出資金の返還を求めて出資者と朝鮮総連は、最高裁まで争い、判決では朝鮮総連は敗訴し、全額支払い命令が出ました。しかし、いまだに返還されていないそうです。
 日本の裁判所の命令など、将軍様の命令に比べれば……。世界で最も巨額で、最も怪しい「債券」によって詐取され、平壌に献金されたケースです。
掲載:2009年03月25日

担当編集者のひとこと

「北朝鮮の資金源」を徹底追及した危ない新書!

 金正日総書記の後継者問題をはじめ、テポドンや人工衛星の発射など、北朝鮮はまさに現代の脅威です。深刻な食糧不足から赤貧の国情が報告され、基幹産業も特に無いのに、その軍事活動や秘密工作の「資金」を一体どのようにつくり出しているのか、疑問を持たれたことはありませんか?
 北朝鮮は、実は日本で巧みに資金を調達していました。本書では、その資金造りの暗躍ぶりを徹底追及しています。平壌の金日成・正日からの献金要請は、在日の人々にとって絶対的な命令です。命がけで資金集めに努めなくてはなりません。その司令塔が「朝銀信用組合」と「朝鮮総連」でした。戦後、在日に呼びかけられた帰還運動から、芸術団の乱発公演で利益をあげ、高騰する不動産に地上げと乱脈融資を繰り返し、大型パチンコ事業を次々と展開し、在日の人材を「主体思想」の名のもとに酷使させる……次々あみ出される資金造りの方法が詳細に描かれています。
 巨大な在日組織の栄枯盛衰から闇の金脈に迫った本書は、劇的な「在日の戦後裏面史」でもあり、内実を暴いた「インサイド・レポート」でもあります。こうした徹底追及ができたのは、著者の金賛汀さんが、かつて15年以上も朝鮮総連に在籍され、内部に精通している在日2世であり、数年をかけて朝銀や総連の当事者にも深い取材を続けられてきたためです。金さんが勇気をもって明らかにした本書を、前著『朝鮮総連』(新潮新書)と合わせて、ぜひお読みください。

2009/03/25

著者プロフィール

金賛汀

キム・チャンジョン

1937年京都生まれ。ノンフィクション作家。朝鮮大学校卒業後、雑誌記者を経て独立、主に在日朝鮮人問題、教育問題について執筆を続ける。1992年に上梓した『パルチザン挽歌―金日成神話の崩壊―』(御茶の水書房)で北朝鮮政府の正史を覆して話題に。他に『朝鮮総連』『将軍様の錬金術―朝銀破綻と総連ダークマネー―』(共に新潮新書)、『在日義勇兵帰還せず―朝鮮戦争秘史―』(岩波書店)、『炎は闇の彼方に―伝説の舞姫・崔承喜―』(日本放送出版協会)など。

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