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偽善の医療

里見清一/著

770円(税込)

発売日:2009/03/16

書誌情報

読み仮名 ギゼンノイリョウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 222ページ
ISBN 978-4-10-610306-3
C-CODE 0247
整理番号 306
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/04/27

セカンドオピニオン、ホスピス、有名人の癌闘病記、安楽死……。はびこるウソにメスを入れる。

「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた……。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」――。毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。

目次
はじめに
第1章 患者さま撲滅運動
第2章 消えてなくなれセカンドオピニオン
第3章 「有力者の紹介」は有難迷惑
第4章 安楽死を人殺し扱いしないでくれ
第5章 末期医療を巡る混乱と偽善
第6章 ホスピスケアはハッピーエンドか
第7章 最期は自ら決められるものなのか
第8章 「病院ランキング」は有害である
第9章 「告知」の無責任
第10章 ○○すると癌になるというインチキ
第11章 間違いだらけの癌闘病記
第12章 インフォームドコンセントハラスメント
第13章 「がん難民」の作られ方
第14章 癌の「最先端治療」はどこまで信用できるか
第15章 贈り物は喜んで受け取るべきである

蘊蓄倉庫

「高齢者の癌は進行が遅い」はウソ

 高齢者は癌になっても進行が遅い。この説は広く信じられています。しかし実はこの説には何の根拠もありません。結局のところ、癌の種類や個体差によるところが大きく、「高齢者のほうが遅い」というデータはないそうです。『偽善の医療』は、医療に関して巷間言われる様々な俗説、偽善を現役の医師が次々と喝破する一冊です。
掲載:2009年03月25日

担当編集者のひとこと

やっぱりそうか

 たまに病院に行くと、「患者さま」というような物言いや、やたらと丁寧な言葉遣いをされて戸惑うことがあります。そういうことは最近急に増えた気がします。
 下手な客商売よりもよほど丁寧で、何だか恐縮するくらいです。とにかくお医者さんがこっちに敬語を使ってくるのが、妙な感じなのです。
 昔はそんなことはなくて、私は子供の頃、「君のアトピーは一生治らないものだから、結婚して子供を作ったりすると、その子にも遺伝する。子供は作らないほうがいい」と医者に言われたことすらあります。いくらなんでもこれは当時としても酷いと思いますが。
 それにしても、病院側は馬鹿丁寧な対応をすることを良しとしているのだろうか。そのあたりについて、『偽善の医療』の第1章「患者さま撲滅運動」を読むと、医者側の本音がよくわかります。
 患者さんを「患者さま」と呼ぶのは馬鹿げている。そんなもん、役人が押し付けた下らないルールで、百害あって一利なし。病院を他のサービス業と一緒にするな、と。
 どこに行っても「お客さま」扱いされることに無上の喜びを感じる人よりは、医者は多少威張っているくらいでも腕がいいほうがいいと思う人は多いはずです。
 この本で著者は、医療を巡って新聞やテレビで唱えられている「もっともらしい話」がどれだけ偽善かを次々喝破していきます。その切れ味はまさに名医の腕前です。
 医者の本音を知りたい方はぜひご一読を。

2009/03/25

著者プロフィール

里見清一

サトミ・セイイチ

本名・國頭英夫。1961(昭和36)年鳥取県生まれ。1986年東京大学医学部卒業。国立がんセンター中央病院内科などを経て日本赤十字社医療センター化学療法科部長。杏林大学客員教授。著書に『死にゆく患者(ひと)と、どう話すか』『医学の勝利が国家を滅ぼす』『医師の一分』など。

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