人生の軌道修正
770円(税込)
発売日:2009/04/15
- 新書
- 電子書籍あり
明暗を分ける発想の転換! 「生きにくさ」を「生きやすさ」に――。
世界が急激に変わりつつあるのに、古い価値観にしがみついていては生きにくくなるばかり。ほんの少し、アタマを切り替えてみる。その軌道修正がやがて大きな方向転換をもたらすのだ――。「ポジティブシンキングは落ち込みのもと」「働き盛りに目標値を下げてみる」「節制は心にも身体にも悪い」「年をとったら浪費しよう」など幅広い視点から、現代日本の長寿社会に適した発想の転換を提案する!
書誌情報
読み仮名 | ジンセイノキドウシュウセイ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610310-0 |
C-CODE | 0211 |
整理番号 | 310 |
ジャンル | 倫理学・道徳、教育・自己啓発、趣味・実用 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/10/28 |
蘊蓄倉庫
日本人男性の平均寿命は約79歳です。還暦を迎えたある男性が、感慨深げにこうつぶやきました。
「オレももう60歳。平均寿命からいえば、残りの人生はあと20年をきったわけだ」
この人は、ある勘違いをしています。「平均寿命」と「平均余命」を取り違えているのです。平均寿命というのは、生まれてすぐ亡くなる人もすべてひっくるめて計算したものですから、ある程度まで生きのこった人の寿命は平均より長くなります。
したがって、無事に還暦を迎えた男性は80代前半まで生きられる可能性が高い。現在、60歳男性の平均余命は約22~23年ですが、この先さらに延びることが予想されます。
還暦を迎えてから、四半世紀生きられる(生きなければならない)時代は間近です。その長い人生をどう生きるか。本書には、少しだけ心が明るくなる考え方のヒントが満載です。
担当編集者のひとこと
なぜ多作なのか
本書は数々の著作をものしてきた和田秀樹氏の、新潮社からは最初の単行本となりました。したがって、私が和田先生を担当させていただくのも今回がはじめて。それまでお目にかかったことはなく、「すごくたくさん本を書いている、教育関係に強いお医者様」というイメージでした。
実際にお目にかかった和田先生は、精神科医、大学教授、会社社長、映画監督などなどさまざまな肩書きのもとで、想像どおり八面六臂の活躍をされていました。柔和な語り口と物腰が、やっぱりこころのお医者様なのだな、という印象を強く与えます。そして、編集者としてもっとも気になっていた「なぜあれだけたくさん本をだすのか」という疑問については、直接お尋ねするまでもありませんでした。その答えは、本書のなかに用意されていたからです。 かいつまんでいうと、それはこういうことです。頭をよくするためには、知識を詰め込むことが必要だけれど、詰め込んだら、今度は引き出してやることが大事。情報は引き出せば引き出すほど、引き出しの経路ができる。したがって、「あれだけ書くほど、よくネタがある」のではなく、正しくは「あれだけ書くから、ネタが出てくる」のだということ。そして、同じことを繰り返し言い聞かせることが精神科医の仕事である。……なるほど!
本書では、「生きにくさ」を「生きやすさ」に変える発想の転換のヒントを、多数提示しています。長年、高齢者のこころを診てきた和田先生ですから、高齢者とそのすべての予備軍を勇気付ける内容になりました。ということは、すべての世代に参考になるということ。いま30代半ばの私にとっては、子供の教育や親の老後についてがもっとも身近な話題でした。老若男女それぞれの読み方ができる、生き方本です。
2009/04/24
著者プロフィール
和田秀樹
ワダ・ヒデキ
1960年生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、高齢者専門の精神科医。著書に『80歳の壁』など多数。