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人生の軌道修正

和田秀樹/著

770円(税込)

発売日:2009/04/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

明暗を分ける発想の転換! 「生きにくさ」を「生きやすさ」に――。

世界が急激に変わりつつあるのに、古い価値観にしがみついていては生きにくくなるばかり。ほんの少し、アタマを切り替えてみる。その軌道修正がやがて大きな方向転換をもたらすのだ――。「ポジティブシンキングは落ち込みのもと」「働き盛りに目標値を下げてみる」「節制は心にも身体にも悪い」「年をとったら浪費しよう」など幅広い視点から、現代日本の長寿社会に適した発想の転換を提案する!

目次
はじめに
一 心にいい考え方を身につける
ポジティブシンキングは落ち込みのもと/フロイトの限界/うつ病を自力で予防する/どっちつかずのほうがいい/運命を受け入れる/責任を背負わない/他人に依存するのはいいこと/誤解された「甘えの構造」/あるがままの自分をみせる/「お前の母さん、デベソ」と親友/決めつけをしない/可能性と手間/働き盛りに合格ラインを下げる/「エリートは挫折に弱い」は本当か
二 変節漢は長生きできる
人は変わって当たり前/昨日の常識、今日の常識/高齢者は“ごくつぶし”ではない/働かざる者食わせるべし/ニートだって役に立つ/格差は小さく/大らかに世の中をみる/短命宗教と長生き宗教/学問のあやふやさ/共産主義は復活する/民営化は一方通行ではない
三 節制は心にも身体にも悪い
『養生訓』は時代遅れ/コレステロールは高くていい/循環器内科が黒幕/年寄りは禁煙しなくていい/高血圧より低血圧が怖い/メタボは気にしない/薬を減らしてもっと元気に/人生を楽しまないとがんになる/年をとっても心は強くならない/ギャンブル健康法
四 年をとったら浪費しよう
平均寿命に惑わされない/高齢者は勝ち逃げ組/資産は子どもにのこすな/相続税を100%に/老いをおとしめるマスコミ/親の介護は日本の美風ではない/独居老人は幸せである/波平さんは若かった/高齢者の定義を見直せ/労働は健康のもと/管理職こそ安月給で/若い頃がんばってもしょうがない/老いと戦うな/老人の格差問題/年をとることは成長すること
五 年をとるほど頭をよくする方法
脳トレの限界/知恵は伸び続ける/詰め込み教育は正しい/大学生はなぜバカになったか/ほんとうの学歴社会が来る/「テレビ的な頭のよさ」は害悪である/タイコ持ちにだまされない/「やればできる」は嘘/ひらめきより知識を/詰め込んだら引き出す/世界を疑え/理系の発想を持つ/数字に強くなる
六 恥と厳しさを知る
いじめがバランス感覚を育てる/浮世ばなれした学校/金沢工業大学の試み/KYを恐れず/少しだけ親友を持つ/人間関係は量より質/本音が言えない人たち/嫌われない人は好かれない/少し恥知らずになってみる
おわりに

書誌情報

読み仮名 ジンセイノキドウシュウセイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610310-0
C-CODE 0211
整理番号 310
ジャンル 倫理学・道徳、教育・自己啓発、趣味・実用
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/10/28

蘊蓄倉庫

平均寿命と平均余命

 日本人男性の平均寿命は約79歳です。還暦を迎えたある男性が、感慨深げにこうつぶやきました。
「オレももう60歳。平均寿命からいえば、残りの人生はあと20年をきったわけだ」
 この人は、ある勘違いをしています。「平均寿命」と「平均余命」を取り違えているのです。平均寿命というのは、生まれてすぐ亡くなる人もすべてひっくるめて計算したものですから、ある程度まで生きのこった人の寿命は平均より長くなります。
 したがって、無事に還暦を迎えた男性は80代前半まで生きられる可能性が高い。現在、60歳男性の平均余命は約22~23年ですが、この先さらに延びることが予想されます。
 還暦を迎えてから、四半世紀生きられる(生きなければならない)時代は間近です。その長い人生をどう生きるか。本書には、少しだけ心が明るくなる考え方のヒントが満載です。
掲載:2009年04月24日

担当編集者のひとこと

なぜ多作なのか

 本書は数々の著作をものしてきた和田秀樹氏の、新潮社からは最初の単行本となりました。したがって、私が和田先生を担当させていただくのも今回がはじめて。それまでお目にかかったことはなく、「すごくたくさん本を書いている、教育関係に強いお医者様」というイメージでした。
 実際にお目にかかった和田先生は、精神科医、大学教授、会社社長、映画監督などなどさまざまな肩書きのもとで、想像どおり八面六臂の活躍をされていました。柔和な語り口と物腰が、やっぱりこころのお医者様なのだな、という印象を強く与えます。そして、編集者としてもっとも気になっていた「なぜあれだけたくさん本をだすのか」という疑問については、直接お尋ねするまでもありませんでした。その答えは、本書のなかに用意されていたからです。 かいつまんでいうと、それはこういうことです。頭をよくするためには、知識を詰め込むことが必要だけれど、詰め込んだら、今度は引き出してやることが大事。情報は引き出せば引き出すほど、引き出しの経路ができる。したがって、「あれだけ書くほど、よくネタがある」のではなく、正しくは「あれだけ書くから、ネタが出てくる」のだということ。そして、同じことを繰り返し言い聞かせることが精神科医の仕事である。……なるほど!
 本書では、「生きにくさ」を「生きやすさ」に変える発想の転換のヒントを、多数提示しています。長年、高齢者のこころを診てきた和田先生ですから、高齢者とそのすべての予備軍を勇気付ける内容になりました。ということは、すべての世代に参考になるということ。いま30代半ばの私にとっては、子供の教育や親の老後についてがもっとも身近な話題でした。老若男女それぞれの読み方ができる、生き方本です。

2009/04/24

著者プロフィール

和田秀樹

ワダ・ヒデキ

1960(昭和35)年大阪府生まれ。東京大学医学部卒、精神科医。立命館大学生命科学部特任教授、ルネクリニック東京院院長。長らく老年医学の現場に携わるとともに、大学受験のオーソリティとしても知られる。『70歳が老化の分かれ道』『80歳の壁』など著書多数。

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