
日本の食欲、世界で第何位?
770円(税込)
発売日:2010/02/17
- 新書
- 電子書籍あり
何のランキングでしょう?(毎日1人あたりの消費量)1位ラオス(456g)、2位ベトナム(454g)、9位マダガスカル(266g)、12位ギニア(251g)、19位韓国(206g)、29位日本(155g)……答えは本書44ページで。
ところ変わればソバにニンニク、自動販売機から揚げたてコロッケ――。八十三カ国を歩いた元旅行添乗員が日本人と外国人の食い意地、食べっぷりを、豊富な体験とランキングで徹底比較。日本の二倍エビ・カニを食べている国は? アメリカ人より牛肉好きな国民は? 日本人が海外で白いご飯を恋しがる理由や自給率のからくりも分かる、美味しくてキケンな「食べ歩き」に出発です!
主要参考文献
書誌情報
読み仮名 | ニホンノショクヨクセカイデダイナンイ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610351-3 |
C-CODE | 0225 |
整理番号 | 351 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2011/11/25 |
蘊蓄倉庫
岡崎大五さんが海外専門の添乗員をしていたころ、あるバッグを持ち運んでいたそうです。それは醤油や味噌汁、お粥を入れた「食料バッグ」。慣れない旅に疲れ、日本食が食べたくなるツアー客のためのもので、旅行会社も1週間を超えるツアーでは1回は日本食レストラン(あるいは中華レストラン)で食事を取るようコース設定していたとか。この海外での「故郷の味恋しさ」、日本人に限らないそうです。最近ヨーロッパへの観光客が増えているアジアの国の人々も同様かそれ以上で、韓国人添乗員はキムチやコチュジャンを、タイ人添乗員はナムプラーや唐辛子入り酢を、インドネシア人添乗員は辛い醤油のような調味料を運んでいます。難しいのは、いつごろバッグを開いてお客さんに食べてもらうか、だそう。もしこの「ガス抜き」に失敗すると……本書の第2章には、白いご飯恋しさが募った初老の男性が怒り出してしまったエピソードがあります。
担当編集者のひとこと
世界で一番の卵好き
テレビ番組の「美味しいラーメン特集」のクライマックス。湯気をあげる極上の一杯に、最後の仕上げが施されます。それは、卵。半分に割った煮玉子が添えられます。芸能人が通い詰めるお好み焼き屋特集なんかの最後にも、とろとろっとした半熟卵が登場。ああ美味しそう……。
なぜこう熱くテレビ画面を見つめてしまうのか、不思議に思っていました。冷静になってみると、卵なんてスーパーに行けば手軽に買えるのです。季節限定でもないですし、一般的な10個パックのものから、殻が赤かったり、特別なエサを食べさせたりした「特別版」まで自由に選べ、いくら高くても1個千円するわけではありません。コンビニでも売っています。こんなに身近なものなのに、なぜ番組の盛り上げ役を立派に果たしているのか。卵かけご飯専用の醤油の発売が、なぜ大きな話題になるのか……。 その謎が、本書『日本の食欲、世界で第何位?』の原稿を読んでやっと分かりました。日本人の卵好きは、相当なものなのです。国連食糧農業機関(FAO)のデータで「卵をよく食べる人々」(1人1日あたり)を見ると、日本人全員が毎日小さめの卵を1個(52グラム)食べているという数字が出てきました。これは、堂々の世界第2位。考えてみると、家庭料理でも目玉焼きから茶碗蒸しまでバリエーションが豊富です。
ただご存知のように、日本の食料事情については昨今喜んでばかりいられないニュースが伝えられています。その最たるものは日本の食料自給率41%という「危機説」でしょうが、実はこの卵で言うと、自給率はたった11%と出ています。ですが、スーパーで国産卵が買えないことはまずありません。実際に、流通しているうち96%が国産です。では、なぜこんな数字になっているのか? 続きはぜひ、本書第4章「世界で一番、卵が好きなのは?」でお確かめ下さい(卵好きの国ナンバーワンも合わせてどうぞ)。
さて、準備はよろしいですか? ご一緒に、とっておきの「食欲の旅」へ出発です!
2010/02/25
著者プロフィール
岡崎大五
オカザキ・ダイゴ
1962(昭和37)年愛知県生まれ。文化学院中退。1994年から海外専門の旅行添乗員になり、これまで八十三カ国を歩く。著作に『添乗員騒動記』などの「添乗員シリーズ」、『意外体験! スイス』『日本は世界で第何位?』(新潮新書)『笑える! 世界の七癖エピソード集』ほか多数。