
ツキの波
748円(税込)
発売日:2010/04/16
- 新書
- 電子書籍あり
一生幸運だけの人もいない。不運だけの人もいない。『人は見た目が9割』著者が読みとく阿佐田哲也の「運の法則」
人間はツキを支配や制御することはできないが、その性質を知り、波を利用することはできるのではないか。ツキという不思議な存在を誰よりも深く考え、語り続けてきた作家、阿佐田哲也(色川武大)。その思想は現代人にとって大きな指針となる。「人間の運の総量は一定である」「欠点を守り育てよ」「勝つ人柄はつくれる」「ヒットを打つよりフォームを固めよ」――遺された至言の数々を『人は見た目が9割』の著者が読みとく。
書誌情報
読み仮名 | ツキノナミ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610363-6 |
C-CODE | 0210 |
整理番号 | 363 |
ジャンル | 倫理学・道徳、教育・自己啓発、趣味・実用 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/05/25 |
蘊蓄倉庫
昭和38年、作家の阿佐田哲也氏の周囲で「今年、50歳以下で死ぬ有名人は誰か」という賭けをしたそうです。このとき阿佐田氏が挙げた名前が「力道山」でした。そして実際、その年の末、力道山は暴漢に刺されて早世してしまいました。誰よりも「運」や「ツキ」について考え抜いた阿佐田氏らしい逸話です。この阿佐田氏が遺した様々な名言を、読み解いたのが『ツキの波』(竹内一郎・著)。人生の指針となる深い言葉が詰まっている一冊です。
担当編集者のひとこと
勝ちすぎれば、ツキのフクロは、必ずやぶける
新書編集部では、毎日、教養新書の売り上げデータを見ることにしています。創刊以来なので、もう7年も続けている日課です。
この間、いろいろな栄枯盛衰を見ました。自分たちのことを言えば、創刊時には、上位ベスト10をほぼ独占、という景気のいい出来事もありました。
かと思えば、ベスト40にほとんど1冊も入っていないというような時期もありました。
売れていないときの本が、良くない本かといえばそういうこともなく、理由を考えればいちおうこじつけられるものの、実際のところ、ある程度は「ツキ」の問題という気がします。努力や知恵の不足を棚に上げるなと会社の人からは怒られそうですが、実際そんな気がするから仕方がありません。
『ツキの波』を読むと、なんとなくそのへんの事情が見えてきます。ツキという理不尽なものをどう考えればいいか。合理的思考で否定しようとしてもしきれない、ツキという存在について、阿佐田哲也氏の遺した名言をもとに著者は読み解いていきます。どの言葉も深く頷かされるものばかりです。
「勝ちすぎれば、ツキのフクロは、必ずやぶける」
これは阿佐田氏が生前、イラストレーターの和田誠氏に語った言葉だそうです。自分自身のこと、世間のことを見ても、この言葉通りだと思うことがよくあります。
昨年夏に大勝し、今は人気が急降下してしまったあの人を見ても、なるほどなあと思うのです。
2010/04/23
著者プロフィール
竹内一郎
タケウチ・イチロウ
1956(昭和31)年福岡県久留米市生まれ。劇作家・演出家。横浜国大卒。さいふうめい名義で漫画『哲也 雀聖と呼ばれた男』の原案を担当。演劇集団ワンダーランド代表。著書に『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(サントリー学芸賞)、『人は見た目が9割』など。