
秘密諜報員ベートーヴェン
814円(税込)
発売日:2010/05/17
- 新書
- 電子書籍あり
「不滅の恋人への手紙」は楽聖の暗号メッセージだった!
ベートーヴェンが「不滅の恋人よ」と呼びかける三通の「ラヴレター」は、いまだに、誰に宛てて書かれたのか、決定的な証拠はない。この音楽史最大のミステリーに、新説が登場! 実はこの手紙は、一八一二年の夏、全ヨーロッパを巻き込んだ大事件の中で、楽聖が「政治的危機」を友人に伝える「暗号」だったというのだ。果たして真説か。三通の手紙から壮大なスケールに広がる歴史絵巻、ここに開幕!
目次
はじめに
参考地図
登場人物
参考地図
登場人物
第一章 〈不滅の恋人〉への手紙とは
手紙の発見/手紙公開の謎/〈不滅の恋人〉とは/三通の〈不滅の恋人〉への手紙/手紙の内容の謎/一〇人以上いた〈不滅の恋人〉候補/有力候補のアントーニエとヨゼフィーネ/「手紙」が伝える情報/検閲対策としての恋文/手紙は密書である
第二章 ナポレオンの大陸制度
一八一二年/大陸封鎖令/大陸制度とボヘミア/ボヘミアのテプリッツ/ウィーンの改革派の面々/大陸制度のもたらした大変動/金融都市フランクフルト
第三章 ベートーヴェンとブレンターノ家の人々
気鋭の新興実業家フランツ・ブレンターノ/ブレンターノのウィーン進出/アントーニエとベートヴェンの交際/ベートーヴェン兄弟とブレンターノ商会/一八一二年夏、ボヘミアへ
第四章 一八一二年七月、テプリッツ
一八一二年のボヘミア/風雲急を告げるプラハの夏/諸侯たちの「収容所」テプリッツ/秘密諜報員ベートヴェン/キンスキーの金貨/「予期せぬ出来事」とは
第五章 「手紙」の再検証
郵便馬車/エステルハージの思惑/「恐ろしい森」「底なしのひどい田舎道」/エリジウムに向けて/〈不滅の恋人〉/その他の情報と思想/テプリッツにおける滞在/エステルハージの運命
第六章 大崩壊
ロシア戦線/フランツェンスバートの情報本部/大陸制度の綻び/ボヘミアからの撤退/大陸制度の破綻/テプリッツの報復劇/フランクフルトに帰還したブレンターノ
第七章 〈不滅の恋人〉の去ったヨーロッパ
メッテルニヒのウィーン体制/牢獄としてのウィーン/「恋人」ヨゼフィーネ/ヨゼフィーネの悲劇/不屈の革命家ベートーヴェン/挫折と抑圧から生まれた《第九》/テプリッツの風刺画/ベートーヴェンは「皇帝」ナポレオン嫌いだったのか
第八章 結論
「手紙」の謎の最終的解明/ポストホルンの響き/ベートーヴェンの犠牲/地上の〈不滅の恋人〉たち/《遥かなる恋人に》
あとがき
参考文献
参考文献
書誌情報
読み仮名 | ヒミツチョウホウインベートーヴェン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-610366-7 |
C-CODE | 0273 |
整理番号 | 366 |
ジャンル | 音楽 |
定価 | 814円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/07/27 |
配信限定アルバム
本文中の登場曲をおさめた配信限定アルバム「『秘密諜報員ベートーヴェン』音楽ガイド」が、世界最大のクラシック・レーベルNaxosからiTunes向けに配信発売されています。iTunes Storeにてすべて冒頭30秒を無料試聴できます。詳細は、iTunes Store検索で「秘密諜報員ベートーヴェン音楽ガイド」へ。
また、ナクソス公式ブログは、著者インタビューもご覧いただけます。
著者プロフィール
古山和男
フルヤマ・カズオ
1950(昭和25)年、岐阜県恵那市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。リコーダー演奏家、古楽研究家。専門分野はルネサンス・バロック時代の音楽理論と演奏法、舞踏法。そのほか音楽文化史研究などを幅広く手がける。国立音楽大学講師。
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