開国前夜―田沼時代の輝き―
792円(税込)
発売日:2010/06/17
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近代日本の原点は維新の百年前にあった。田沼意次が生み出した江戸の転換点を再評価。
田沼意次といえば、賄賂を好んだ金権政治家と見られがちだが、彼の施政には、旧来の格式にとらわれない発想の斬新さと先見性があった。田沼時代は、この時代がなければ、のちの明治維新はなかったと思えるほど、諸外国とくらべても遜色のない経済の活況と豊饒な文化を生みだした時代なのである。本書では、平賀源内や杉田玄白、池大雅など、開国前夜ともいうべき時代を生きた先駆者たちを通して田沼時代を俯瞰する。
目次
序章 十八世紀後半の日本をとりまく国際社会
自由をもとめる市民社会の台頭
博物学の世紀
中国文化の影響
北方ロシアの極東進出
博物学の世紀
中国文化の影響
北方ロシアの極東進出
第一章 田沼意次
一 光と影
異例の出世をとげた田沼意次
江戸のルネサンス
杉田玄白が見た時代の闇
江戸のルネサンス
杉田玄白が見た時代の闇
二 田沼意次がめざした改革政治
年貢増徴策の限界
間接税の導入
貿易の振興と鉱山開発
新貨幣の鋳造と通貨の一元化
輸入品の国産化
巨大開発事業の失敗
間接税の導入
貿易の振興と鉱山開発
新貨幣の鋳造と通貨の一元化
輸入品の国産化
巨大開発事業の失敗
第二章 平賀源内
一 果敢に挑戦しつづけた鬼才
独創的な仕事をしたいと願った自由人
博物学全盛の申し子
長崎遊学のあと辞職
博物学全盛の申し子
長崎遊学のあと辞職
二 江戸のマルチタレント
新進気鋭の物産学者
高松藩に再度辞職願
『物類品隲』からオランダ博物学へ
高松藩に再度辞職願
『物類品隲』からオランダ博物学へ
三 古今の大山師
戯作者風来山人の出現
秩父山中で石綿発見
みごとにはずれた大博打
二度目の長崎遊学
非常の人の非常な死
秩父山中で石綿発見
みごとにはずれた大博打
二度目の長崎遊学
非常の人の非常な死
第三章 杉田玄白
一 医学者にして筆まめな社会批評家
杉田玄白にとっての平賀源内
得意の源内、迷う玄白
くじかれた望み
得意の源内、迷う玄白
くじかれた望み
二 日本の医学界を一新させた『解体新書』の翻訳
『ターヘル・アナトミア』入手
運命の日
艫舵なき船の大海に乗り出だせしが如く
宛名のない手紙
運命の日
艫舵なき船の大海に乗り出だせしが如く
宛名のない手紙
第四章 島津重豪
一 途方もない蘭癖大名
将軍家から嫁いだ祖母竹姫の感化
重豪の開化政策
開明的な田沼意次と重豪
田沼意次の失脚
重豪の開化政策
開明的な田沼意次と重豪
田沼意次の失脚
二 島津斉彬につながる知の系譜
深謀なる隠居
高輪御殿
蘭学への傾倒
大いなる遺産
高輪御殿
蘭学への傾倒
大いなる遺産
第五章 池大雅と玉瀾、只野真葛
一 池大雅と玉瀾の超俗的な芸術人生
日本絵画の黄金時代
祇園の三才女
奇妙な夫婦
司馬江漢と玉瀾
祇園の三才女
奇妙な夫婦
司馬江漢と玉瀾
二 滝沢馬琴が絶賛した只野真葛
みちのくに埋もれた才女
馬琴との文通
まばゆいばかりの少女時代
人生の意味を問い直す
馬琴との文通
まばゆいばかりの少女時代
人生の意味を問い直す
第六章 工藤平助、最上徳内
一 天明の蝦夷地探検
『むかしばなし』で語られる偉大な父
工藤平助の『赤蝦夷風説考』
蝦夷地調査団の派遣
日本最初の北方探検
工藤平助の『赤蝦夷風説考』
蝦夷地調査団の派遣
日本最初の北方探検
二 挫折した蝦夷地開発と北方交易
江戸の政変
国後騒動
蝦夷地の探検に挑みつづけた最上徳内
国後騒動
蝦夷地の探検に挑みつづけた最上徳内
あとがき
参考文献
参考文献
書誌情報
読み仮名 | カイコクゼンヤタヌマジダイノカガヤキ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610369-8 |
C-CODE | 0221 |
整理番号 | 369 |
ジャンル | 日本史 |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/05/25 |