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即答するバカ

梶原しげる/著

770円(税込)

発売日:2010/07/16

  • 新書
  • 電子書籍あり

「無理っす」「トラスト・ミー」「なるほどです」。口に出す前に考えろ! 「しゃべりのプロ」が一刀両断。

例(1)「この仕事頼む」「無理っす」 例(2)「どうするんだ」「トラスト・ミー」……即答するバカが増えている。いかに効率重視の時代でも、すぐに答えればいいというものではない。口に出す前のちょっとした工夫で、あなたの言葉は「すごい力」を発揮するはずなのだ。身近な話題から芸能界、政界まで、しゃべりのプロが、いまどきの「口のきき方」を総点検。一読爽快、溜飲を下げつつ、実践的な会話の技術も身につく一冊。

目次
はじめに――即答する前に考えてみたいこと
第1章 ちょっとした物言いの「すごい力」
1 意外に難しい「感動伝達力」
感動を手短に伝えるのは難しい/上手な感動表現は感動を増幅させる/他者の評価を気にせず、素直な感情を表現する/「しゃべりの好感度」指標/「表現の多彩さ」が好感度につながる/気取らず、構えず、その場に応じて
2 電話番で養われる会話力
下積みは電話番で/社会人としての最初の修業/新人アナウンサーも/あいさつの効用
3 新旧の達人に学ぶ「毒舌力」
毒舌界の新星/愛されるのは難しい/深刻な話を笑いに変える/場数を踏んで体得した本番力/同情ではなく共感
4 準備が物言う「行き当たりばったり力」
安住さんの才気/台本をどこまではみ出せるか/勇気と準備が必要
5 通販に学ぶ実践的圧力
ごっらんくっださーい/実践的しゃべりのテクニックが満載/流暢は美徳ではない
6 誠意が必要な「飛び込み力」
ロケの苦労/傾斜地では低い側に/引き際は潔く/『田舎に泊まろう!』での経験/泊めて良かったと、相手を喜ばせたい
7 今こそ必要な「ちょいゆる力」
バラエティ番組では「無防備な素の自分」を見せる/「ゆるさ」とは自己開示/「ゆるさ」と気骨を併せ持つ蛭子さん/みうらじゅんさんの視点/「世間の見方」から離れてみよう
8 KY力と同調力
張り詰めた披露宴/“KYおやじ”が果たした快挙/同調には二種類ある/「非同調・独立型」とは/食の好みで見分けられる?
9 人を救う「いじる力」
演出された「いつも通り感」/仲間の職場復帰にどう対処すればいいか/寄り添う力/さりげなくヒジを差し出す/「職場うつ」に悩む仲間に対しても同じ
10 初対面で和ませる力
準備は三タイプ/“リスペクト信号”をさりげなく送る/ビジネスの場では?/事前に調べた共通の話題を活用する
11 五木寛之さんの「肉声力」
五木さんに舞い上がる/細川元総理の変化/身体と肉声
12 侮れない「ほめる力」
最近、人をほめましたか?/上司だってほめてほしい/自分を低めてもダメな場合
13 最低限必要な「察する力」
「ちょっと難しい」の真意/若い男女の絶妙のやり取り
14 言葉の「預金力」をつける
ラーメン屋さんで「まろやかな舌触り」?/ひりひりするような投手戦/任意で積み立てる「言葉の預金」を
第2章 やっぱり気になる「口のきき方」
1 「ら抜き」言葉と「か取り」問題
問題な口のきき方/市民権を獲得した「ら抜き」言葉/期待されている役割は/蚊取り線香? 香取慎吾?/「か取り」敬語が蔓延/「か」は「詰問口調」か
2 心ない相槌の罪
某局ニュース番組でのしらじらしい会話/気持ちが入らないと通じない
3 軽薄な業界用語
軽薄な、あまりにも軽薄な/病院用語の怪
4 「使い慣れない敬語」の怖さ
目下の上から目線?/シミュレーションの必要性
5 その「だから」は本物か
緻密な論理性を背景に語られるべき言葉/単純思考が心をむしばむ
6 このごろ気になる三つの口癖
文頭「なので」/「~していてぇ」/なるほどの敬語表現?
7 「ひらがな」を使えない大人
ひらがなを使えない/漢語でゴマカシ/和語のすすめ/ひらがなは楽/ひらがなの達人
8 微妙に気になる「ら足し」と「れ足す」
スノボ選手の屈辱/「れ足す」言葉
おわりに

書誌情報

読み仮名 ソクトウスルバカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610376-6
C-CODE 0288
整理番号 376
ジャンル ビジネス実用、趣味・実用
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/10/28

蘊蓄倉庫

「か取り」問題

 最近、言葉遣いに厳しい人たちの間で問題とされているのが「か取り」問題だそうです。「仕上がりはいつ頃ですか?」と聞くべきところで、「仕上がりはいつ頃です?」というふうに「か」を取ってしゃべる傾向のことを指します。この言い方、かなり浸透しているため、NHKの調査では違和感があると思う人のほうが少数派だとか。まあ実際はTPOに依ると思いますが、『即答するバカ』には、「どういうときにどういうふうに言えばOKで、どういうふうに言えばNGか」について、あれこれ参考になるヒントがたくさん書いてありますので、ぜひご一読を。
掲載:2010年7月23日

担当編集者のひとこと

著者との打ち合わせ

 著者と編集者の打ち合わせって、どんなものですか。そんなことを聞かれることがありますが、人それぞれですし、相手との関係でも全然違ってくるのでとても一言では言えません。
『即答するバカ』の著者、梶原しげるさんとの打ち合わせで、よくあるパターンは、互いにテレビやラジオで聞いた「なんか違和感のある物言い」や「どこかムカつく物言い」について、あれこれと雑談をしていく、というものです。
 私自身は自分が大して喋りが上手いわけでもないのに、テレビのコメンテーターやキャスターのコメントにカチンと来ると、「あれってどうなんですかね」と梶原さんに専門家としての意見をお尋ねすることが多くあります。
 こういうとき、梶原さんは「あいつはヘタだよね」といったことは言いません。基本的にあまり悪口を口にしないのです。実際にはプロの目から見て「ドヘタ」と思うこともあるのでしょうが、それはあえて言いません。
 そのかわりに、「ああいう物言いになるには、こういうテレビ業界の事情があるんでしょうね」と冷静に分析してくださいます。それを聞いて、そうかなるほど、怒って悪かった、と納得することも度々。なんだか打ち合わせというよりは、無料日本語相談室のようでもあります。
 そんな問答の成果も盛り込まれた『即答するバカ』。いまどきのムカつく物言いの分析のみならず、きっと誰にでも覚えがある「あのとき、どういえばよかったのか」といった疑問について、明快な答えとヒントが詰まっております。
 タイトルを見て「あいつのことだ」と思い当たった方も、「俺のことか」と不安になった方も、いずれも満足できる本になっていますので、ぜひ開いてみてください。

2010/07/23

著者プロフィール

梶原しげる

カジワラ・シゲル

1950(昭和25)年神奈川県生まれ。早稲田大学第一法学部卒。文化放送に入社してアナウンサーとなり、1992年からフリー。司会業を中心に活躍中。東京成徳大学客員教授(心理学修士)、日本語検定審議委員。著書に『口のきき方』『すべらない敬語』『即答するバカ』など。

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