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『ティファニーで朝食を』はマリリン・モンロー主演だったかもしれない。

大女優物語―オードリー、マリリン、リズ―

中川右介/著

799円(税込)

本の仕様

発売日:2010/08/12

読み仮名 ダイジョユウモノガタリオードリーマリリンリズ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-610379-7
C-CODE 0274
整理番号 379
ジャンル ノンフィクション、演劇・舞台
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/05/25

オードリー・ヘプバーン、マリリン・モンロー、エリザベス・テイラー。ハリウッドを代表する三人の大女優に、共演は一度もないが、その運命は思わぬ場面で絡み合っていた。オードリーより先に『ローマの休日』の王女役に名前が挙がったリズ、『ティファニーで朝食を』の主演を熱望していたマリリン――最も華やかな時代の映画界を舞台に、デビュー秘話からスキャンダルまで交えて描き出す、美貌と野望の物語。

著者プロフィール

中川右介 ナカガワ・ユウスケ

1960(昭和35)年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社アルファベータ代表取締役編集長、「クラシックジャーナル」編集長。音楽、映画など芸術関連の書籍を数多く編集・出版。著書に『カラヤンとフルトヴェングラー』『松田聖子と中森明菜』『坂東玉三郎』など。

目次

はじめに
プロローグ
三人の美しい少女たち〔一九二六―四〇年〕
父親を知らない娘/ヒトラー信奉者たちの娘/英国上流階級の傍で育った娘
第一章
陽のあたる場所、ハリウッドへ〔一九四一―五一年〕
犬より格下の子役/テイラー母娘の売り込み/ノーマとオードリーの軍事パラシュートの縁/国民的ヒロインになる少女、瀕死の少女/新人女優の第一条件/ロシアから来た演劇理論/「魂も奪われるほど美しい」/オードリーの「空白の一年」/リズは大根役者/ヌードで五十ドル稼ぐ/『イヴの総て』に出る戦略/三度目の婚約はヒルトン御曹司と/世界一の結婚式/映画女優オードリーの初セリフ/「最も不快な若手女優賞」/大作家に見初められる/アン王女の誕生/渡米中に六キロ太る/二十世紀フォックスとの七年契約/人気に火が点くとき
第二章
『ローマの休日』とセックス革命〔一九五二―五四年〕
マリリンのセルフ・プロデュース力/ディマジオとの食事会/見た目も発言も「革命」/次元の違う映画/『ローマの休日』の空白の数十分/リズの妊娠と破産危機/ヴィヴィアン・リーとの隠れた「共演」/いつも「頭の悪そうな女」役/取り巻きの新旧交代/オードリーの自己主張/メル・ファーラー登場/映画そっくりの英王女の恋/オードリーVS.衣裳界の女帝/マリリンのストライキと日本旅行/「まるで独裁者になったみたい」/アカデミー主演女優賞に輝く/舞い上がる白スカートを見た夫/「サブリナ・パンツ」への圧倒的支持/私の身体は貧弱
第三章
膨らんでいく特別な野望〔一九五五―五八年〕
マリリン・モンロー・プロダクション/アクターズ・スタジオ勢の圧勝/フォックスに全面勝利/交換可能な女優/共演者ディーンの死/『戦争と平和』の映画化競争/度重なる事故/また増えたマリリンの悩み/稀代のプロデューサーの求婚/マリリンに迫る赤狩り/撮影より難しいもの/「長いだけで深みがない」/酷評される夫、世界を手に入れた夫/週に五日、精神分析医へ/悔しがるマリリン/主演女優賞ノミネート中の悲劇/崩れ始めるハリウッド/スキャンダルを喜ぶ映画会社/『お熱いのがお好き』の笑えない現場/リズの仕事は不倫沙汰
第四章
女王になった女、ファーストレディになれなかった女〔一九五九―六二年〕
マリリンが掴んだ情報/「百万ドルなら引き受けますわ」/低い発声を覚える/フルシチョフと会話/元ナチの父親を探す/三人が演じた役の違い/何をしたら認めてくれるの?/二人のエリザベス女王/原作者カポーティの反対/衝撃のニュース「リズ死す」/『クレオパトラ』は撮り直し/「大統領と関係を持った」/なぜ会社はマリリンを軽く見たか/演技理論の大きな副作用/大統領の誕生日を歌い上げて/リズを「消す」ためのヌード撮影/フォックス社の大混乱/八月四日、午後八時から十時の間の死/他殺説のバリエーション
エピローグ
主演女優の真の敵、それは――〔一九六三―二〇一〇年〕
イライザ役の交代/自分の歌が使われるか/二千億円が「史上最大の失敗作」に
あとがき
主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2010年9月号より 三人の女優のそれぞれの完璧さ

中川右介

『大女優物語―オードリー、マリリン、リズ―』は、タイトルにある三人の女優の人生と作品を描いたもの。最年長のマリリンと最年少のリズとが六歳違いなので、彼女たちはほぼ同世代である。
三人の中で、オードリーとマリリンは現在も人気があり、知名度も抜群だ。しかし、エリザベス・テイラーは、四〇歳代よりも下の人には、愛称がリズということも含め、ほとんど知られていないようだ。そのリズの復権が、この本を書く動機のひとつだった。そう、私にとってリズは初めて夢中になった女優だったのだ。中学生の頃、テレビでは毎日のように外国映画の名作が放映されていた。そのほとんどを観ていたが、なかでもリズの映画は、こんなに美しい人がいるのかという素朴な驚きとともに熱心に見入っていた。
エリザベス・テイラーは完璧な美女である。だから、面白味がないのかもしれない。何度もの結婚と離婚も、不人気になった要因なのかもしれない。だが、一九五〇年代の作品はどれも名作といっていいし、マイケル・ジャクソンがずっと憧れていたように、彼女はアメリカの美の象徴だった。
オードリーは完璧な人生を送った人だ。子どもの頃は戦争や家の没落で苦労し、結婚にも失敗するが、子どもも、大スターとしての名声も財産も得て、晩年のユニセフの活動は称賛された。
出演した映画もオードリーは名作率が高い。名監督と名優が競うように彼女と映画をつくった。とくに、『ローマの休日』は古今東西の映画のベストといっていい。だが、かねてからこの映画がプラトニックラブを描いたものと断定されていることに疑問があったので、ちょっと大げさにいえば、「衝撃の新解釈」も提示してみた。
完璧な美女リズ、完璧な人生オードリーときたら、マリリンはなんだろうか。マリリンは演技者として完璧だった。彼女の場合、プロポーションとかハスキーボイスばかりが語られ、あまり指摘されないが、演技力はずば抜けていた。演技と感じさせないくらい完璧な演技だった。この本を書くにあたり、三人の出演作品のほとんどをDVDで観たが、演技派女優という前提でマリリンの映画を観ると、痛ましさを感じるほど、完璧な演技だと分かる。
三人が全盛期を迎えた一九五〇年代のアメリカ映画界は、赤狩りによる表現の自由の危機とテレビの台頭など、内憂外患を抱えていた。三人は美貌と野望を武器に、山のような色恋沙汰のスキャンダルや映画会社との条件闘争を展開しつつ、この厳しい時代を生き抜く。
三人は契約している映画会社が異なり、一度も共演しなかった。そこで、紙の上で「三大女優の夢の競演」を試みたのがこの本だ。実は女優人生の様々な場面で、彼女たちは交錯している。ある役をめぐって一人が史上初の百万ドルスターになり、一人が涙を呑む出来事もあった。映画を観た方はもちろん、観ていない方も、人間ドラマそのものをお楽しみいただけると思う。

(なかがわ・ゆうすけ 作家・「クラシックジャーナル」編集長)

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実はそれぞれ3歳違い

 マリリン・モンロー、オードリー・ヘプバーン、エリザベス・テイラーの3人が、この並びの順に3歳違いということは、あまり知られていません。ただ、彼女たちの境遇にはかなりの差があります。一例を挙げると、第二次世界大戦が終わる頃、マリリンはロサンゼルスの航空機工場で軍事用パラシュート作りに従事していました。そのパラシュートが送られた先、オランダではオードリーが栄養失調で黄疸が出る重態に陥っていました。リズだけは既にハリウッド入りしており、主演映画『緑園の天使』が公開されて大ヒット。全米の少女たちの憧れの的になります。この3人の運命は、ここからどのように絡み合っていくのか。続きはぜひ本書でお楽しみ下さい。
掲載:2010年8月25日

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