ホーム > 書籍詳細:マネジメント信仰が会社を滅ぼす

ドラッカー読むだけで会社は良くなるの? 「理屈」の前に、本業で稼ぐ力を取り戻せ!

マネジメント信仰が会社を滅ぼす

深田和範/著

748円(税込)

本の仕様

発売日:2010/12/17

読み仮名 マネジメントシンコウガカイシャヲホロボス
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 188ページ
ISBN 978-4-10-610401-5
C-CODE 0233
整理番号 401
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/06/24

マネジメントが下手だから会社が傾くのではない。マネジメントなんかに頼ろうとするから会社が傾くのである。本業で稼げない時に人事制度や情報システムを精緻化させて何の意味があるのか。どんなに見栄えのよい事業計画を作っても、経営者に「意志」がなければ机上の空論である。日本企業は今こそ、「マネジメント信仰」をすてて、愚直に「ビジネス」と向き合うべきなのだ。組織人に覚悟を促す警世の書。

著者プロフィール

深田和範 フカダ・カズノリ

1962(昭和37)年生まれ。一橋大学社会学部卒。シンクタンク研究員、東証一部上場企業の人事部長、大手コンサルティング会社の経営コンサルタントを経て、2010年に独立。著書に『「文系・大卒・30歳以上」がクビになる』(新潮新書)がある。

目次

まえがき
序章 マネジメントがビジネスをダメにする
強まるマネジメント信仰、弱まる企業/ビジネスから逃げるための言い訳としてのマネジメント/マネジメントとビジネスの定義/逆転した主従関係
第1章 症状(1) 意見はあっても意志はなし
「べき」論ばかりで行動せず/ある介護事業会社の役員会/意志がなければ行動はない/「真似ジメント」の弊害/真似ジメントに振り回された会社/消去法思考の落とし穴/「意見はあっても意志はなし」のまとめ
第2章 症状(2) 都合のよいことばかりを考える
頭で考えすぎて過ちを犯す/大手家電メーカーの大失敗/成果主義はなぜ失敗したのか/自社の売り上げを過大評価するベンチャー経営者/「都合のよいことばかりを考える」のまとめ
第3章 症状(3) 管理はするけど無責任
書類1枚の持ち出しにも上司の承認/3種類の営業報告が必要な会社/新規事業よりリスク管理を優先させた会社/「管理はするけど無責任」のまとめ
第4章 症状(4) 顧客よりも組織を重視する
社内事情を優先するマネジメント/親会社が顧客を紹介してくれる子会社/不景気になるほど意識は内向きになる/顧客軽視が染み付いた銀行/「顧客よりも組織を重視する」のまとめ
第5章 日本企業の危機的状況
新しいこと、困難なことに目を向けない/企業不祥事とマネジメント過剰の悪循環/行き過ぎたマネジメントによるビジネスの崩壊/社員のうつ病が増えたのはなぜか/世代間格差の拡大
第6章 経験と勘と度胸を重視せよ
経験・勘・度胸に頼ってみる/社長の勘で立ち直った中小企業/勘と度胸を伸ばす経験を積む/意志を示す・主体的に選択する/「自分が女性に着せたい服」で成功した男/一歩間違えれば「変態」だけれど/ビジネスを志向するのか、マネジメントを志向するのか/ビジネスを選ぶならリスクは覚悟せよ/経営者・管理職は「監督」に徹せよ/結果のためには「不公平」も必要/管理職を「顔」で選ぶ会社/キャリア開発のあり方を変えよ/経験の場としての出向・転籍の活用/出向・転籍がうまくいっている会社、いっていない会社/人事管理で見直すべきこと/労働政策は「起業・再就職支援」を中心に
第7章 他人を変えるより自分が変われ
他人はコントロールできない/自分が変わらなければ何も変わらない/富士通「成果主義人事」の失敗/意志を持つことは難しい/もはや「V字回復」では不十分/「X字回復」を目指せ/新たな一歩を踏み出すのは「今」
あとがき
参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2011年1月号より ドラッカーとドラえもん

深田和範

「もしドラ」(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』の通称)の「ドラ」を、ドラえもんのことだと勘違いしている人が随分いるらしい。考えようによっては、この勘違いは面白いところを突いている。「もしドラ」の中で、ドラッカーのマネジメント手法は主人公が直面する困難な局面を次々と打開していく。あたかも、ドラえもんのひみつ道具がのび太君の悩みを解決していくかのように。おそらく「もしドラ」を読んだ人々は、ドラッカーとドラえもんに同じものを求めていたのだろう。
それは、厳しい現実に対処するためのカリスマ的存在と教義である。ただし、「対処する」といっても、人々は「現実に立ち向かおう」としているのではない。「現実から目をそらす」ためにこれらを求め、まつりあげているのだ。それは、まさしく一種の「信仰」といえるだろう。
本書では、ビジネスマンに見られるこのような態度、つまり、マネジメント手法を追いかけて、現実を直視しない態度を「マネジメント信仰」と呼ぶことにした。そして、マネジメント信仰に陥った人々や組織に見られる傾向(「意見はあっても意志はなし」「管理はするけど無責任」等)の実例をあげて、これらの傾向を払拭するための考え方を示した。
本書を執筆するにあたり、マネジメント信仰に陥った人々や組織の実例を集める必要があった。それは予想外に簡単なことだった。なぜなら、経営コンサルタントだった私は、マネジメント信仰に陥った人々や組織が崩壊していくさまを数多く見てきたし、さらに、私の勤務先がマネジメント信仰に陥った組織そのものだったからである。マネジメント信仰の実例を集めたと言っても、自分の身の回りに起こったことを書いただけなのだ。
ただし、このような暴露本とも受け取れる本を出版すれば、私は職場にいられなくなるだろう。そもそもマネジメント信仰を批判している張本人がコンサルティング会社でマネジメント信仰の布教に精を出していること自体がおかしいではないか。そう考えて、私は本書が出版される前に、勤務先を退職した。
年収一四〇〇万円のコンサルタントだった私も、今では失業者である。ちょこちょことアルバイトをしながら就職活動をしているが、面接を受けさせてくれる会社すらなかなか見つからない。厳しい境遇に置かれてはいるが、「あのままマネジメント信仰にどっぷりと浸かっていればよかった」と後悔することはない。信仰を捨てて現実を直視しなければ、いつまでたっても新しい世界は見えてこないのだ。本書を読んで同じように思ってくれる人がきっといるだろう。そういう人々と新しい世界を目指していこうと思う。
ドラッカーやドラえもんには、もう頼らない。本書を読んで、そういう思いを抱いてほしい。

(ふかだ・かずのり 人事コンサルタント)

蘊蓄倉庫

室長を「顔」で選ぶ大手学習塾

 ある大手学習塾では、塾の室長を社長が「顔」で選んでいます。「進路指導の相談相手は母親と子供だから、母親と子供が相談しやすい顔をしている者を室長にしている」とは社長の弁。知識や能力、ましてやマネジメント技術ではありません。「室長登用基準の明文化」を望む人事部員の意見を社長が退けたこの会社は、今でも成長を続けています。
掲載:2010年12月25日

感想を送る

新刊お知らせメール

深田和範
登録する

書籍の分類

マネジメント信仰が会社を滅ぼす

以下のネット書店よりご購入ください。

※ 詳しい購入方法は、各ネット書店のサイトにてご確認ください。

電子書店

Shincho Live!