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新・堕落論―我欲と天罰―

石原慎太郎/著

792円(税込)

発売日:2011/07/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

国難の超克は、ここから始まる。日本への「遺書」――。

列島を揺るがせた未曾有の震災と、終わりの見えない原発事故への不安。今、この国が立ち直れるか否かは、国民一人ひとりが、人間としてまっとうな物の考え方を取り戻せるかどうかにかかっている。アメリカに追従し、あてがい扶持の平和に甘えつづけた戦後六十五年余、今こそ「平和の毒」と「仮想と虚妄」から脱する時である――深い人間洞察を湛えた痛烈なる「遺書」。

目次
序章
一章 平和の毒
敗戦の光景/「堕落論」と戦後/「牙を抜かれた怪物」/忘れられた江戸の成熟/垂直な価値の基軸/タンタロスの悲劇/あてがわれた平和の毒/横田基地は「戦勝記念品」/収奪される先端技術/「核の傘」という幻/尖閣を守れるのか/安保条約への誤解/ジャパン・ディッシング/核保有という選択肢/司馬遼太郎の慨嘆/「刷りこみ」こそ教育の原点/愚劣な官僚、幼稚な国民/脳幹論は国家に通じる/三島由紀夫の予言/権利の主唱、欲望の肥大/民族的DNAとしての受動性/自らの遺書として
二章 仮想と虚妄
首都の不安/「一番豊かで、一番あわれな子供たち」/正統な青春、透明な閉塞/ルネサンス以来の文学の主題とは/「太陽の季節」とその時代/何が想像力を摩滅させるか/「三つのスクリーン」の罪/物欲、金銭欲、性欲/ヴァーチャル化する暴力と死/根源的な情念なき“恋愛”/「孤独を賑わす術を知らぬ者」/「草の花」に見る愛の本質/我々自身なら救えるはず/画一化と自己喪失のあいだで/現実逃避と死へのノンシャランス/仮想と虚妄からの解放

書誌情報

読み仮名 シンダラクロンガヨクトテンバツ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610426-8
C-CODE 0210
整理番号 426
ジャンル 文学賞受賞作家、社会学、ノンフィクション
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/01/27

著者プロフィール

石原慎太郎

イシハラ・シンタロウ

(1932-2022)神戸市生れ。一橋大在学中の1955(昭和30)年、「太陽の季節」で文学界新人賞受賞。翌年、同作の芥川賞受賞は、その倫理性をめぐって社会的事件となった。1968年、参議院選に全国区から立候補、最高得票で当選。その後、衆議院議員を経て、東京都知事を務める。他の作品に『化石の森』(1970年刊、芸術選奨)、「生還」(1988年刊、平林たい子文学賞)、『弟』(1996年刊、毎日出版文化賞特別賞)、『わが人生の時の時』、『再生』等がある。

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