
中国のジレンマ 日米のリスク
792円(税込)
発売日:2011/08/15
- 新書
- 電子書籍あり
覇者か? 敗者か? 気鋭のストラテジストがデータから世界経済を読み解く。
中国の成長がいつまで続くかを読み解く鍵は70年代の日本にある。環境破壊、格差拡大、資源不足……急激な経済成長が生み出した歪みは、その国に確実に影を落とすからだ。成長ゆえの破綻――彼らはこのジレンマを解消することはできるのか。その趨勢で日米はいかなるリスクを抱え、それをどう乗り切るのか。反中でも媚中でもないスタンスから、データに基づいて冷静に日米中・GDPトップ3の近未来を大胆に予測する。
目次
はじめに
第1章 なぜ中国は金融危機に強かったのか
世界第2位という経済規模の意味/一党独裁だからこその政策/「強さ」を支える三つの土台/中国経済に「バブル」は発生していない/80年代の日本との違い/金融危機が起きる民主主義的メカニズム/中国で金融危機の可能性が低い理由
第2章 中国が陥りかけているジレンマ
なぜ、日本の食卓からバターが消えたのか/60年代の日本の水準と並んで起こること/巨大な人口、巨大な労働力、巨大な市場が求める資源/原油価格再上昇の背景/新興国はまだまだ石油を必要としている/問題は人口だけではない/自らの成長が、自らの未来を制限する
第3章 70年代の日本が暗示する未来
ストライキが頻発する時代背景/二度あったニクソン・ショック/日本列島改造論とインフレ圧力/オイル・ショックと狂乱物価/高度経済成長と背中合わせの公害問題/豊かさ故に政治は不安定化する/80年代の飛躍を準備した10年
第4章 アメリカが中国経済を左右する
米国経済の際立つ存在感/なぜみんなドルで支払うのか/基軸通貨を維持するための努力/敵を知り己を知る/大統領の再選と中間選挙の不思議な関係/成功した大統領の「置き土産」
第5章 資源インフレの淵に立つ世界経済
近未来について大胆な予測/米大統領選挙は既に始まっている/好景気を演出することの副作用とリスク/オバマ政権の覚悟/そして資源インフレへ/「ジャスミン革命」を起こしたのは誰か
第6章 5年後の中国、日本の行く道
結果が大きく異なる二つの道/シナリオ1 「覇権国化」への道/シナリオ2 「分裂化」への道/社会主義市場経済の矛盾/日本が実行すべき資源・エネルギー戦略/迫られる日本の覚悟
おわりに
参考文献
参考文献
書誌情報
読み仮名 | チュウゴクノジレンマニチベイノリスク |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610432-9 |
C-CODE | 0233 |
整理番号 | 432 |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/02/24 |