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人口激減―移民は日本に必要である―

毛受敏浩/著

792円(税込)

発売日:2011/09/16

書誌情報

読み仮名 ジンコウゲキゲンイミンハニホンニヒツヨウデアル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-610435-0
C-CODE 0231
整理番号 435
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/03/09

25年後、1700万人減。日本は没落するのか――。これが再生のための劇薬だ!

日本の人口減少が止まらない。このままでは、内需の縮小による経済的後退のみならず、活力そのものが失われ、日本は世界から取り残されていくばかりだ。本書では、人口減少化社会への劇薬として、移民受入れを議論する。彼らの労働力や「多文化パワー」を最大限に活かす方法、その経済的効果、本当の受入れリスクなどを検証。はたして移民は、“救世主”となるのか。国際交流のスペシャリストによる、新しい日本再生論。

目次
はじめに
序章 失われた「経済電圧」
活力不足の日本/失われた「経済電圧」/カンボジアの熱気/電圧を高める先進国の知恵/日本はダチョウと同じ/土人間と風人間
第一章 二〇三五年 鎖国編
漂う不安感/二〇三五年の回想/「シルバーピア」という姨捨て山/若者の海外流出/ゴーストタウン・ブーム/見えない砂漠化/中国からの投資/二〇三五年、日本の没落/止まらない人口減少と高齢化/出生率増も焼け石に水/ふたこぶラクダの罠/未来をひらく鍵は何か
第二章 開国を拒む心理
人口減少という危機/中国人観光客誘致ブーム/排他性のメカニズム/女性の活発な国際志向/内地雑居の大論争/移民受入れに反対する理由/移民とはどのような人々か/大相撲と「ウィンブルドン現象」/二十一世紀の移民の実態/なぜ外国人の受入れを拒むのか
第三章 世界から取り残される日本
変化を拒む日本/翻訳文化という防御壁/国際会議で発言しない日本人/落日の国際交流/女性が幻滅する日本/外国人受入れの先手を打つ韓国/ヨーロッパの移民事情/労働力から対話へ/日本は世界の反面教師
第四章 ビジョンなき受入れ現場
日本の人口の一・七%が外国人/日系ブラジル人の数奇な運命/日本への「デカセギ」/金融危機後の日系ブラジル人/現代の「女工哀史」/外国人労働者の奴隷的状況/外国人増加で本当に犯罪が増えるのか/犯罪に走る理由/外国人を不安定化させる要素
第五章 二〇三五年 開国編
A市の決断/フィリピン人の来日/岡山県の難民受入れ/山形県の移民受入れ宣言/政府の劇的な方針転換/相乗効果と好循環/異文化に寛容な日本へ
第六章 移民受入れで変わる日本
現実の成功例/移民の効用/受入れのコスト/移民の経済効果/新華僑と台風娘――移民たちのバイタリティ/多文化パワー
第七章 草の根の受入れ基盤
これまでの蓄積/自治体の取り組み/多文化共生政策の限界/国際交流協会/日本語ボランティア/NPOの活動/地域社会から始める
第八章 それでも日本に移民は必要である
無関心の壁/地域での実践活動/外国人受入れ成功の条件/聖徳太子の知恵
おわりに

担当編集者のひとこと

「デフレの正体」は「人口激減」である。

 昨年6月の刊行以来、ベストセラー街道を突き進み、今年になって50万部を突破した『デフレの正体』(藻谷浩介著、角川oneテーマ21)。この本の論点はさまざまながら、「経済は『人口の波』で動く」というサブタイトルにあるように、「デフレの正体」を日本の人口動態から読み解く、というところがポイントとなっています。曰く、「一九九〇年代半ばを境に、『生産年齢(15歳~64歳――引用者註)人口の波』の減少局面に突入した日本。定年退職者の増加→就業者数の減少によって内需は構造的な縮小を始めました」(P142)。つまり、「景気の波」よりも、遥かに高く構造的な「人口の波」こそが、「デフレの正体」と喝破し、それを解消するためにはどうするか、具体的な提言がなされています。
 新潮新書『人口激減』の問題意識も、『デフレの正体』と同様です。それは「このまま人口が減少するのを、指をくわえて待っているだけでいいのか」というもの。ならば、どうするか? 本書の答えは明確。「移民を受入れる」です。減る人口をカバーするために、日本も移民を積極的に受入れるべし、本書の主張はこれに尽きます(ちなみに『デフレの正体』では、外国人労働者の受入れについて、「まったく数量的な効果が出ない」と否定的)。そうしたメッセージが、サブタイトルの「移民は日本に必要である」に込められています。
 長く草の根の国際交流に尽力してきた著者が、その経験をもとに、移民受入れにおける経済的効果や本当のリスク、根拠のない日本人の「移民アレルギー」などに論及。すでに人口減少化に無策な日本は、欧米から「反面教師」として注目されている、おとなりの韓国は数年前から積極的に移民受入れ政策を実施し、成功を収めているなど、日本人にとっては耳の痛い話も出てきます。しかしだからといって、将来確実に訪れる危機に目や耳をふさぐのではなく、子どもや孫世代が生きる時代のことを見据え、本書をきっかけに、移民受入れについての議論が巻き起こることを期待します。

2011/09/22

著者プロフィール

毛受敏浩

メンジュ・トシヒロ

1954(昭和29)年生まれ。日本国際交流センター勤務。地域ネットワーク主幹。慶応大学卒。エバグリーン大学大学院修了。兵庫県庁に勤務後、1988年より現職。草の根の国際交流に携わる。慶大などで非常勤講師を歴任。編著書に『国際交流・協力活動入門講座I~VI』。

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