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テレビ局削減論

石光勝/著

770円(税込)

発売日:2011/12/16

書誌情報

読み仮名 テレビキョクサクゲンロン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 206ページ
ISBN 978-4-10-610449-7
C-CODE 0255
整理番号 449
ジャンル マスメディア
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/06/22

いつまでつまんない番組が続くのか? 【元キー局役員による渾身のメディア論】

時間を水増しした特番、タレントが空騒ぎするバラエティ、増殖を続ける通販番組……視聴者離れに歯止めはかからず、広告費も減少の一途。メディアの帝王は瀕死の状態である。視る側も作る側も不幸なこの構造を変えるには、もはや民放ネット局の削減しかない。ビジネスモデルとしてのテレビを俯瞰して辿りついた結論は「民放3NHK1の4大ネットワーク」への大転換である。元テレビ局役員が放つ渾身のメディア論。

目次
序章 テレビ局をなくせ
第1章 どん底経営に喘ぐテレビ局
全局玉砕/「空中掴みどり」から「炭焼き小屋」へ/100年続く構造不況/「詳しくはWEBで」/ジリ貧の視聴率/視聴率は本当か/誰でも編成局長/視聴率を喰うBSとケーブルテレビ/頼みの綱の放送外収入/継子通販が救世主/通販はCMである
第2章 親分の新聞社も危ない
新聞社が作ったテレビ局/田中流の免許皆認/剛腕首相の系列化/取らない読まない新聞/共食い同士の助け合い
第3章 欧米はすでに死屍累々
欧米の新聞不況/電子新聞時代はやってくるか/一足早い欧米のテレビ不況/メディア同士の結婚/日本は離婚? 重婚?
第4章 いつまで「つまんない番組」は続くのか
視聴率が下がる理由/「納豆ダイエット」騒動の背景/ハリウッドがない日本/複次利用を問われる番組/地方局まかせのドキュメンタリー/「ながら」「瞬間」「飛ばし」
第5章 BSもワンセグも救世主になれない
BSシャワーが降ってくる/CSとケーブルテレビも/ホリエモンのフジテレビ乗っ取り/「融合」の前に“液状化”/番組を注文配送する「オンデマンド」/「テレビでゲーム」と「ゲーム機でテレビ」
第6章 権力とテレビとネットの新三角関係
東日本大震災下のメディア/「ウェブ2.0」の情報革命/ハリケーンのデマとピューリッツァー賞/世界的素人歌手と尖閣ビデオ/ウィキリークス、フェイスブック/大統領選も制するブロガー/映像情報の産地直送便/権力とテレビとネットの新三角関係
第7章 テレビの「公正」とは何か
「真相報道バンキシャ!」の真相/ご意見番BPOが活躍する時/従軍慰安婦番組への圧力/ヒットラーを生んだラジオ/為政者が走る法的規制/誤解しているテレビの「公正」
第8章 テレビ50年体制の崩壊
改正放送法とは何か/放送と通信を一体化する新法/「認定持ち株会社制度」とテレビ局の合併/強化された「マスメディア集中排除原則」/新聞とテレビの引き離しは反対
終章 再生のための「削減」プラン
タクシーなみに多すぎる地上局/「1社で20局」の持ち株会社を
あとがき
参考文献

蘊蓄倉庫

風呂屋とテレビ局の関係

 かつて「風呂屋と銀行とテレビ局の共通点は何か?」という謎かけがあったそうです。答えは「立派な建物を建てれば後から金がついてくる」というもの。風呂屋が儲かる、というから相当、昔の話なのでしょう。その後、風呂屋は衰退していき、銀行もかつてのような勢いはありません。テレビ局だけは免許事業ゆえに競争が少なく、儲かるビジネスだったのですが、それも近年の不況の影響で、各局が経営に苦しんでいます。
 お金や手間がかかる番組が減って、安直な特番やグルメ番組が増えた根本の理由もそこにあります。
 ではどうするか。『テレビ局削減論』では民放キー局の削減が起死回生の策となる、と説いています。テレビに限らず新聞、ネットなどメディアの全体像を掴む上でも格好の一冊です。
掲載:2011年12月22日

担当編集者のひとこと

テレビは本当に大変だった

 もう随分前から「出版不況」というようなことは言われていました。今から思えば全然そんな大変な状況ではなかったのですが、確かに景気は長いことあまり良くありません。今後もそんなに急成長する業種ではない気がします。
 それに比べると同じマスコミでも、テレビはいいなあ、いつも景気が良くて、と思っていました。しかしこの数年、「民放テレビもヤバいんだ」という記事をよく目にするようになってきました。
 とにかく景気が良い人たちだというイメージしかなかったので、本当かな? と思っていたのですが、どうも本当のようです。すでに各局が赤字を計上するような事態になっており、しかも業績向上の見通しはまったく立っていません。『テレビ局削減論』の著者によれば、この構造不況は100年続くかもしれないものだ、とのことです。
 そして本業の広告収入だけでは限界が見えてきたので、各局とも副業に走っている、と本書では指摘しています。通販や映画製作などは、よく(いや、嫌と言うほど?)目にするので驚きませんでしたが、中には不動産業や結婚式のプロデュース業なんてものまであるそうです。その結婚式ではテレビ局のアナウンサーやカメラマンなどのスタッフを「活用」するというサービスが受けられるとのこと。
 なるほどよく考えたもんだと感心しました。この分ならば葬儀ビジネスに参入する日も遠くないのかもしれません。
 もちろんテレビがなくなっては困るし、面白くありません。それではどうすればテレビは生き残れるか、そのための秘策としてキー局の削減を本書は提案しています。
 乱暴な話に思われるかもしれませんが、本書でメディアの全体像を俯瞰すると、この提案に必ず納得するはずです。

2011/12/22

著者プロフィール

石光勝

イシミツ・マサル

1934年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。文化放送を経て、東京12チャンネル(現テレビ東京)に入社。常務取締役から、設立に携わった系列の通販会社プロントの社長となる。著書に『テレビ番外地』『テレビ局削減論』、共著に『通販』などがある。

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