雑巾がけ―小沢一郎という試練―
748円(税込)
発売日:2012/04/17
- 新書
- 電子書籍あり
今明かす過酷すぎる修行の日々。史上最恐の上司に仕えて……。
就職先は「小沢一郎事務所」。憧れの政治家の下で働き始めた著者を待っていたのは、今どき珍しい書生生活だった。住まいは四畳エアコンなし、低賃金で睡眠不足、頻繁に落とされる理不尽なカミナリ……この苦行の先には何があったのか。「今の政治家には雑巾がけが足りない」と繰り返す史上最恐の上司、小沢一郎とは何者なのか。過酷な経験をもとに修行生活の意味と独自の「仕える技術」を綴る。
2 小沢ファンの高校生
3 書生という人生
4 秘書は「あれ」に備える
5 秘書と政治家の複雑な関係
6 事務所のトップになったものの
7 出馬とネグレクト
8 納得の落選
2 報告の順番を間違えない
3 物の頼み方、頼まれ方
4 スピーチでは感謝の気持ちを忘れない
5 礼儀は大切
6 上手な怒られ方
7 駄目な先輩との接し方
8 美味しい話は滅多にない
9 意見をどう言うか
10 政局に予定は入れない
11 「抜き」の時間を作る
12 本は読めるときに読む
13 敵味方は流動的なものである
書誌情報
読み仮名 | ゾウキンガケオザワイチロウトイウシレン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610466-4 |
C-CODE | 0231 |
整理番号 | 466 |
ジャンル | 政治 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/10/19 |
蘊蓄倉庫
『雑巾がけ―小沢一郎という試練―』の著者、石川知裕代議士は、小沢一郎氏の元秘書です。小沢事務所には様々な掟があるそうで、その一つが「親方は手帳を持たない」。小沢氏はスケジュールを秘書にやらせて、自分では管理しないそうです。単なる物ぐさではなく、ダブルブッキングを避けられるといった実利的なメリットがあるとのことです。それ以外のメリットもあるそうですが、詳しくは本書で。
担当編集者のひとこと
脳内に侵略者が
本を作るのは楽しい反面、怖い面もあります。時おり、著者の思考がこっちの脳に侵略してきて、別人格に乗っ取られるような感覚が襲うことがあるのです。
『雑巾がけ―小沢一郎という試練―』の編集過程でも、そういう場面が訪れました。それも著者の石川知裕さんではなく、そのボスである小沢一郎氏が乗り移ってくるのです。石川さんは、長年小沢さんに仕えてきたので、その思考・行動パターンを熟知しています。本の中には、そのパターンがぎゅうぎゅうに詰っているので、こちらにも影響してきたのでしょう。
たとえば、部下が「○○だと思います」と報告してくると、
「思いますっていうのは、どういうこと? 実際にはどうなの?」
などとつい口をついて出ます。これは明らかに、本書の中にある「思いますと言うな」という教えの影響です。
また、「このへんでトラブルが起きそうだ」などと察知して、その時期には予定を極力入れないようにしていました。これも本書の中の「政局には予定を入れない」という教えの影響のように思います。
これは危ない、このままでは、どんどん強面になってしまう。そう自覚したので、それ以上の侵略を避けることが出来ました。しかしそれだけ、小沢氏には良くも悪くも何らかのパワーがあるということなのかもしれません。共感できるかどうかは別として、そのパワーの性質を見てみたい方はぜひ本書をご一読ください。
2012/04/25
著者プロフィール
石川知裕
イシカワ・トモヒロ
1973(昭和48)年北海道足寄町生まれ。衆議院議員。早稲田大学商学部卒。約10年間、小沢一郎の秘書を務めたのちに北海道11区から衆院選出馬。2009年に再選。2010年に政治資金規正法違反容疑で逮捕され公判中。著書に『悪党』がある。メルマガ「汚名返上!」配信中。