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世界史の“コツ”、教えます――。古代ギリシアから現代まで。3000年を一冊で大づかみ!

日本人のための世界史入門

小谷野敦/著

842円(税込)

本の仕様

発売日:2013/02/15

読み仮名 ニホンジンノタメノセカイシニュウモン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 271ページ
ISBN 978-4-10-610506-7
C-CODE 0222
整理番号 506
ジャンル 世界史
定価 842円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2013/08/23

いつから日本人は世界史が“苦手”になったのだろう。“コツ”さえつかめば、世界史ほど面白いものはないのに――。「物語のない歴史は退屈である」「日本人にキリスト教がわからないのは当然」「中世とルネッサンスは何が違うのか」「フランス革命の楽しみ方」……。歴史の“流れ”を大づかみするための補助線を引きながら、古代ギリシアから現代までを一気呵成に論じる。一冊で苦手意識を克服できる、便利な世界史入門。

著者プロフィール

小谷野敦 コヤノ・アツシ

1962(昭和37)年生まれ。作家・評論家。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。著書に『もてない男』『谷崎潤一郎伝 堂々たる人生』『川端康成伝 双面の人』『日本人のための世界史入門』『頭の悪い日本語』『俺の日本史』など。

目次

序言 歴史は偶然の連続である
“歴史離れ”は「知」への軽蔑/歴史に“法則”なんかあるのか/拍子抜けの『銃・病原菌・鉄』/英雄史観と民衆史観の両方があってよい/江戸時代は「江戸時代」でいいじゃないか/物語のない歴史は退屈である
第一章 皇帝とは何か、王とは何か
「皇帝」「王」が意味するもの/古代ギリシアのトロイ戦争と『オデュッセイア』/「ローマ礼賛」への違和感/カエサルからオクタウィアヌスへ/私にはキリスト教がよく分からない/ローマ帝国の興亡/シナの王朝と三国志/ローマ帝国の東西分裂

コラム(1) 同性愛と宦官
第二章 あえて「暗黒の中世」と言ってみる
ローマ帝国滅亡後の世界/神聖ローマ帝国とイスラムの登場/歴史において想像力は害悪である/宗教と世俗権力の衝突/フランスにはなぜ女王がいないのか/意外と新しい英国の歴史/“キリスト教”と“イスラム教”の激闘/宗教は理性では理解できない/『水滸伝』の時代/チンギス・ハーンは本当にヨーロッパの脅威だったのか/恋愛はアラブからの輸入品か/「暗黒の中世」はキリスト教がもたらした/東洋の発見

コラム(2) 西洋の名前と五爵の制
第三章 ルネッサンスとは何か
「中世=暗黒」への反論/なぜ裸の女が描かれるのか/王権とは何か/英仏百年戦争とジャンヌ=ダルク/明とオスマン帝国/ルネッサンスの本場・イタリア/アメリカの発見と大航海時代/うわっつらなオリエント・ブーム/姦通や離婚と宗教改革/地中海から大西洋へ――覇権の移動/シェイクスピアの時代/旧教国vs.新教国/英国は不思議な国である/明の滅亡と太陽王・ルイ十四世/泣いても喚いても西洋の科学の発展にはかなわない/中世以降のヨーロッパは戦争の歴史である/啓蒙思想家の登場

コラム(3) 「曜日」と代表権
第四章 フランス革命と十九世紀
アメリカの独立/フランス革命はなぜ起きたのか/革命政府vs.ヨーロッパ諸国/皇帝ナポレオンの時代/第二共和制から第二帝政へ/アヘン戦争と近代化への抵抗/植民地とモンロー主義/ナショナリズムの時代/社会主義思想とユダヤ人迫害
第五章 日本の擡頭、二度の大戦
日清・日露戦争と激化する列強の覇権争い/ヨーロッパの没落とアメリカの擡頭/社会主義と共産主義/ファシズムと第二次世界大戦

コラム(4) 大統領、首相、書記長
第六章 現代の世界
戦後独立する国々/冷戦の幕開け

コラム(5) 歴史を歪める安易な呼称変更
あとがき だいたいでええんや

インタビュー/対談/エッセイ

波 2013年3月号より 「勉強になって面白い」の何が悪いのか

小谷野敦

受験勉強というのは、いいものだ。
そんなことを書くと、目をむく人がいるかもしれない。しかし、大学に受かろうという動機があって、懸命に勉強するから、さまざまな知識が詰め込まれるので、これがなかったら、歴史も数学も物理・化学も、ちゃんと身につかないだろうと思う。まあ私など、数学、物理などほとんど忘れてしまったが、やはりかすかには残っているから、少し復習すれば何となく思い出す。
だが、それはお前が受験で成功した人間だからそんなことを言うんだ、つらい思いをして勉強して、行きたい大学に行けなかった人間もいるのだ、と言われるかもしれない。久米正雄の『学生時代』に入っている「受験生の手記」は、受験に失敗し失恋もして自殺する学生の話である。もっとも久米自身は、当時の受験競争を緩和するための推薦制度によって東大へ行っているから、自分では大学受験はしていない。
しかるにスポーツであれば、たとえ優勝できなくても、鍛練の成果が人間としての成長をもたらす、決して無駄ではない、といったことが言われる。誰も、高校野球は競争である、けしからんとは言わない。音楽とか書道でも、大成しなかったから無駄なのだとは言わない。受験競争の勝者は社会の上層部を占めるからいかんのか。それは、受験勉強が悪いわけではあるまい。
この本を書きながら、私はしかし、高校ではなく予備校で教わった世界史を思い出していた。ノート兼用に作られた教科書の、右側のページが白紙になっていて、みなそこに懸命に書き込みをしていた。教師は大岡というアフリカ史専門の人で、予備校でしばしばあることだが、高校の授業とはひと味もふた味も違う、面白い授業を聴かせてくれた。考えてみたら、私の「受験勉強」についての、懐かしいという印象は、予備校へ行ったせいかもしれない。
「史観」とか、イデオロギー的な歴史の扱い方とかを、私はあまりしない。歴史は単純に一種の物語として楽しめばいいと思っている。最近は、歴史もの映画で、当時の情景を巧みに再現しているものも多く、勉強にもなるし、学んでから観ればさらに面白い。落語についても書いたことだが、勉強になって面白い、というのはいいことである。勉強になるということを軽蔑するのは、世紀末藝術あたりの悪い影響でもあろうか。それにしても私は、フランス革命の歴史は好きなのだが、ロシヤ革命のほうはちっとも面白くない。これはマルクス主義の内紛のようなものに関心がないからだが、人それぞれ、面白がる部分が違うのは自然なことだろう。ともあれ、「カノッサの屈辱」とか、「サン=バルテルミの虐殺」とかいった事件の名前を聞くだけでも私などはわくわくするのだが、そんな感覚で歴史を楽しむ、手びきのような本になっていたらいいと思う。

(こやの・あつし 作家・評論家)

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