専門書が伝えない がんと患者の物語
792円(税込)
発売日:2013/02/15
- 新書
- 電子書籍あり
「悪性の疑いがあります」……そこから、どうするか? 今のうちに知っておきたい、がんのこと、病院のこと。
できれば、がんのことなんて考えたくないというのは人情でしょう。でも、その結果、いざという時には慌てて知識を詰め込むことになりがちです。深刻になりすぎずに平常心で、がん、病院、医者のことを学んで欲しい。その思いから著者は、物語仕立てでこの本を書きました。お金の問題、医者とのつきあい方、放射能のリスク、検診の落とし穴……専門書を読むだけでは見えてこない、がんと患者のほんとうのところ。
書誌情報
読み仮名 | センモンショガツタエナイガントカンジャノモノガタリ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610508-1 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 508 |
ジャンル | 家庭医学・健康 |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2013/08/23 |
蘊蓄倉庫
がん全般への特効薬は存在しませんが、がんになりやすい食事はある程度わかっているようです。ハーバード大学の調査では、がんの原因の3割がタバコ、3割が不適切な食事とされています。世界的に見ると、日本は胃がんが多く、その原因の一つは塩分の摂りすぎ。1日の食塩量を3グラム減らすことで、胃がんの死亡率が3分の2になるというシミュレーションもあるそうです。
『専門書が伝えない がんと患者の物語』、なる前、なった後についての様々な基礎知識が、物語仕立てで学べる入門書です。
担当編集者のひとこと
人気連載の新書化、第2弾です
『専門書が伝えない がんと患者の物語』は、週刊新潮に連載中の「がんの練習帳」をまとめた書籍の2冊目になります。1冊目の『がんの練習帳』(2011年)を刊行してしばらくして、何度か編集部に「次はいつ出るのですか」といったお問い合わせをいただいていましたが、ようやく形になりました。
がんの解説書、入門書は多くあります。その中で、本書の特徴は「読みやすさ」「面白さ」といっていいでしょう。がんの本で、面白いなんて不謹慎な、と怒る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、あえて著者は面白く書こうとしています。それは、普段、がんについて考えるのを避けている人にも読んで欲しい、いやそういう人にこそ読んで欲しい、と強く思っているからです。
そのため、本書は7つのストーリーで構成されています。がん患者や家族、またはがんを心配する人々が織りなす物語を追ううちに、いろいろな基礎知識や最新情報が頭に入る、というつくりです。専門書では、医学的な知識は学べても、「患者の気持ち」「家族の気持ち」といったことはわかりません。物語仕立てになっていることで、そうしたことがリアルに感じられるようになっています。
以前、がんの闘病記の編集にかかわったことがありました。かなり苦しい闘病の様子も書かれていましたが、その方は打ち合わせの時に、何度も「これ、面白い? 面白いといいなあ」と仰っていました。
「どうせなら、読んでくださる人が、面白いと思ったほうがいいもんねえ」
とにかく多くの人に最後まで読んでもらって、少しでも参考にして欲しい、という気持ちからの言葉でした。
本書をつくっているときに、そのことを思い出しました。
2013/02/25
著者プロフィール
中川恵一
ナカガワ・ケイイチ
1960(昭和35)年東京生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部部長。東京大学医学部医学科卒業後、スイス、ポール・シェラー・インスティチュートに客員研究員として留学。著書に『がんのひみつ』『がんの練習帳』など。