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人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか

森博嗣/著

814円(税込)

発売日:2013/03/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

?→! 人気作家からの画期的「思考」論。

熟考したつもりでも、私たちは思い込みや常識など具体的な事柄に囚われている。問題に直面した際、本当に必要なのは「抽象的思考」なのに――。「疑問を閃きに変えるには」「“知る”という危険」「決めつけない賢さ」「自分自身の育て方」等々、累計1300万部を超える人気作家が「考えるヒント」を大公開。明日をより楽しく、より自由にする「抽象的思考」を養うには? 一生つかえる思考の秘訣が詰まった画期的提言。

目次
まえがき
どうしたら抽象的に考えられるのか?/客観的と抽象的/小さいか大きいか/具体的なものが邪魔をする/「理想論」かもしれないが/感情的にならないように/何故、抽象的になることが必要なのか/この本で語りたいこと
第1章 「具体」から「抽象」へ
「抽象的」とは「わけがわからない」という意味ではない/「抽象」とは「ものの本質」に注目すること/「抽象」するためには「想像」が必要/「抽象」の大切さ/「抽象」を具体的に説明する/抽象的なことを伝えるには/イメージを限定しない/抽象的にものを見る/抽象化したものは広く応用がきく/問題を解決する発想/抽象化が「発想」を促す/抽象化は思考を要求する/メリットとデメリット/抽象的思考が生み出す「型」/アイデアはどこから来るのか/アイデアのための備え/具体的な情報が多すぎる/「見えるもの」が既に偏っている/冷静になって考えてみよう/自由に考えられることが本当の豊かさ
第2章 人間関係を抽象的に捉える
「楽しく過ごしたい」という願望/「人間関係」という問題/他者を観察する/決めつけてはいけない/相手の身になって考える/現実の人間は複雑である/奥深い人、浅はかな人/他者から発想が拾える/マニュアルは具体的だが/「手法」も具体的だが/「情報」も具体的だが/具体的なものに囚われている現代人/年寄りの方が囚われている/「行動」が抽象的では問題/抽象的であれば、柔軟で冷静になれる/人間関係も抽象的に考える/「友達」を抽象的に考える/「悩むな」とは言わない/割り切らない方が良い/ときどき具体的に表現してみるのも良い
第3章 抽象的な考え方を育てるには
抽象力を育む方法はあるのか/「教えられるものではない」という理解が必要/「考える」という体験/「発想」には「手法」がない/なにが「発想」を邪魔しているか/便利すぎて失われた時間/自分で自分を変えるしかない/手法のようなもの/普通のことを疑う/普通のことを少し変えてみる/似たような状況がほかにもないか/喩えられるものを連想する/創造的なものに触れる/自分でも創作してみる/歳を取ると、頭は固くなる?/大人たちがまず学ぶべき/子供には、注意して接しよう
第4章 抽象的に生きる楽しさ
なにものにも拘らない/無意識に拘ってストレスになる/研究者という職業/研究とはどんな行為か/思考空間を彷徨うトリップ/職業にも拘らない/小説家という職業/小説のための発想/発想するから、「体験」ができる/「ものを作る」という体験/「方法」に縋らない/具体的な方法ほど実は怪しい/さらに抽象すれば/なにもかも虚しい?/どうでも良いことで忙しい/自由のために働く/実現した「忙しくない毎日」/自由はダイナミックでエキサイティング/「考え方」が人間を導く
第5章 考える「庭」を作る
問題とは具体的なもの/発想のあとに論理的思考が必要/思考のあとには具体的な行動が必要/論理的な思考では解けない問題がある/発想だけで解ける問題も珍しい/発想と論理的思考のバランス/具体的に、今すべきことは何か?/庭仕事から発想したこと/自分の庭を育てる/小さなことを見逃さない/頭の中に自分の庭を作る/自分で自分を育てるしかない/「楽しく学ぼう」という幻想/もうちょっと考えよう/「危ないのでは」という発想/「知らない」という不安/「知ること」に伴う危険/「決められない」という正しさ/「決めない」という賢さ/理想を目指すことの楽しさ
あとがき
「 」の意味/「というもの」という表現/「好きか嫌いか」症候群/「発想」がないことの危険/最後に

書誌情報

読み仮名 ニンゲンハイロイロナモンダイニツイテドウカンガエテイケバヨイノカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610510-4
C-CODE 0210
整理番号 510
ジャンル 哲学・思想、思想・社会
定価 814円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2013/09/20

蘊蓄倉庫

なにものにも拘らない

 森博嗣さんのポリシィは、「なにものにも拘らない」ことと本書に書かれています。
「抽象的思考とは、具体的なものに拘らないこと」であるとも詳述されています。
 森さんは、大学の研究者の時代から第一線の人気作家になられた現在までに実践されてきた生活とそれを実現させたご自身の抽象的思考のプロセスを、やさしい筆致で描かれています。そして、「自由な生活」を獲得されています。
 この詳細は本書の第4章をご覧ください。
掲載:2013年3月25日

担当編集者のひとこと

森博嗣さんからのメッセージ

 とても長い書名の本書ですが、森博嗣さんにとって「この本が初めて」というテーマが書かれています。それは「抽象的思考」についての提言です。
 リズムよく読みやすい文章で、知的な触発を受けること必至です。
 森博嗣さんから本書へのメッセージは次の通りです。

「思考」には、論理的な思考と、そうではない「発想」や「思いつき」をする頭の使い方があります。前者は、論理を覚え、具体的な知識から導き出すもので、「思考法」なるものが成り立ちますが、後者は、普通「考えても思いつかない」もので、これを苦手とする人が多いと思います。この本は、そういった「発想」や「思いつき」には、「思考法」といった「方法」がないことを書きました。ただ、方法がなくても、それが出やすい「頭の環境」がある、と論じています。

 人気作家の森博嗣さんによる「書き下ろし」の本書を、ぜひご一読ください。

2013/03/25

著者プロフィール

森博嗣

モリ・ヒロシ

1957年愛知県生れ。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。『冷たい密室と博士たち』『有限と微小のパン』などの『犀川・萌絵シリーズ』(全10冊)で圧倒的な人気を得ている。『黒猫の三角』『スカイ・クロラ』『森博嗣のミステリィ工作室』『森博嗣の浮遊研究室』『相田家のグッドバイ』『科学的とはどういう意味か』など著書多数。

森博嗣の浮遊工作室 (外部リンク)

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