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悪韓論

室谷克実/著

792円(税込)

発売日:2013/04/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

あの国に学ぶことなど一つとしてない! 虚飾にまみれた隣国の実態に迫る。

勤勉で高学歴な国民、急成長する経済力、世界に冠たる技術力──すべては、貧しき内実を華やかな外見で糊塗する隣国の悪しきまやかしだった。李王朝時代から続く凄まじい差別意識、異様なまでの学歴崇拝、熟練工も育たない歪んだ技術蔑視。それが彼らの真の姿である。冷厳な眼で韓国を捉えてきた論客が、韓国メディア自身が図らずも報じていた《外華内貧》の実態を見ながら、その底流にある思考、行動、風習に迫る。

目次
はじめに
序章 李王朝の昔から続く宿痾
滅私奉公とは逆の価値観/儒教は武器、儒教に基づく政はなかった/水の漏れない桶・樽も作れなかったので/「君子不器」の精神で世は回る
第一章 韓国コンプレックスに陥ることなかれ
韓流オバさんの世迷言/教育熱強国であることは間違いない/法定最低賃金を守らなくても処罰されない国/失業率優等生国、その統計の「裏側」/「サムスン財閥」の雄姿に潜む歪み
第二章 格差王国の身分制度
大卒でなければ人間扱いされない/大手財閥系はブルーカラーも高給/オフィスの人口密度が違いすぎる/「大部屋重役」のいない国/一社に社長が十六人!?/進歩的労組が“職場世襲”を要求
第三章 就職浪人大国の悲惨
大卒新入社員の平均年齢は二十八歳超/国民の〇・六%が「留学ないしは遊学中」/米国には韓国人専用大学が!?/兵隊のライタイハンの次は留学生のコピノ/大学を出ても半数は職がない/「学歴過剰大国」症は昂進する/「ニート大国」症候群も悪化する/カップラーメンと焼酎で「消日」
第四章 短期退職者が溢れる国に匠はいない
「超」短期退職者がいっぱい/一番人気・最も尊敬される企業でも/どんな汚い術を使おうと勝てばいい/鉄拳制裁健在、七三%が“会社うつ病”/四十五歳定年の仕組み/最高のバイトは事務補助、最低は……/生産職は定年延長、事務職には希望退職/ヒムドゥロヨとケンチャナヨの大合唱
第五章 長時間労働大国の怠慢
OECD労働統計の罠/「韓国人は勤勉」とは外国人観光客向け/自分の苗字も漢字では書けない/ソウルの板長が吠えた/怖いからKTX乗車はご遠慮致します
第六章 嘘吐き大国は《外華内貧》で老人自殺大国
韓国紙にここまで載っているのに/嘘を重ねて自縄自縛になると/大統領夫妻が美容整形した輝かしい歴史/結婚「式」だけの費用が年収を上回る/子育てと産業化に邁進した高齢者は今
第七章 詐欺大国の上に訴訟大国
「謝罪させたい」という欲望/保険金詐欺は医師の協力が不可欠/交通事故の入院率五八・五%、日本の九・五倍/請求権、詐取を企図して詐欺に遭う/「犯罪大国」でもある/国民の一%超が年に一回告訴する国/国際法廷を逃げ回る訴訟大国
第八章 高級マンションはヤミ金大国の象徴
世にも不思議な伝貰というシステム/ヤミ金市場があるから成り立っている/「資金の出所は一切問わない」と呼び掛けた軍事政権/本当は博打大国/静かな下落で「損切り」できないまま/リーマンショックを奇貨としたウォン安操作/関心事は給料日とカード決済額/家計負債という時限爆弾
第九章 お笑い欺術大国、だから原発が恐ろしい
就職のために金を払うか――イエス三〇%超/月給の何倍も稼げるから/原発「不正部品」納入の闇/「技術大国」ではなく「欺術大国」/超公然たるキックバックの手法があった
第十章 恩赦大国に腐臭なき人はいるのか
「民・民汚職」の常識/警察官とは、昔から悪い人の代名詞/朴槿恵が首相候補に指名した元憲裁所長も/お笑い「就任二十五周年記念でグループ内恩赦」
第十一章 韓国型生活様式が内包する売買春天国
ソウル特派員はなぜ送稿しなかった/傷痕だらけの「性史」が今も続く/専業売春婦と副業売春婦/老人には老人専門売春婦が偽バイアグラで/「システムを輸出、人員も派遣」で悪の世界拡散/文明終末の様相、ここにあり
終章 「大国」「強国」だらけのウリナラ
ついに「グレート・コリア」の主張が出た/総合でも「大国」になってしまった/李王朝時代より進歩したのか
おわりに

書誌情報

読み仮名 アッカンロン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610516-6
C-CODE 0225
整理番号 516
ジャンル 社会学、地理・地域研究
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2013/10/18

蘊蓄倉庫

韓国三大紙と日本語版サイト

 日本で「三大紙」と言えば、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞のことですが、韓国にも三大紙とされる有力紙があります。朝鮮日報、中央日報、東亜日報の各紙で、いずれも国内では「保守系」とされ、日本人から見れば「反日」なところも足並みが揃っているようです。
『悪韓論』は、現代韓国にある差別構造や社会慣習、ひいては政治経済の根深い悪弊を批判した一書ですが、その分析の典拠となったのは、この三大紙を始めとする韓国メディアの報道です。日韓間にあるさまざまな論争は、その前提となるはずの史資料や統計数字がそもそも共有されず、水掛け論のままに終わることがたびたびですが、『悪韓論』はいわば韓国側資料を元に論じているのですから説得力が違います。
 韓国の三大紙には、いずれも日本語版サイトを開いているという共通点もあります。是非、『悪韓論』と合わせて、各サイトを眺めてみてください、著者が本書で指摘する韓国社会の問題点が、その紙面のあちこちに毎日のようにあらわれていることにきっと気付かれるはずです。
掲載:2013年4月25日

担当編集者のひとこと

「嫌」ではなく「悪」

「嫌」韓の熱が高くなっている昨今ですが、本書が称えるのは「悪」韓です。著者の室谷克実氏は、「悪しき韓国について論じた書」という意味で、「自然にこの題名が頭に浮かんだ」と話しています。
「嫌」と「悪」。一見して似ているようですが、まさしく似て非なるもの、まったく別次元の論議です。韓国に対する「好き嫌い」ではなく、韓国社会の実態を冷静に見据えたとき、その「善し悪し」、つまり韓国という国の価値をどのように評すべきか、ということなのです。近年は韓流ブームやサムスングループなどの韓国企業の好調を背景に、「韓国に学べ」式の議論もたびたび聞かれましたが、そうした議論は浅はかだと著者は否定的です。
 そして、長年にわたって韓国をウォッチしてきた著者の、韓国という国に対する評価こそ、「善し悪し」の「悪し」でした。
 この結論だけを聞けば、「偏見」あるいは「独断」との批判がありそうです。しかし、著者が本書で韓国社会を分析するにあたって主な典拠としたのは、韓国の有力紙を中心とした韓国メディアの報道記事そのものです。つまり、個人的な見解、見聞に頼った批判ではなく、いわば韓国側の言い分を客観的に分析した結果なのです。
 隣国社会の実態を日本人はどれだけ知っているのでしょうか。一時的なブームや経済の好調にまどわされずに、隣国の実情と隣国民の思考と行動パターンを正確に知るための一書です。

2013/04/25

著者プロフィール

室谷克実

ムロタニ・カツミ

1949(昭和24)年東京都生まれ。評論家。慶應義塾大学法学部卒。時事通信社で、政治部記者、ソウル特派員、宇都宮支局長、「時事解説」編集長などを歴任。2009年より評論活動に入り、著書に『悪韓論』『呆韓論』『日韓がタブーにする半島の歴史』などがある。

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