縄文人に学ぶ
836円(税込)
発売日:2013/06/15
- 新書
- 電子書籍あり
神棚、ベランダ付き2DK、高級懐石、家計簿、鍋物……すべてのルーツは縄文だ!
縄文を知らずして日本人を名乗るなかれ。私たちが旬の味覚を楽しむのも、南向きの部屋を好むのも、鍋料理が恋しくなるのも、主婦が家計を預かるのも、玄関で靴を脱ぐのも、家々に神棚や仏壇を祀るのも、みなルーツは縄文にあった! 驚くほど「豊か」で平和なこの時代には、持続可能な社会のモデルがある。建築学者でありながら、縄文研究を三十年来のライフワークとしてきた著者が熱く語る「縄文からみた日本論」。
書誌情報
読み仮名 | ジョウモンジンニマナブ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610524-1 |
C-CODE | 0221 |
整理番号 | 524 |
ジャンル | 日本史 |
定価 | 836円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2013/12/20 |
蘊蓄倉庫
日本の食といえば、旬の味覚でしょう。料亭がたんなる高級レストランではなく、四季の移ろいを楽しませてくれる場所であることからも、それは明らかです。
そんな旬の食材を味わいつくしていたのが、私たちの「ご先祖さま」である縄文人です。なんと彼らは60種類以上の獣に、70種類以上の魚、350種類以上の貝に無数の山菜・野菜を食べていたとか。現代のデパ地下でも、そこまで多様な食材は手に入らないでしょう。しかも、貝類ではその70%以上を、旬である春から夏にかけて食べていたという調査もあるのです。
著者によれば、このほか、日本人が南向きの部屋を好むのも、鍋料理が恋しくなるのも、主婦が家計を預かるのも、玄関で靴を脱ぐのも、家に神棚や仏壇を祀るのも、すべて縄文にルーツが求められるといいます。
担当編集者のひとこと
一万年の桃源郷に焦がれて
著者の上田篤さんは、昭和5年生まれの82歳。建築学者・評論家として活躍し、これまでに多くの著書を発表してきました。なかでも本書は、熱く、そして瑞々しい「縄文愛」に満ち溢れた、異色の一冊です。
縄文との出会いは45年前。著者が、1970年に開催された大阪万博の、「お祭り広場」設計にあたっていた時のことでした。建築家丹下健三氏の事務所で出会った岡本太郎氏は、まだ30代だった著者に、例の調子で「縄文だ!」と一喝したとか。そして岡本氏の「太陽の塔」は、「お祭り広場」の中央にそびえ立つことになります。
それから、「日本人のすまい」や「鎮守の森」の調査・研究を経て縄文への関心を深めてきた著者は、ついには「一万年の縄文社会は桃源郷だった」と思うに至りました。
本書でひもとかれる「ご先祖さま」の驚くほど豊かで平和な生活には、多くの日本文化のルーツと、持続可能な社会のモデルのヒントがたくさん詰まっています。考古学者には書けない縄文人の世界をご堪能ください。
2013/06/25
著者プロフィール
上田篤
ウエダ・アツシ
1930(昭和5)年、大阪に生まれ大陸に育つ。建築学者、評論家、西郷義塾主宰。京都大学工学部卒。元建設省技官、元大阪大学教授。著書に『五重塔はなぜ倒れないか』『庭と日本人』『西郷隆盛 ラストサムライ』『小国大輝論』等。建築設計作品に「七〇年万国博お祭り広場」他。