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日本人には二種類いる―1960年の断層―

岩村暢子/著

792円(税込)

発売日:2013/10/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

あなたは新型? それとも旧型? 養老孟司氏絶賛! まったく新しい日本人論。

日本人には二種類いる――長年、食卓を中心に日本人の家族を見つめ続けてきた著者が到達したのが、この結論だった。一九六〇年を境に、日本人の生育環境は一変。この年以降に生まれた「60年型」はみな“新型の日本人”なのである。「個」と「家族」、人との関係性を変えてしまった「一九六〇年の断層」を35の視点から炙り出す。従来の世代論とは一線を画す、まったく新しい刺激的な日本人論の誕生!

目次
はじめに
1 産院生まれの子供たち
2 1960年生まれから親が違う
3 「お母さん」は戦後新教育世代
4 民主主義家庭を指向する「お母さん」
5 憧れの住まいが家族を変える
6 育児用品いっぱい、赤ちゃん中心家庭
7 少なく産んで大事に育てる
8 次々買って、みんな中流
9 家庭教育を期待される「お母さん」
10 おばあちゃんの経験より「育児書」
11 子供を尊重する新しい育児思想
12 粉ミルクと離乳食の時代へ
13 お父さん不在の母子中心家庭
14 ファミリーレジャー時代の始まり
15 生まれたときからテレビっ子
16 あめからチョコへ、子供のおやつも大変化
17 めんこ・おはじきより、一人で遊べる高級玩具
18 お子様を楽しませる幼稚園へ
19 あふれる子供用品、お下がりの衰退
20 自分ペースは当たり前
21 ふれあわなくても生きられる
22 雑巾が絞れなくなった子供たち
23 お稽古・ダブルスクールの始まり
24 生まれたときからインスタント食品
25 肉と油脂とパン食へ、日本の食が大転換
26 味付けも材料も変わった家庭料理
27 子供のころからカップ麺と冷凍食品
28 年中行事より子供の誕生日・クリスマス
29 外食・中食・ファストフードとともに
30 手伝いはしないが、バイトはする
31 共通一次 コンピュータで受験する時代へ
32 過保護と荒れる子供たち
33 女性優位は当たり前
34 中身より見た目が大事
35 現実より仮想 いつまでも子供でいたい
おわりに

書誌情報

読み仮名 ニホンジンニハニシュルイイルセンキュウヒャクロクジュウネンノダンソウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610540-1
C-CODE 0236
整理番号 540
ジャンル 社会学
定価 792円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2014/04/18

蘊蓄倉庫

インスタントラーメンをいつから食べている?

 インスタント・ラーメン――今週は何回食べたでしょう? ほとんど食べないという人もいれば、毎日毎食食べるほど好きという方もいるかもしれません。いずれにしても便利な一食。日本初のインスタントラーメンは1958年発売の日清食品「チキンラーメン」です。この年に120万食だった即席めん市場は、1960年に1億5000万食へと飛躍的に伸びます。その5年後にはなんと17億5千万食へ! これは一例ですが、1960年前後には、食、暮らし、教育のすべてが一変しています。
掲載:2013年10月25日

担当編集者のひとこと

変わったのは食事だけではなかった

 著者の岩村さんは、<食DRIVE>など各調査で、食卓を中心に家族像、そして日本人を見つめてきました。『普通の家族がいちばん怖い』『家族の勝手でしょ!』など文庫でもその詳細に触れることができます。週刊文春のグラビアで食卓調査の結果写真が掲載されたり、NHK7時のニュースの特集で紹介されたり、あの『美味しんぼ』(101巻「食の安全」)で漫画になったりもしています。
 注目を浴びる中、一貫して語り続けていたのが、食に始まり、暮らし、教育、そして思考に至るまでの日本人の変容ぶりです。中でも、1960年前後を境にして変化が激しくなっているのではないかと指摘してきました。その思考をまとめたのが本書なのです。

 長年の食卓調査での結果、そして実感とともに、入手しうる国の機関や団体のあらゆるデータをふまえて、実証的にその「断層」を35の視点で炙り出していきます。調査の徹底ぶりをお伝えしておくと、岩村さんは、調査で「写ルンです」を対象者に渡して1週間三食の食事の撮影をしてもらい、決して現像せずにそのまま提出してもらうそうです。デジタルカメラは、提出時に“都合の悪い”写真を消してしまう人が多いからです。写真に写っているものと、ヒアリングの言葉がズレるときは、一人ひとり時間をかけてじっくりと話を聞きます――そうやって徹底してきた調査に基づく、日本人二分論。
 良し悪しではありません。ここからどんなことを読み取れるのか、未来を予想するのか。考える一助となる一冊なのです。

2013/10/25

著者プロフィール

岩村暢子

イワムラ・ノブコ

1953(昭和28)年、北海道生まれ。大手広告会社を経て、キユーピー(株)顧問。食と現代家族の研究を続け、著書に『変わる家族 変わる食卓』『「親の顔が見てみたい!」調査』『普通の家族がいちばん怖い―崩壊するお正月、暴走するクリスマス―』『家族の勝手でしょ!―写真274枚で見る食卓の喜劇―』。第二回辻静雄食文化賞受賞。

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