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この一冊で「日本史の流れ」をわしづかみ! 単なる「知識」を超えた「歴史的思考力」を鍛え上げる全6章。

歴史をつかむ技法

山本博文/著

880円(税込)

本の仕様

発売日:2013/10/17

読み仮名 レキシヲツカムギホウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-610541-8
C-CODE 0221
整理番号 541
ジャンル 日本史
定価 880円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2014/04/18

私たちに欠けているのは、受験などで必要とされた細かな「歴史知識」ではなく、それを活かす「技法」だ。歴史用語の扱い方から歴史学の変遷まで、「歴史的思考力」を磨きあげるための一冊。そもそも「幕府」とは何か? 「天皇」の力の源泉とは? 歴史小説と歴史学との違いとは? 第一線の歴史研究者が、歴史をつかむための入口を最新の研究成果を踏まえて説く。高校生から社会人まで、教養を求めるすべての人へ。

著者プロフィール

山本博文 ヤマモト・ヒロフミ

1957(昭和32)年、岡山県生れ。東京大学大学院修了。東京大学史料編纂所教授。『江戸お留守居役の日記』で、日本エッセイスト・クラブ賞受賞。『島津義弘の賭け』『日曜日の歴史学』『「忠臣蔵」の決算書』など著作多数。

目次

はじめに
序章 歴史を学んだ実感がない?
なぜ歴史本ブームなのか/なぜ歴史を学びたいのか/なぜ歴史がつかめなかったのか/歴史用語が混乱を誘うのか/教科書は信じてよいのか/いかにして学べば良いのか
第一章 歴史のとらえ方
1 歴史用語の基礎知識
鎌倉時代に「幕府」はあったか/天皇号のいろいろ/「日本」はいつ成立したか/用語確定の難しさ/「鎖国」の由来

2 歴史学の考え方
歴史は科学である/裁判に例えて考える/歴史研究者のスキル/否定された「桶狭間」奇襲説/時代の観念/時代の正義

3 歴史イメージと歴史小説
時代小説が描くもの/時代考証を楽しむ/時代小説と歴史小説の違い/史実と司馬作品/小説家の歴史家化/歴史小説と歴史学との違い/研究と小説の共存
第二章 歴史の法則と時代区分
1 歴史に法則はあるのか
「歩み」と「進歩」の違い/進歩史観に対する懐疑/人類史と自然法則

2 「時代」とは何か――日本史の場合
時代区分の意味/大きな時代区分/政権所在地による時代区分

3 文化史の時代区分
古代の文化/中世の文化/近世の文化/近代の文化
第三章 日本史を動かした「血筋」
1 ヤマト朝廷とは
邪馬台国論争/出土した鉄剣の意義/「直系」と血筋のルール/聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか/中央集権化と血筋の争い/壬申の乱の決め手

2 仏教と政争の奈良時代
律令制と遣唐使/「日本史」の始まり/政争と天皇の意向/歴史を動かした執念/泣くよ坊さん、平安遷都

3 摂関政治と院政
摂政・関白と令外官/藤原氏の陰謀なのか/天皇親政と皇国史観/関白にならなかった藤原道長/院政はなぜ始まったのか/私兵としての武士と平氏政権
第四章 日本の変貌と三つの武家政権
1 鎌倉幕府と天皇
平氏の滅亡と幕府の成立/鎌倉幕府の政治機構/源氏将軍の断絶と承久の乱/北条氏の権力掌握/二つに割れた天皇家/鎌倉幕府の滅亡

2 弱体だった室町幕府
建武の新政と三つ巴の戦乱/室町時代の始まり/室町幕府の政治機構/応仁・文明の乱と下克上/戦国大名と朝廷

3 織豊政権の天下統一
大航海時代と日本/東アジアの国際情勢/鉄炮とキリスト教の伝来/将軍義昭と信長包囲網/近世はいつ始まったか/信長と朝廷の良好な関係/朝廷が頼りにした秀吉/関白政権の特色/秀吉の「唐入り」構想

4 江戸幕府と徳川の平和
家康の覇権/江戸幕府の政治機構/上層武士と官位制度/「委任論」という両刃の剣/ペリー来航と幕府の倒壊

5 明治維新と日本の近代
廃藩置県と身分制度の撤廃/土地制度と士族の反乱/戦争が相次いだ近代日本
終章 歴史はどう考えられてきたか
1 世界史と日本史の理論
歴史理論の変遷/アナール学派の歴史学/「網野史学」の誕生/中世社会史ブーム

2 「司馬史観」と「自由主義史観」
「司馬史観」とは何か/的外れな批判

3 歴史を学ぶ意味
歴史から教訓を得る/「if」はなぜ禁物なのか/歴史に求められているもの/一番大事なのは歴史的思考力
おわりに

担当編集者のひとこと

歴史の学びに実感を!

「歴史を知る」とはどういうことでしょうか? いろいろ歴史の本を読み、たとえば武将の名前やそのエピソードを豊富に知っていれば、素養があることになるのでしょうか。知識はあるに越したことはないのでしょうが、どうもそれだけでは歴史を学んだ実感が持てません。読者の皆さんにも、そんな気持ちを持っている方が多いのではないでしょうか。
『歴史をつかむ技法』の著者である東京大学史料編纂所の山本博文教授によれば、そのつかみどころの無さは、知識とともに学びの両輪となるべき、知識の活かし方、つまり「技法」を身につけていないことが原因だそうです。
 歴史の教育に関係する人々の間でも、知識偏重に対する反省はあって、知識を活かすための「歴史的思考力」を身につけさせるべきだとは以前から言われているそうです。これを「技法」と言い換えてもいいのかも知れません。しかし、「歴史的思考力とは何か?」と問い直すと、人によって見解が違い、従って教育現場でも体系立って歴史的思考力を身につけさせるには至ってないようです。
 しかし、この思考力こそが、私たちが歴史をつかむ力になるのは間違いなさそうです。どうすればそれが身につくのか、同書ではさまざまな角度から、さまざまな「技法」を山本教授が、優しく案内してくれます。
 また、技法を紹介するとともに、日本史の流れも同時につかめるように工夫しているので、一般社会人から高校生まで、歴史に興味のある全ての人へお届けしたい一冊です。

2013/10/25

蘊蓄倉庫

「幕府」は、幕末までなかった?

「幕府」という言葉は、おそらく小学生でも知っている歴史用語ですが、しかし、最初の幕府である「鎌倉幕府」が登場したとき、「幕府」という言葉には、武士の政権のことを指す意味はなかったそうです。元々は中国から来た言葉で、出征中の将軍が幕を張って陣営を構えたところを指し、それが転じて日本では近衛大将の居所を指すようになり、さらに武家政権を指すようにもなるのですが、一般的に幕府=武家政権となったのは、なんと江戸時代も末期に近づいてからです。歴史用語には、かならずしも同時代には使われていなかった言葉がたくさんあります。
掲載:2013年10月25日

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