「超常現象」を本気で科学する
770円(税込)
発売日:2014/05/16
- 新書
- 電子書籍あり
「こんな面白い研究しているセンセーがいたのか」ビートたけしさんも大興奮! 幽霊、テレパシー、予知、透視、念力……。何がすでに解明され、何が未だに謎なのか?
幽霊・テレパシー・透視・念力……。我々を驚かせてきた不可思議な現象の数々は、多くの人に関心を持たれながらも「非科学的」、「オカルト」と否定されてきた。だが、それこそが科学の挑むべき謎だとして、あくまでこれを「科学的」に研究してきた人々がいる。「何がどこまで解明できたのか?」。そして「何が未だに謎なのか?」。明治大学教授が、異端の科学の最先端を案内しながら、「科学とは何か?」の本質に迫る。
第一章 幽霊が見えた?
第四章 超能力と夢の中の世界
第七章 「無意識」の大きな可能性
参考文献一覧
書誌情報
読み仮名 | チョウジョウゲンショウヲホンキデカガクスル |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610571-5 |
C-CODE | 0211 |
整理番号 | 571 |
ジャンル | 心理学、科学読み物 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2014/11/21 |
担当編集者のひとこと
意外と多い「隠れ肯定派」
「超常現象」と聞くと、多くの人が「マユツバ物」、「オカルト」と否定的な態度をとります。しかし、じつは幽霊や超能力の存在を信じている人が、その中にもかなり隠れているのが現実のようです。
本書の著者である明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授によれば、大学で学生たちに「超常現象について否定的か肯定的か」をアンケート調査で問うと、否定的な学生も肯定的な学生も、ともに4割ほどいて勢力は拮抗しているそうです。皆さんは、肯定派が意外に多いと思われるかもしれません。
ところが、そのアンケートの次の質問項目である「一般多数の意見はどうだと推測するか」では、否定が約7割に急増、肯定は約1割に急減してしまうそうです。
つまり、これこそが、一般世間の否定意見の正体なのかもしれません。社会で否定派が多いように思えても、じつはそれは表向きの態度に過ぎず、「内心では肯定的」という人がかなりいるのが実態なのでしょう。
しかし、こうした陰にこもった姿勢や傾向は、まさに超常現象をオカルト的で反社会的なものへと近づけてしまい、不可思議な現象を「科学的」にきちんと正しく解明しようとする姿勢を阻んでいるのです。
本書では、短絡的に超常現象を肯定することも否定することもしません。「科学的」に思考すること、それこそを大事にしています。
もっとも、いわゆる幽霊現象など、すでにその科学的メカニズムが解明されている超常現象がじつはかなりあります。それにもかかわらず、そうした成果があまり知られていないのは、やはり世間が超常現象を表立って話題にすることを避けてきたからなのでしょう。
しかし解明が進んできた一方で、現代の自然科学では解明できない超常現象の存在を示唆する科学的実験データがずっと蓄積されてきているのも事実だと著者は説きます。また、そうした現象こそ科学が挑むべき謎ではないかと主張します。
「何がどこまで解明されているのか?」を紹介しながら、「何が未だに謎なのか?」、そしてその謎がいかに解かれようとしているのか、というその疑問に、本書ではあくまでも本気でかつ「科学的」に迫っています。
2014/05/23
著者プロフィール
石川幹人
イシカワ・マサト
1959(昭和34)年、東京生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部教授、同学部長。博士(工学)。認知情報論、科学基礎論を専門とする他、日本における超心理学研究の第一人者としても知られる。著書に『超心理学』、『心と認知の情報学』などがある。