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日本の風俗嬢
880円(税込)
発売日:2014/08/11
- 新書
- 電子書籍あり
職種は? 収入は? 適性は? 成功の条件は? 働く「35万人」女性の基礎知識。
「そこ」で働く女性は三〇万人以上。そんな一大産業でありながら、ほとんど表で語られることがないのが性風俗業界だ。どんな業態があるのか? 濡れ手で粟で儲かるのか? なぜ女子大生と介護職員が急増しているのか? どのレベルの女性まで就業可能なのか? 成功する女性の条件は? 業界を熟知した著者が、あらゆる疑問に答えながら、「自らの意思でポジティブに働く」現代日本の風俗嬢たちのリアルを活写する。
主要参考文献
書誌情報
読み仮名 | ニホンノフウゾクジョウ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-610581-4 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 581 |
ジャンル | 社会学、サブカルチャー |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2015/02/20 |
蘊蓄倉庫
温度差は様々あるでしょうが、あらゆる業界が2020年の東京五輪をビジネスチャンスとして捉えているという点では一致しているように見えます。ところが、「五輪開催は迷惑だ」と言っている業界があります。それが風俗業界です。
8月新刊『日本の風俗嬢』では、業界関係者のこんな声を紹介しています。
「オリンピックは、風俗関係者にとってマイナスだらけです。日韓ワールドカップ、洞爺湖サミットなど国際的な催しと、開催地近隣性風俗の浄化作戦は必ずワンセットになっています。世間は経済的効果を期待していますが、我々には迷惑なだけ」
『日本の風俗嬢』は、この業界の基礎情報から裏話まで網羅した入門書的な一冊です。
担当編集者のひとこと
風俗の入門書です
この『日本の風俗嬢』は、著者が「まえがき」で書いている通り、「包括的な性風俗入門書」です。
性風俗の入門書、というと「あの店がいい」とか「こういうすごいサービスがある」とかそういうことを連想なさる方もいるかもしれません。でも、そういう情報はこの本からは、ほぼ得られません。それらを求める方は、風俗情報誌などをご覧になるといいと思います。ネットでもいいでしょう。
この本には、「どういう業種があるのか」「どういう人が働いているのか」「どういう働き方があるのか」「どういう賃金体系になっているのか」「何が問題になっているか」といったことが書かれています。
すごく堅くて真面目な方は、そんな情報わざわざ知りたくない、と思われるかもしれません。でも、自身が客かどうかは別にして、また好き嫌いは別にして性風俗業界というのは、常に世間にあるものです。ちょっと繁華街に行けば、そういう店を目にしますし、おじさん向けの夕刊紙には必ずそういう情報ページがあります。
本書によれば、そこで働いている女性は現在30万人以上だと推定されています。それだけの人が働いているのに、その業界についてほとんどの人が知らない。あまり知ろうともしていない。
それはちょっとヘンなのでは、という風に考えたところから始まった企画です。
著者は「カラダを売る、売ろうとする女性たちが現代の社会を映す鏡だと考えている」と述べています。
本書を読み終えたときに、その言葉を再度頭に浮かべていただけたら、と思います。ものすごく納得できるはずです。
2014/08/25
著者プロフィール
中村淳彦
ナカムラ・アツヒコ
1972(昭和47)年東京都生まれ。大学卒業後、フリーライターとなる。現在は、高齢者デイサービスセンターを運営しながら、ノンフィクション、ルポルタージュを執筆。著書に『名前のない女たち』『職業としてのAV女優』『崩壊する介護現場』など。