迷いは悟りの第一歩―日本人のための宗教論―
770円(税込)
発売日:2015/01/16
- 新書
- 電子書籍あり
やっぱり仏教。それが神を棄てた、ドイツ人禅僧の結論。
クリスチャンとしてドイツに生まれ育った禅僧は、なぜ神を捨て、日本で仏道を歩むことになったのか――。異色の経歴を持つ僧侶が、洗礼と出家、信仰と修行、愛と悟りなど、イエスとブッダの教えを徹底比較。「キリスト教の愛は重いが、仏教には愛が足りない」「自分こそが主役の仏教」「悟りは迷いの自覚である」など、それぞれの教えの本質を手ほどきする。悩み迷える日本人にこそ伝えたい、ドイツ人禅僧による宗教論。
目次
はじめに
第一章 不純なクリスチャン
洗礼と原罪/神は世界をどう創ったのか/親子よりも男女の愛/ドイツは契約社会/言い訳無用の「失楽園」/神から与えられた「自由・平等・生命」/禁断の実の正体/ドイツの宗教教育/「堅信」というイニシエーション/茶の宗教とワインの宗教/不純な動機/男と女の掟/一度きりの約束/日本人の不思議な結婚観
第二章 禅と初恋
彼女の名は、ヴィキア/蜜と乳の味/欲望という名の自転車/「あたしのこと、好き?」/残酷すぎる親/イエスという踏み絵/身体と誘惑
第三章 仏教は自由の宗教
宗教とはなにか/旧約聖書とはなにか/「三大宗教」を隔てるもの/「反宗教」としての仏教
第四章 ドイツ人、日本で問答する
憧れの日本/性に寛容な日本人/「3K」と「3B」/宗教改革の精神/放蕩息子のたとえ話/長者窮子/夜明けの恋愛論
第五章 キリスト教にとって“愛”とは何か
愛こそすべて?/愛着と友愛/性愛と神の愛/キリスト教をABCに分類する/神を愛せ(キリスト教A)/神は愛である(キリスト教B)/純粋な隣人愛(キリスト教C)/仏教の愛
第六章 自分を手放す禅修行
お前は坐禅がわかっていない!/自分が自分でなる仏/施す仏教と施されるキリスト教/ドイツの宗教税/「ブッディスト」ではなく「ブッダ」を目指す/牧師との宗教論争/人間が宗教を必要としている理由/神ではなく師匠を選ぶ/師匠選びは自分の手放し/「お前には、悟る資格がない」/禅の師弟愛
第七章 迷いは悟りの第一歩――仏教のABC
仏教A――釈尊は実物見本であって救世主ではない/仏教B――法蔵菩薩の誓願と修行/仏教C――「私ひとりは救われなくてもよい」/ABCは仏教の可能性/「私が坐禅する」のではなく「坐禅が私する」/悟りは迷いの自覚/道元と親鸞/禅カトリック・念仏プロテスタント/恋と愛の宗教論
第八章 仏教は自由に流れる
仏教と哲学/「させていただく」の功罪/この私こそが主役/ありのままの自分になる/仏教を改革する
おわりに
書誌情報
読み仮名 | マヨイハサトリノダイイッポニホンジンノタメノシュウキョウロン |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610603-3 |
C-CODE | 0214 |
整理番号 | 603 |
ジャンル | 宗教 |
定価 | 770円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2015/07/17 |