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臓器を診て患者を診ない医者、金持ちばかり味方する経済学者、教育現場を知らない教育学者、何にでもコメントする社会学者……。信じる者は、バカを見る!

学者は平気でウソをつく

和田秀樹/著

792円(税込)

本の仕様

発売日:2016/02/17

読み仮名 ガクシャハヘイキデウソヲツク
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 207ページ
ISBN 978-4-10-610654-5
C-CODE 0247
整理番号 654
ジャンル 社会学
定価 792円
電子書籍 価格 792円
電子書籍 配信開始日 2016/05/27

学者の言うことを、真に受けてはいけない。データの改竄や人為的ミスがなくても、「画期的な発見」の大半はのちに覆される運命にあるのだから――。医学、教育学、経済学等々、あらゆる学問の「常識」を疑い、学問との上手な距離の取り方を模索する。学問という名の宗教に振り回されず、正しい選択をして生きるために必要な思考法と、健全な猜疑心の持ち方とは? 「学者のウソ」をメッタ切りにする、痛快な一冊!

著者プロフィール

和田秀樹 ワダ・ヒデキ

1960(昭和35)年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒、精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師。『大人のための勉強法』『テレビの大罪』ほか著書多数、映画監督作品に『受験のシンデレラ』など。

和田秀樹オフィシャルブログ (外部リンク)

目次

はじめに
改竄の心理学/学問と宗教/学問という幻想/森鴎外の失敗/あらゆる学説は仮説である/変節漢でいい/教授は“あがり”のポストではない
一章 医者を信じると損をする――医学のウソ
カッコーの巣の上で/一〇年で飛躍的に進歩した乳がん治療/切らなくていいがんもある/根拠に基づく医療/長寿でも老人医療費が低い長野県/新薬よりも旧薬のほうが安全/進化するジェネリック/コレステロール値は高くてもいい/欧米の健康常識は日本人に通用しない/疫学調査とフレンチ・パラドックス/降圧剤を飲んでも一〇〇人に六人は脳卒中に/検査値に一喜一憂するな/小太りのほうが長生きする/誰にでも同じ治療でいいのか?/漢方薬を西洋医学的に処方してしまう日本の病院/ゲノム医療と東洋医学/たくさんの薬を飲むと副作用が出やすくなる/専門医の時代から総合診療医の時代へ/再生医療が医療を変える/苦痛を与える予防医療/なんのための我慢か/自分の人生は自分でコントロールしたい
二章 人の心なんかわからない――精神分析のウソ
母親は悪者か/洗脳を解いてくれたアメリカ留学/治療者が患者を「操作」する/積極的にモデルチェンジをはかったフロイト/「共感」を用いて成果を上げたコフート/患者が変われば理論も変わる/成功者のための精神分析/時代を先取りした森田療法/トラウマは思い出させるな/過去は肯定的にとらえたほうがいい/認知行動療法の時代/雅子さまの治療/治療者はそんなにえらいのか/信じる者は救われる?/人の心はそれぞれ違う
三章 「心の病」はころころ変わる――精神医学のウソ
マニュアルで診断できるようになった「心の病」/精神医学の業界標準/診断名を変えても差別はなくならない/患者の話を聞かない精神科医/五分間診療がなくならない理由/心の病は画像でわかるのか/効く薬、効く理由/うつに薬が使えなくなった?/成果の出ない試行錯誤/一九九五年は“トラウマ元年”/「新型うつ」という病気はあるか/テレビドクターの罪/心理占いの域を出ない「病気」/脳科学は基本的に仮説
四章 経済学者にカネを扱う資格はあるのか――文系学問メッタ切り
経済学はどこまで信じられるか/人が持っている情報はそれぞれ異なる/人は合理的には行動しない/LTCM事件で露呈した経済学者の甘さ/経済政策を学者に頼る愚/減税すれば景気は上昇するのか?/日本の経済学者は金持ちの味方/規制緩和という聖域/名経営者をぞんざいに扱う日本の大学/社会問題になったアメリカのゆとり教育/教育現場を知らない教育学者たち/数学者の罪とノーベル賞信仰/ゆとり教育の信者による大学入試改革/統計だけで社会は語れない/何でも自明の理のごとく語る社会学者/成果なくして格式の高い法学者/「審議会」の正体/学問を疑え
おわりに

担当編集者のひとこと

学者は宿命的にウソをつく

 本書でいう「学者のウソ」には、大きく分けて二種類あります。
 ひとつは、データの改竄や研究不正などの意図的なウソ。事実と異なるという意味では、悪意のないミスも(不正の意図がなかったとすれば、割烹着のリケジョによる「世紀の大発見」も)、ここに含んでいいでしょう。
 そしてもうひとつは、発表された時点では一流学術誌に掲載されたような「画期的な研究」です。著者によれば、そうした学説の8割くらいは新たな発見によって否定される、すなわちウソになる、と言います。すべての学問は発展途上にあり、その意味において、学者はウソをつく宿命にあるわけです。
 そんな学問を、それが学問だという理由だけでありがたがっていると損をする、というのが本書の主題です。健康について、お金について、私たちのごく身近なところにも、学者のウソは潜んでいます。そうした誤った「常識」を正しく疑い、可能な限りの情報を集めて自己責任で判断し、必要とあらば潔く方向転換する――。著者は、そんな姿勢を提唱しています。

2016/02/25

蘊蓄倉庫

脳科学は基本的に仮説

 1990年代に脳ブームがはじまって以来、日本のマスコミには脳科学者という肩書の人が大勢登場しています。けれども、きちんと実験を行って脳のハードを研究している、本当の意味での脳科学の専門家が、その中にどれだけいるかは疑問だ、と著者は言います。
 彼らの中には、心理学はいかがわしいもので、脳科学こそが科学であるかのように言う人がいます。ただし、心理学は歴史も古く、実験件数も多いため、再現性がある理論がほとんどです。なかでも実験心理学は、実験結果が命。
 一方、脳科学は仮説の学問です。生きている人間の脳を解剖することは倫理的にできず、PETなどの画像を用いた実験も費用がかかりすぎるため、大規模なデータ収集はできていません。つまり、データに基づいている分だけ心理学の方が“科学的”と言えるのです。
 なお、脳のソフトについていま最先端の研究をしているとされているのが「認知科学」。心の働きと脳の働きを情報科学の方法論を用いて明らかにしていくもので、いわば脳のプログラムを解き明かそうという学問です。
 テレビで脳科学者を名乗っている人でも、話の内容はほとんどこの認知科学であることが珍しくないとか。それでも脳科学だと言うのは、今のところ、日本ではそのほうがありがたがられるからだろう、というのが著者の見立てです。
掲載:2016年2月25日

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