
歴史問題の正解
858円(税込)
発売日:2016/08/12
- 新書
日本は「無条件降伏」していない。南京事件は「中国」のプロパガンダ。真珠湾攻撃は「騙し討ち」ではない。第一次資料で明かす現代史の真実。
「日本は無条件降伏をしていない」「真珠湾攻撃は騙し討ちではない」「ヤルタ会議は戦後秩序を作らなかった」――国内外の公文書館で筆者が掘り起こした第一次資料から次々と明らかにされる意外な真実。それこそが日本人が知らされてこなかった歴史問題の「正解」なのである。自虐にも自賛にも陥らず、中国、韓国、ロシアのプロパガンダや、アメリカの洗脳教育を排し、冷静に歴史を見つめ直す。日本国民必読の書。
初出について
書誌情報
読み仮名 | レキシモンダイノセイカイ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-610682-8 |
C-CODE | 0221 |
整理番号 | 682 |
定価 | 858円 |
蘊蓄倉庫
日本は「無条件降伏」をしていなかった
先の戦争で、日本は無条件降伏をして敗戦を受け容れた、ということについては、右派、左派問わずに疑わない人が殆どです。しかし、実際には無条件降伏ではなかった、という驚きの事実を『歴史問題の正解』(有馬哲夫・著)では明らかにしています。そもそも国際法上、「無条件降伏」などというものは当時(も今も)認められていません。そんなことを許したら、占領国が敗戦国で何をしてもいいことになってしまうからです。ではなぜ私たちは「無条件降伏」だと信じるようになったのでしょうか。同書では第一次資料をもとにその謎も解き明かしています。
掲載:2016年8月25日
担当編集者のひとこと
自虐にも自賛にも陥らない日本史
「歴史修正主義者」という言葉があります。日本では多くの場合、先の戦争に関する歴史認識を巡って使われることが多いようで、大抵は「あの戦争を肯定するトンデモない奴」という意味合いがあります。
本書『歴史問題の正解』の目次を見て、そのように思う方もいらっしゃるかもしれません。「『南京事件』はプロパガンダから生まれた」「真珠湾攻撃は騙し討ちではなかった」「日本は無条件降伏していない」等々。
たしかに、日本の歴史、戦争について何でもかんでも美化して肯定するのは問題があるように思います。が、一方で何でもかんでも否定するのもまた問題です。
本書は、公文書研究の第一人者である著者が、国内外の公文書館等で発掘した第一次資料をもとに、さまざまな歴史問題の事実を明らかにした一冊です。著者のスタンスは明確で、特定のスタンスや思想に基づくのではなく、あくまでも第一次資料からわかる「事実」を淡々と述べていこう、というものです。
自虐にも自賛にも陥らずに冷静に歴史を検証した成果が、本書には詰まっています。
巻末には論拠となる出典がすべて明示されていますから、もしも反論なさりたい方は、それらを参照なさって、議論をなさるのが良いのではないかと思います。
よく考えれば「修正」というのはそもそも間違いを正す、ということで、悪いことではありません。その意味で、本書は正しい「歴史修正」の書だと言えます。
2016/08/25
著者プロフィール
有馬哲夫
アリマ・テツオ
1953(昭和28)年生まれ。早稲田大学社会科学総合学術院教授(公文書研究)。早稲田大学第一文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得。2016年オックスフォード大学客員教授。著書に『原発・正力・CIA』『日本人はなぜ自虐的になったのか』など。