
うつ病休職
792円(税込)
発売日:2017/05/17
- 新書
- 電子書籍あり
1通の“診断書”から始まる、終わりなき消耗。もはや社会問題――精神科医が真相に迫る!
「仕事がきついので、会社を休みたい」とクリニックに駆け込む人々。マニュアル通りの問診で「うつ病」と診断する医師。診断基準の変化や新型薬の普及で、うつ病やそれを理由に休職する者が増大、こうした状況に企業も困惑し、社会問題化している。しかし、それは本当に“病気”と言えるのか? 医学ではなく労務上の問題ではないか? あやふやな診断が社会に与える影響は? 精神科医が「うつ病休職」の正体に迫る。
書誌情報
読み仮名 | ウツビョウキュウショク |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610717-7 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 717 |
ジャンル | 政治・社会 |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 792円 |
電子書籍 配信開始日 | 2017/05/26 |
薀蓄倉庫
広がるうつ病の「ストライク・ゾーン」
30年前に比べて、うつ病と診断される人が約5倍に増えたそうです。『うつ病休職』の著者、精神科医の中嶋聡氏によると、その理由は主に2つあるそうです。ひとつは、1980年に「DSM-III」という革新的な診断基準が導入されたこと、そしてもうひとつはSSRIという新しいタイプの抗うつ薬が出現したこと(日本では1999年に発売)。これらが普及した結果、うつ病がそれだけ増えたというのです。中嶋氏はこうした状態を、「ストライク・ゾーンを広げたことで、三振が5倍に増えた」と表現しています。それまでは、うつ病と周辺の病態が明確に区別されていたのが、「ストライク・ゾーン」が広がったことでうつ病が増加したというのです。当然、それを理由にした休職者も増加。社会問題化している現状をレポートしたのが、本書『うつ病休職』です。
掲載:2017年5月25日
著者プロフィール
中嶋聡
ナカジマ・サトシ
1955(昭和30)年生まれ。東京大学医学部医学科卒業。医学博士。精神科医。1996年、沖縄県に「なかまクリニック」を開業、現在に至る。著書に『「心の傷」は言ったもん勝ち』『眠れぬ夜の精神科 医師と患者20の対話』『「新型うつ病」のデタラメ』など。