日本の暗黒事件
792円(税込)
発売日:2017/06/16
- 新書
- 電子書籍あり
連合赤軍、かい人21面相、田中角栄、山一抗争、オウム、少年A……「わるいやつら」の全貌!
巨悪。凶行。陰謀。残虐。日本を震撼させ、戦後体制を変えた「暗黒事件」を忘れてはならない。「よど号」犯の北朝鮮亡命と連合赤軍事件、田中角栄とロッキード汚職、かい人21面相によるグリコ・森永事件、史上最悪の山一抗争、謎(なぞ)多きイトマン事件、前代未聞のテロ集団・オウム真理教、救いなき「少年A」……。その最前線で事件の真相に挑み続けてきた著者が、取材秘話を明かしながら、今、「わるいやつら」の闇を衝(つ)く。
書誌情報
読み仮名 | ニホンノアンコクジケン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
雑誌から生まれた本 | 波から生まれた本 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610723-8 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 723 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 792円 |
電子書籍 価格 | 792円 |
電子書籍 配信開始日 | 2017/06/23 |
薀蓄倉庫
「かい人21面相」からの挑戦状――グリコ・森永事件のケース
〈けいさつの あほども え〉――これは、1984年に阪神地区で起きた「グリコ・森永事件」の犯人からの挑戦状の書き出しです。「かい人21面相」と名乗る、複数と見られる犯人は、店頭にあるお菓子などに、〈どくいり きけん たべたら 死ぬで〉と書いた紙を貼り、青酸ソーダを混入させ、〈現金10億円 と 金100kg を よおい しろ〉とグリコ、丸大食品、森永製菓などを次々と脅迫しました。警察の大捜査の中、現金の受け渡し場所で目撃されたのが、「キツネ目」の男です。しかし警察は、その容疑者を取り逃がす失態を繰り返してしまいます。〈わしら つかまえてみ〉〈おまえら ぜい金ドロボー や〉などと捜査陣を嘲笑するような挑戦状なども届きます。
捜査が進展しない中、〈けいさつも ようやった これに こりんと がんばりや〉〈ゆるして やっても ええやろ〉などと犯行終結の手紙を一方的に送りつけ、「かい人21面相」は闇に消えました。
様々な憶測を呼んだ大事件ですが、未解決のまま、既に時効を迎えています。
掲載:2017年6月23日
担当編集者のひとこと
最前線で真相を追い続けるジャーナリストの記録
国家を揺るがす大事件が起きたとき、テレビ局や新聞社に属さず、独力で深く取材し、真相を追い続けるジャーナリストはごく稀です。
著者の森功さんは、そんな大事件の最前線に現在進行形で挑み続ける一人です。いまは、「森友」「加計」などの疑惑の渦中に斬り込んでいます。
これまで森さんは、あまたの大事件に取り組んできました。
本書では、戦後の国家体制を大きく変えた「暗黒事件」を選び出し、新たな視点で真相を掘り起し、また、同時代に森さんが大事件の闇に迫った記録を収録しています(以下参照)。大事件の顛末とともに、スクープの裏側や取材秘話を交えながら、「日本を変えた犯罪者たち」の全貌が明かされていきます。
まさに、現代日本の裏面史ともいえる労作です。
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1970年 「よど号」事件と連合赤軍
1976年 田中角栄とロッキード事件
1984年 グリコ・森永事件――かい人21面相
1984年 史上最悪の暴力団事件「山一抗争」
1986年 三井物産マニラ支店長誘拐事件
1990年 イトマン事件と住銀の天皇
1994年 住友銀行名古屋支店長暗殺事件
1995年 オウム真理教事件の麻原彰晃
1997年 神戸連続児童殺傷事件の少年A
1998年 和歌山毒物カレー事件と林眞須美
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懐かしく思う方も、知らない世代の方も、ぜひご一読ください。
2017/06/23
著者プロフィール
森功
モリ・イサオ
1961(昭和36)年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大卒。「週刊新潮」編集部などを経て独立。2008年、2009年に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を連続受賞。『黒い看護婦』『ヤメ検』『同和と銀行』『大阪府警暴力団担当刑事』『総理の影』など著作多数。