能―650年続いた仕掛けとは―
880円(税込)
発売日:2017/09/15
- 新書
- 電子書籍あり
その凄さ、圧倒的。いとうせいこう氏 内田樹氏 後藤正文氏(ASIAN KUNG-FU GENERATION)感嘆!
なぜ650年も続いたのか――。足利義満、信長、秀吉、家康、歴代将軍、さらに、芭蕉に漱石までもが謡い、愛した能。世阿弥による「愛される」ための仕掛けの数々や、歴史上の偉人たちに「必要とされてきた」理由を、現役の能楽師が縦横に語る。「観るとすぐに眠くなる」という人にも、その凄さ、効能、存在意義が見えてくる一冊。【巻末に、「能をやってみたい」人への入門情報やお勧め本リスト付き】
書誌情報
読み仮名 | ノウ650ネンツヅイタシカケトハ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-610732-0 |
C-CODE | 0274 |
整理番号 | 732 |
ジャンル | 歴史・地理 |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 836円 |
電子書籍 配信開始日 | 2017/09/22 |
薀蓄倉庫
漱石と能
生誕150周年となる夏目漱石。
「漱石山房記念館」という施設がこの9月24日にオープンの運びとなり、話題になっています。書斎を忠実に再現したり、数々の草稿を展示したり、ご興味のある方も多いことでしょう。
その漱石ですが、能を習っていたことはご存知でしょうか?
しかも、安田登さんと同じ、ワキ方の
また、『永日小品』(新潮文庫『文鳥・夢十夜』所収)という作品の中の「元日」という文章には、虚子の鼓に合わせて謡う様子も書かれています。ただし、うまく謡えず、自ら笑い出してしまう体たらく。その後、そのこともあったのか、漱石は謡(能の詞章)を習い始めるのです。
『草枕』の中で旅を能にたとえてみようとするなど、能の存在は徐々に漱石作品に影響を及ぼして行きます。それでは能のどこに、漱石は惹かれたのでしょうか。
答えは『能』にあります。ご期待ください。
掲載:2017年9月25日
担当編集者のひとこと
能は「今に活かせる」芸能
古典のみならず、能の手法そのものを取り入れた舞台の演出をも手がける安田さん。
その活動から「能の真髄を知りたい」という方が数多くいらっしゃいます。過去にも能に関する本は数多く刊行されていますが、この本が一味違うのは、650年続いた能の構造や効能を「いまに活かす」ことを前提にしている点です。
古典を愛する著者ならではの知識と、数々の舞台に立ってきての感覚から得た知見が、能の新たな世界へと、私たちを誘います。
能は過去のものではなく、「今に生きる」、そして「今に活かせる」芸能なのです。
2017/09/25
イベント/書店情報
著者プロフィール
安田登
ヤスダ・ノボル
1956(昭和31)年、千葉県銚子生れ。下掛宝生流能楽師。能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演も行う。また、日本と中国の古典に描かれた“身体性”を読み直す試みも長年継続している。著書に『異界を旅する能』『身体感覚で「芭蕉」を読みなおす。』『能―650年続いた仕掛けとは』他多数。