
警察官白書
880円(税込)
発売日:2018/06/15
- 新書
- 電子書籍あり
年収、学歴、異性関係は? 職務質問のコツは? 敏腕刑事の要件は? 思考パターンは? 警察キャリア出身の作家が専門分野別に徹底プロファイル!
警察ほど奥深い組織はない。警察官は、人のどこを見ているのか? 勤務時間や給料は? 階級や人事は? 結婚や家庭生活は? 刑事になる条件は? 職務質問や逮捕の要件とは? 情報処理や書類仕事の方法とは? 人間関係を円滑にする秘策は? 彼らにとっての「正義」とは? 警察キャリア出身の作家が、交番、生安、刑事、交通、警備などを専門分野別に徹底プロファイル。全国26万警察官の生身の姿をリアルに描き出す。
書誌情報
読み仮名 | ケイサツカンハクショ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-610770-2 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 770 |
ジャンル | 政治・社会 |
定価 | 880円 |
電子書籍 価格 | 880円 |
電子書籍 配信開始日 | 2018/06/22 |
蘊蓄倉庫
警察官の結婚事情は?
今の世の中では、未婚率が増加していますが、警察の「部内文化」として、警察官は結婚しているのが普通なのだそうです。
それも部内結婚の可能性が大です。
女性警察官は部内に10%もいないので、女性警察官や女性の一般職員は、どうしても結婚に困るということはあり得ないそうです。いわゆる部内調達が可能で、男性警察官からのナンパも無数にあるようです。ですから、部内結婚にいたるのはよくあることです。
一方で、「ある程度の年齢になって所帯を固めていないのは、警察官として望ましくないよ」という部内文化があるそうです。「ある程度の年齢になって」未婚だと、ハニートラップに引っ掛かる、金銭感覚がルーズになる、ギャンブルや風俗にはまる、不倫、失踪、自殺など、様々なリスクがないとは言えず、未婚で「身上実態把握が難しいと、実際的な事情から、客観的で明快な(=上司・人事部門が納得できる)理由がない限り、痛くもない腹を探られてしまう」と本書で明かされています。
平均的には、20歳代が終わる頃までには結婚しているそうです。ちなみに交番勤務であれば、3日に1日は実質、休日なので、合コンやデートをする時間もあるのだとか。
掲載:2018年6月25日
担当編集者のひとこと
“超リアル”な警察官だから、おもしろい!
「警察官」というと、ドラマや小説からイメージしがちですが、実は「市民が描く典型的な警察官像」と、現実の「警察官が描く典型的な警察官像」は大きく異なるそうなのです。
本書では、警察キャリア出身で、警察社会を知悉する作家、古野まほろ氏が、豊富な経験と知識から、「警察官」としての生身の姿を“超リアル”に明らかにしています。イメージと現実とのズレを楽しみながら、驚いたり、触発、啓発される内容が満載です。
「警察官」といっても多くの階級の、様々な専門分野の警察官がいますので、古野氏の作家としての筆致で、デフォルメと擬人化を試みながら、ステレオタイプとしての「警察官」の真実が描かれています。
「警察太郎」は、四大卒の38歳。採用試験を通り、警察学校を経て、交番に勤務している、既婚の警察官です。階級は巡査部長。3交代制の勤務です。職務質問が得意で、常に臨戦態勢のため、特技は早飯です。ぱちんこ(警察では平仮名で表記)や読書という趣味もあります。給与は……。昇進は……。日々の仕事は……。人間関係は……。
このように、「警察官」の現実の姿が、エピソード、そして、トリビア等を織り交ぜながら、提示されていきます。
また、「誇りを懸け、鎬を削る専門家集団」(専務)として、建制順(ケンセイジュン)という警察社会の順番で、「生安太郎」(生活安全部門)、「刑事太郎」、「交通太郎」、「警備太郎」と擬人化され、4つの専門分野別に、「警察官」が詳しくプロファイルされています。
たとえば、「刑事太郎」では、捜査各課を、強行一郎、知能二郎、盗犯三郎、組対四郎という「刑事一家の構成員」として、各々の仕事術や性格なども明かされています。
また、警察太郎や刑事太郎たちの「マインド」もタイプ別に分析されており、警察官の内面にも迫っています。
警察キャリア出身の著者だからこそ、ここまで描けた「現実の警察官」を、ぜひお楽しみください。
2018/06/25
著者プロフィール
古野まほろ
フルノ・マホロ
東京大学法学部卒業。リヨン第三大学法学部修士課程修了。学位授与機構より学士(文学)。警察庁I種警察官として警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務し、警察大学校主任教授にて退官。2007(平成19)年、『天帝のはしたなき果実』で第35回メフィスト賞を受賞し、デビュー。有栖川有栖・綾辻行人両氏に師事。他の著書に『新任巡査』『新任刑事』『新任警視』『オニキス 公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子』『R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室』『警察手帳』『警察官白書』『職務質問』などがある。