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人生に信念はいらない―考える禅入門―

細川晋輔/著

836円(税込)

発売日:2018/07/14

  • 新書
  • 電子書籍あり

強固な“信念”より、柔らかな“心の柱”を――。
「生きてみたら。」スタジオジブリ 鈴木敏夫氏推薦!

人生をより豊かにするためには、強固な”信念”よりも、柔らかな”心の柱”を見つけよう――。九年の厳しい修行を経験、千を超える公案に取り組んだ禅僧が、禅と仏教の魅力をわかりやすく語る。「坐禅は心のゴミ捨て場」「見返りを求めない」「本当の自分に気づくコツ」等、日々の迷いや苦しみに向き合い、より自由に軽快に生きるためのヒントがいっぱい。これからの日本仏教を背負って立つ、注目の禅僧のデビュー作!

目次
序章 「たのみましょー」――入門
「お引き取りください」/最初の関門/五日間の入門試験/人生の区切り
第一章 出家への思い――禅寺に生まれて
三つの禅宗/坐禅と公案/禅寺に生まれて/坐禅とは何か/坐禅の作法/坐ってはみたけれど……/僧堂への憧れ/念願の京都へ/出家への思い/禅僧にとって一番大切なもの
第二章 起きて半畳、寝て一畳――修行生活
修行僧の一日/地獄の参禅待ち/天井が映るような朝粥/「托鉢」という大切な修行/「ありがとう」よりも大事なこと/「見返りを求めない」ということ/はじめての農作業/「一日作さざれば、一日食らわず」/坐禅は体力勝負/愛しのかしわ餅/夜は孤独な坐禅
第三章 身・息・心を調える――坐禅入門
理想は赤ちゃんの姿勢/大事な調息/目の前のことに「なりきる」/身心一如/騒々しい坐禅/警策は必要か
第四章 やらなければいけない修行――老師と僧堂
青春を捨てた場所/謝れば許される世界/僧堂での役職/老大師という存在/ソッ啄同時/四年目の修行生活/六人の同夏/同夏の死/老師の指示/やらなければいけない修行
第五章 「波なきところに波を起こす」――公案とは何か
言葉では言いあらわせないもの/そもそも禅問答とは?/白隠禅師/「波なきところに波を起こす」/「片手の声が聞こえるか?」/剣客同士の立ち合いのように/夏目漱石と禅問答/「犬にも仏の心があるか?」/達磨さんとその弟子の問答/達磨さんが伝えたかったこと/公案は一つあればいいのか/公案は月をさす指そのもの/何のための修行か/一器の水を一器に移す/古則公案と現成公案
第六章 坐禅は心のゴミ捨て場――禅僧としてのスタート
公案の先に見える景色/新鮮さを求めて/九年間の禅修行の成果/公案は公表すべきか/お寺の坐禅会/坐禅は心のゴミ捨て場/渋谷の朝活/超宗派のイベント
第七章 「心の柱」を打ち立てる――考える禅
無心になるべきか、考えるべきか/「無心」への道/自分とは何者か/柔軟にたわむ柱/「心の柱」が禅の悟り/人生に「信念」はいらない/あなたにとって「幸せ」とは何ですか/「無事」とは何か/日日是好日/「考える禅」
第八章 敷居は高く、門戸は広く――知恩報恩
祖父・松原泰道から渡されたバトン/地獄で説法/誰があなたを救うのか/「わからない」からこそ/知恩報恩/坐禅は句読点/出家の理由/記念すべき「よっこいしょ」/それは病院と同じである/学んだことをいかに社会に還元するか/敷居は高く、門戸は広く/「道楽」を大事にする/「雪を担って、井戸を埋める」
あとがき

書誌情報

読み仮名 ジンセイニシンネンハイラナイカンガエルゼンニュウモン
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610772-6
C-CODE 0215
整理番号 772
ジャンル 人文・思想・宗教
定価 836円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2018/07/27

担当編集者のひとこと

坐禅は心のゴミ捨て場

 7月新刊『人生に信念はいらない―考える禅入門―』の著者は、禅僧の細川晋輔師。修行や僧侶としての経験をベースに、仏教とは何か、禅の真髄とは何かに迫った一書です。「禅」と聞いて、「坐禅」のことを真っ先に思い浮かべる人も多いと思いますが、その目的は意外と知られていません。また、解説するお坊さんによっても、その解釈はそれぞれで、統一された見解というのはないようです。ここでは、細川師が「坐禅とは何か」について語っている箇所を引用してみます。

 坐禅は「心のゴミ捨て場」です。何かを求めて行うものではありません。坐禅をいくら組んでも、何ら得るものはないのです。それでは、なぜ坐禅をするのか。それは「捨てる」ために他なりません。心の中にある色々なものを捨てた先に、私たちが生まれながらに持っている「幸せな心」があるのです。

「坐禅は心のゴミ捨て場」「捨てるための坐禅」……なかなか我々が思っているような、明確な“効能”はないようです。そう言われると「そこに何があるのか」と、むしろ興味が湧くというもの――。細川師が住職を務める、東京都世田谷区にある龍雲寺では、一般向けの坐禅会を毎週日曜日早朝に行っています。気になった方は、一度経験してみてはいかがでしょうか。

2018/07/25

著者プロフィール

細川晋輔

ホソカワ・シンスケ

東京都龍雲寺(臨済宗)住職。1979年東京都生まれ。大学卒業後、京都にある臨済宗妙心寺の専門道場にて九年間の修行生活をおくる。2013年より現職。著書に『人生に信念はいらない』(新潮新書)、『迷いが消える禅のひとこと』(サンマーク出版)、『禅の言葉とジブリ』(徳間書店)などがある。

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