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心房細動のすべて―脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章―

古川哲史/著

836円(税込)

発売日:2018/12/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

「動悸」「息切れ」「めまい」そして怖い「無症状」!? 専門家が教える、その発見法、最新の治療法、予防法まで。

国内患者数は約170万人。不整脈の王様と呼ばれる「心房細動」は、脳梗塞、認知症、心不全の原因にもなる。特に脳梗塞を合併すると深刻で、田中角栄、長嶋茂雄等、罹患した著名人も多い、どんな人がなりやすいのか、主にどのような症状があるのか、合併症のリスクや、その防ぎ方、心臓によい食事とは? など、患者や家族が知っておくべき基礎知識、最新治療法、予防のための生活習慣までを専門家が丁寧に解説する。

目次
はじめに

第1章 不整脈の王様! 心房細動の正体を探る
心房細動は不整脈の一種/不整脈の分類/心房細動はさらに2つに分類される/脈がどうなるかが重要!

第2章 どんな人が心房細動になりやすいのか
170万人がかかる病気/80代では10人に1人/年齢、喫煙、飲酒/生活習慣で減らせるリスク/自分のリスクがどの程度かを知る/思いのほか強い遺伝性

第3章 3大症状「動悸」「めまい」「息切れ」と「無症状」
脈が速くなる→動悸/脈が不規則になる→めまい/心不全→息切れ/無症状だからこそ危険

第4章 3大合併症「脳梗塞」「認知症」「心不全」
合併疾患が問題/脳梗塞は時間との勝負/心房細動が原因の脳梗塞は最も重症化する/心房細動は脳梗塞の最も多い原因?/放置すると過半数が脳梗塞になる/隠れ心房細動(潜因性脳梗塞)の発見が脳梗塞予防に重要/脳梗塞になりやすい人/認知症のリスクが倍増/心不全のリスクは3倍に

第5章 どうやって見つけるか
聴診、脈、心電図/モヤモヤエコー/CTか、MRIか/心不全を調べる検査―BNP
第6章 断固戦うか、共存するか――心房細動の治療
2大治療法「リズムコントロール」と「レートコントロール」/電気ショックによるリズムコントロール/薬によるリズムコントロール/薬により正常な脈に戻る確率/発作予防のための抗不整脈薬/心房細動と付き合う治療法、レートコントロール/心拍数はいくつくらいにコントロールしたらよいのか/どちらの治療法を選ぶか

第7章 カテーテルアブレーションという治療法
不整脈が起こる心臓の場所を切除・除去する/心臓のどこを焼灼するか/合併症は「脳梗塞」「心臓に穴」「食道障害」/カテーテルアブレーションの有効性/生命予後に対する効果/どんな人が向いているのか

第8章 脳梗塞をどう防ぐか
血液をサラサラにする薬/第2次世界大戦前と大戦後の薬の作り方の違い/ワルファリンの作用は回りくどい/納豆が食べられない?/ワルファリンの適正量を調べる検査/新しい抗凝固薬DOAC/ワルファリンとDOACの比較/抗凝固薬の副作用=出血/どんな人に抗凝固療法が必要か/発作性心房細動の人でも抗凝固療法をする必要があるか/抜歯・胃カメラ検査時、抗凝固薬は中止?

第9章 隠れ心房細動をどうやって見つけるか
自分の脈をとってみよう!/ホルター心電図/自動心電計/無症状の発作性心房細動をどう見つけるか/オーダーメイド医療は救世主となるか

第10章 心房細動を予防する6つの生活習慣
カテーテルアブレーションは高級車1台分/予防できる病気なのか/減塩の目安/心臓によい食事/軽い運動がベスト/有酸素運動は人それぞれ違う/ストレスの高い職業は2割以上発症率が高い/笑うことも大事

第11章 心臓の老化を防ぐ食事の鍵はポリアミン
60代になると発症頻度が10倍になる/心臓も老化する/心不全を招く高齢者の心房細動/心臓の老化を防ぐ鍵は食事中のポリアミン

第12章 進化した心臓
右心系と左心系の誕生/建て増しされたところから心房細動は起こる/合併症の脳梗塞は心房から/肺呼吸を得たために心房細動が生じた

おわりに

書誌情報

読み仮名 シンボウサイドウノスベテノウコウソクニンチショウシンフゼンヲマネカナイタメノジュウニショウ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610795-5
C-CODE 0247
整理番号 795
ジャンル 家庭医学・健康、家庭医学・健康
定価 836円
電子書籍 価格 836円
電子書籍 配信開始日 2018/12/21

蘊蓄倉庫

心臓に良い食事ってあるの?

 心房細動は生活習慣病の一種と言われ、太りすぎ、飲酒、喫煙などは大きなリスクとなります。ですので、食生活には気をつけたいところ。最新の研究では「地中海料理」が心臓病に最も良いそうで、オリーブ油、ナッツ、魚を多く使うことがその理由だとか。加えて動物実験段階ではあるものの「ポリアミン」が最も心臓病の予防にきくことも判っているそうです。この「ポリアミン」がどんな食材に多く含まれているのか――詳しくは本書をご覧下さい。

掲載:2018年12月25日

担当編集者のひとこと

「不整脈の王様」は、諸悪の根源?

 潜在的な患者を含めると170万人はいると言われている、心房細動。「不整脈の王様」とも呼ばれるこの病気が恐ろしいのは脳梗塞、認知症、心不全を招きやすく、しかもそれが重篤化しやすいこと。そして無症状の「隠れ」患者が多いことです。気付いた時にはもう手遅れとならないよう、専門家である著者がその見つけ方、最新の治療法から、心臓に良い食事までを丁寧に解説しています。

2018/12/25

著者プロフィール

古川哲史

フルカワ・テツシ

1957(昭和32)年、東京都生まれ。医学博士。1989年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。同大学副学長。著書に『血圧と心臓が気になる人のための本』『心房細動のすべて――脳梗塞、認知症、心不全を招かないための12章』『心臓によい運動、悪い運動』等。

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