「承認欲求」の呪縛
902円(税込)
発売日:2019/02/15
- 新書
- 電子書籍あり
「認められたい」が破滅を招く! パワハラ、隠蔽、過労死……不幸への転落を防ぐ画期的提言。
SNSで「いいね!」をもらうことに全身全霊を傾けてしまう人がいる。職場で表彰されたために「もっとがんばらねば」と力んでしまい、心身を蝕(むしば)む人がいる。エリートであるがゆえにプレッシャーを感じて、身を滅ぼした人もいる……すべての原因は「承認欲求」の呪縛だった。誰しもがもつ欲求の本質を深く探り、上手にコントロールする画期的な方法を示す。人間関係の向上や組織での成果アップに変換するヒントが詰まった一冊。
引用文献
書誌情報
読み仮名 | ショウニンヨッキュウノジュバク |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-610800-6 |
C-CODE | 0234 |
整理番号 | 800 |
ジャンル | ビジネス・経済 |
定価 | 902円 |
電子書籍 価格 | 858円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/02/22 |
蘊蓄倉庫
「承認欲求」は善か悪か?
仕事や生活のモチベーションともなる「承認欲求」が、時には、大きな社会問題を誘発することがあります。
実際、SNSでの不適切動画から、隠蔽、不正、いじめ、うつ病、過労死・過労自殺、企業や役所での不祥事などを引き起こしています。
そこで、あなたの「承認欲求」の危険度をチェックしてみましょう。
以下のような症状がある人は、すぐに本書をお読みください。
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□ 自分のSNSに、絶対「いいね!」が欲しい
□ 周囲には嫌われたくない
□ 仕事で「もっとがんばらねば」と思っている
□ 職場での慣習がまず最優先である
□「期待しているから」と言われ、満悦する
□ 自分の個性をもっと尊重してほしい
□ 職場でも家庭でも大きな責任を感じる
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「承認欲求」の処方箋は本書に示されています。
掲載:2019年2月25日
担当編集者のひとこと
不幸への転落を防ぐには
SNSで拡散した不適切動画がニュースになったり、官庁、企業の隠蔽や不正、スポーツ界のパワハラ騒動などが次々と起きています。
それらの悪因は「承認欲求」にあると、著者の太田肇氏は本書で述べています。
「承認欲求」は、誰にでもある「ほめられたい」「認められたい」という、仕事や生活でのモチベーションになる、人間にとって最強の欲求です。
しかし、肥大化し、歪み、強迫的になると、「承認欲求の呪縛」にとらわれてしまい、取り返しのつかない事件やスキャンダルを引き起こしてしまうそうです。
太田氏は、「組織と個人」や「承認欲求のメカニズム」を長年調査、研究してきた社会学者。この欲求を深く分析し、上手にコントロールすれば、組織の健全化、仕事の業績アップ、人間関係の向上、そして、組織の不祥事を防ぐことができるそうです。
太田氏が特に力を注ぎ、全身全霊で書下ろされた本書について、「著者からの言葉」を以下に紹介します。
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<著者からの言葉>
「承認欲求」は、人間の欲求のなかで最強だといっても過言ではありません。
私は長年にわたり承認欲求の「光」の部分に注目し、それが人の成長を促しモチベーションや仕事の成果を高める原動力になっていることを企業、学校、病院等の実証研究で明らかにしてきました。
ところが一方で、承認欲求には濃い「影」の部分が存在することにも気づいていました。こういうと多くの人は成人式での乱行や、SNSへの変態動画投稿などを連想するかもしれません。
しかし、もっと深刻なのは、普通の人が無意識のうちにとらわれていく「承認欲求の呪縛」です。調べてみると子どもから大人まで、実に多くの人がこの呪縛に陥っていることが判明しました。認められたことがきっかけでウツや不登校になったり、欠勤・退職に追い込まれたりする例も少なくありません。さらに、それは個人の問題にとどまらず、組織や社会をも蝕みます。
私がこの問題に強い危機感を抱き、世の中に警鐘を鳴らそうと思ったのは、昨今大きな社会問題になっている職場やスポーツ界のパワハラ、過労死・過労自殺、役所や大企業の組織的不祥事などがいずれも「承認欲求の呪縛」と深く関わっているとわかったからです。
これらは特別な人たちだけが関係する問題ではなく、だれでも一定の条件がそろえば当事者になるリスクを抱えています。
なぜわが国では「承認欲求の呪縛」が起きやすいのか、しかもますます深刻になっていくのか。呪縛が生じるメカニズムを明らかにするとともに、多くの事例を用いながら効果的な対策を示しました。
人間の心のなかに潜む、承認欲求という巨大な“モンスター”。その正体を暴き、制御する術を論じたのが本書です。
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ぜひ、ご一読をおすすめします。
2019/02/25
著者プロフィール
太田肇
オオタ・ハジメ
1954年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授(大学院総合政策科学研究科教授を兼任)。経済学博士。専門は組織論、人事管理論、モチベーション論。個人を生かす組織・社会について研究。著作に『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書)『同調圧力の正体』(PHP新書)など。