新冷戦時代の超克―「持たざる国」日本の流儀―
814円(税込)
発売日:2019/02/15
- 新書
- 電子書籍あり
世界はどこへ向かうか? 日本はどう生き延びるか? これが我らの生存戦略!
湧きあがる自国中心主義、米中露など大国による覇権争い――世界は今、新冷戦時代へと突入、そのフロントは朝鮮半島から対馬海峡に移りつつある。成長と繁栄を支えてきた資本主義と民主主義さえ先行きが危ぶまれる状況下、「持たざる国」日本が生き延びる道はどこにあるのか。戦後冷戦史と近代一五〇年の構造を大胆に捉え直し、私たちはどう生きるのかを示す、「危機が慢性化して下り坂を転げる時代」の必読書。
書誌情報
読み仮名 | シンレイセンジダイノチョウコクモタザルクニニホンノリュウギ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610801-3 |
C-CODE | 0231 |
整理番号 | 801 |
ジャンル | 政治・社会 |
定価 | 814円 |
電子書籍 価格 | 814円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/02/22 |
蘊蓄倉庫
人が減る時代の持久戦略
東京五輪に次いで大阪万博と、かつての高度成長を反芻するようなイベントが目立つこの頃ですが、明治維新当時3千万人程度だった日本の人口は明治百年の1968年には1億人へと3倍増、米の生産高も約4倍に増えました。人口増とそれにともなう生産力増強こそが国家繁栄の土台だったというシンプルな事実は、人口減少への道を走り始めた今、この国の将来に様々な危惧をもたらしています。少子高齢化による内政上の困難はもとより、外交関係をみても、人口・経済力ともに膨張一方の隣の大国にどこまで対抗できるか、力学的にははなはだ分が悪いようです。あらゆる面で維持・対抗圧力を失っていく国がどう生き残るのか。つまり、上がれない時代にどれだけ忍耐できるか、それを考え抜いたのが本書です。
掲載:2019年2月25日
著者プロフィール
片山杜秀
カタヤマ・モリヒデ
1963年宮城県仙台市生まれ。政治思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。大学院時代からライター生活に入り、『週刊SPA!』で1994年から2003年まで続いたコラム「ヤブを睨む」は『ゴジラと日の丸――片山杜秀の「ヤブを睨む」コラム大全』(文藝春秋)として単行本化。主な著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング 吉田秀和賞・サントリー学芸賞)、『未完のファシズム――「持たざる国」日本の運命』(新潮社 司馬遼太郎賞)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『見果てぬ日本――司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦』(新潮社)、『鬼子の歌――偏愛音楽的日本近現代史』(講談社)、『尊皇攘夷――水戸学の四百年』(新潮選書)など。