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新冷戦時代の超克―「持たざる国」日本の流儀―

片山杜秀/著

814円(税込)

発売日:2019/02/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

世界はどこへ向かうか? 日本はどう生き延びるか? これが我らの生存戦略!

湧きあがる自国中心主義、米中露など大国による覇権争い――世界は今、新冷戦時代へと突入、そのフロントは朝鮮半島から対馬海峡に移りつつある。成長と繁栄を支えてきた資本主義と民主主義さえ先行きが危ぶまれる状況下、「持たざる国」日本が生き延びる道はどこにあるのか。戦後冷戦史と近代一五〇年の構造を大胆に捉え直し、私たちはどう生きるのかを示す、「危機が慢性化して下り坂を転げる時代」の必読書。

目次
第一章 世界はどこへ向かうのか……新冷戦の時代
イデオロギーに拠らない冷戦/保有しても使ってはいけない兵器/北朝鮮とソ連のアナロジー/準「非常時体制」というモデル/科学技術と総動員体制の鬼子/成長の限界、資本主義の晩期/「ポストモダン国家」中国とロシア/新たな「西側」「東側」のかたち
第二章 日本はどう生き延びるか……二〇二〇年後のカオス
半島統一への長い駆け引き/冷戦のフロントとなる日本/ブラント「東方外交」の方法論/デタントとテンションの循環サイクル/衰退する国力、圧倒的な場所的存在感/不吉な『AKIRA』的光景/憲法と日米安保条約の桎梏/大日本帝国憲法との連続と不連続/問題は憲法より日米同盟の行方/自主的「改憲」の危険性
第三章 民主主義と資本主義は続くのか……加速の果ての静止
若者の虚無主義/自由主義と民主主義の不可分性/参加意志と責任意識のセット/成長フロンティアをなくした世界/根拠なき二大政党制の帰結/乖離してゆく民主主義と資本主義/加速の果ての静止ヴィジョン
第四章 近代一五〇年とは何だったのか……「日本的」という呪縛
「明治一〇〇年」との決定的相違/国家繁栄の要因は人口増/人口と武士道との組み合わせ/国学でつながるヨコの論理/タテの論理としての水戸学/キメラやヌエのごとき日本の近代/忠義と競争の『武士道残酷物語』/壊れ続けて「明治一五〇年」/喜劇的反復としての外圧恐怖
第五章 私たちはどう生きるか……「無の時代」の作法
世界史における四段階/長谷川如是閑の「実在主義」/田辺元の「懺悔道」としての哲学/批評の天才・小林秀雄の信念/伊福部昭のハイブリッドな日本/「持たざる国」に耐え切った小津映画/寄る辺なき時代のポストモダン的人生/「無の時代」を生きる「事同律の偽快」
あとがき

書誌情報

読み仮名 シンレイセンジダイノチョウコクモタザルクニニホンノリュウギ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610801-3
C-CODE 0231
整理番号 801
ジャンル 政治・社会
定価 814円
電子書籍 価格 814円
電子書籍 配信開始日 2019/02/22

蘊蓄倉庫

人が減る時代の持久戦略

 東京五輪に次いで大阪万博と、かつての高度成長を反芻するようなイベントが目立つこの頃ですが、明治維新当時3千万人程度だった日本の人口は明治百年の1968年には1億人へと3倍増、米の生産高も約4倍に増えました。人口増とそれにともなう生産力増強こそが国家繁栄の土台だったというシンプルな事実は、人口減少への道を走り始めた今、この国の将来に様々な危惧をもたらしています。少子高齢化による内政上の困難はもとより、外交関係をみても、人口・経済力ともに膨張一方の隣の大国にどこまで対抗できるか、力学的にははなはだ分が悪いようです。あらゆる面で維持・対抗圧力を失っていく国がどう生き残るのか。つまり、上がれない時代にどれだけ忍耐できるか、それを考え抜いたのが本書です。

掲載:2019年2月25日

著者プロフィール

片山杜秀

カタヤマ・モリヒデ

1963年宮城県仙台市生まれ。政治思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。大学院時代からライター生活に入り、『週刊SPA!』で1994年から2003年まで続いたコラム「ヤブを睨む」は『ゴジラと日の丸――片山杜秀の「ヤブを睨む」コラム大全』(文藝春秋)として単行本化。主な著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング 吉田秀和賞・サントリー学芸賞)、『未完のファシズム――「持たざる国」日本の運命』(新潮社 司馬遼太郎賞)、『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『見果てぬ日本――司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦』(新潮社)、『鬼子の歌――偏愛音楽的日本近現代史』(講談社)、『尊皇攘夷――水戸学の四百年』(新潮選書)など。

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