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「場当たり的」が会社を潰す

北澤孝太郎/著

792円(税込)

発売日:2019/03/15

  • 新書
  • 電子書籍あり

根拠のない目標、コロコロ変わる方針、部下への丸投げ体質……振り回されるのはもう嫌だ! 御社の「場当たり的」チェックリスト付。

会社や上司が「場当たり的」だ。そう感じたことがない会社員は少ないのではないか。方針がコロコロ変わる。根拠不明な数値目標を挙げる。「社員の自主性」を口実に、下に全てを丸投げする。なぜこんなことになるのか。数多くの企業の研修に携わってきた著者が、「場当たり的」を発生させるメカニズムを鮮やかに解明し、有効な解決策を示す。総力戦を戦える体制を早急に作らなければ、御社はもはや生き残れない!

目次
序章 御社は何を目指しているのか
利益をどう上げるか/父はやる気がなかったのか/あなたの思いとは/思いつきが多すぎる
第1章 あなたが会社を「場当たり的」と感じてしまう理由
「場当たり的」とはなにか/根拠なき戦略/組織内の力学だけ見る役員/忖度型の「場当たり的」役員/正論の恐ろしさ/無意識も原因に/私の大失敗/トップの戦略を理解できていなかった/世代論からの分析/タテ社会の追随傾向/頑張りの弊害/人間心理のバイアス
第2章 「場当たり的」の罠はどこにでもある
「絶対に勝つ」と唱え続けた川上監督/スターに忖度しない/ミーティングの義務化/「強い思い」→「戦略」→「戦術」/組織内の常識を疑え/部下の面倒を見るのは当たり前か/内輪の常識が「場当たり的」を生む/依存心を取り払え/輝かしい実績がマイナスになる時/成長期にこそ備えを/当事者意識をどう植えつけるか/「○○任せ」はダメ/続・私の大失敗/感傷的な思い込みは仇/友人が判断を誤らせる
第3章 「場当たり的」を回避するための営業ロジック
目標を認知させる/トップ販売員とトップ営業マン/できる不動産屋のテクニック/トップ営業マンの第一声/キリストの営業力/集中力を切らさない/課題と問題の違い/スーパー営業レディの提案力/営業からの改善策提案/問題解決という商機/個人でも必要な課題設定/「80点」で満足する人/人材のレベルを上げるために/そこそこで満足する人をどうするか/得意分野で自信を持たせる
第4章 「場当たり的」を回避して正しい戦略を練る
戦略が間違ったら/知識とは使える情報/癖を知りコントロールする/顧客価値を確立させる/個人にも通じる戦略の練り方/行き過ぎた癖は修正する/立ち位置の作り方/戦略の柱
第5章 「場当たり的」組織から総力戦を戦う組織へ
御社の「場当たり的」度チェックリスト/「誰かがやってくれるだろう」ではダメ/コミュ力を上げよう/なぜあの人の話はトンチンカンなのか/関わりを深めよう/腹落ちを作ろう/いいストーリーの必要性/社内マナーの大切さ
あとがき

書誌情報

読み仮名 バアタリテキガカイシャヲツブス
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610804-4
C-CODE 0234
整理番号 804
ジャンル ビジネス・経済
定価 792円
電子書籍 価格 792円
電子書籍 配信開始日 2019/03/22

蘊蓄倉庫

川上監督の執念

『「場当たり的」が会社を潰す』の中では、「場当たり的」の対義語は「戦略的」だとされています。そして「戦略的」な人の代表として挙げられているのが、川上哲治元巨人軍監督。興行的な側面が強かった時代に、「絶対に勝つ」を大きな目標として掲げたうえで、目標達成のために具体的な方策を実行していったそうです。もちろんどのチームでも勝つことは目標だったのでしょうが、川上監督の場合、勝利への執着が尋常ではありませんでした。
「プロの世界で生きる限り、百円玉を投げて連続50回『表』を出して見せるくらいの意気込みを、腹に据えておくべきだ」というのが川上監督の考えでした。ちなみにその確率は「100万人の人が1分間に10回の割合で投げて、週に40時間、これを続けた場合、900年に1回達成できる」というものだそうです。巨人軍のV9は、この異常な執念から生まれた戦略、戦術があって達成されたのでしょう。

掲載:2019年3月25日

担当編集者のひとこと

爽快感と冷や汗と

『「場当たり的」が会社を潰す』で、著者の北澤孝太郎さんから1章毎に届く原稿を読むたびに、爽快感を感じつつも冷や汗をかく思いもしていました。
 爽快感のほうは、「そうそう、こういう場当たり的な人がいるんだよ」という気持ちの延長線上にあります。
 冷や汗のほうは、「あれ? これに近いこと、俺言ってなかったっけ」という気持ちの延長線上にあります。
 救いは本書にもあるように「どこの会社もそういう面があるし、誰にだってそういう面がある」ということでしょうか。そして、この本を担当したいま、自分のどのあたりに「場当たり的」スイッチがあるのか、自覚も芽生えてきた気がします。
 結構危ないと思ったのは「ひらめき」です。直感的に「これは面白い」と思ったアイディアが、単に面白いだけ、ということはよくある話で、そのまま突っ走るとどこかで方針転換や撤退を迫られる。つまり「場当たり的」対処を招いてしまうのです。
 この本の担当者であることが社内では知られてしまっているのだから、これまで以上にきちんとものを考えなくてはいけないのでしょう。

2019/03/25

著者プロフィール

北澤孝太郎

キタザワ・コウタロウ

1962(昭和37)年生まれ。東京工業大学大学院特任教授。レジェンダ・コーポレーション取締役。神戸大学経営学部卒業後、リクルートに入社。日本テレコム(現ソフトバンク)執行役員法人営業本部長などを経て現職。著書に『営業部はバカなのか』など。

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