南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経
814円(税込)
発売日:2019/03/15
- 新書
- 電子書籍あり
法然、日蓮、両者の生涯と教えを徹底比較。日本仏教の真髄がここにある!
その「十三文字」が日本仏教を大きく変えた――。「南無阿弥陀仏」と称えれば、どんな人間でも往生できると説いた法然。「南無妙法蓮華経」と唱えれば、その身のまま成仏できると説いた日蓮。末法の世に生まれた二人は、迷い悩む衆生を等しく救うべく、独創的な仏教をつくりあげた。念仏と唱題の違い、社会に与えた衝撃、“犬猿の仲”の理由など、今なお生きる両者の教えを比較すれば、日本仏教の奥深さと真髄が見えてくる。
主要参考文献ならびに引用文献
書誌情報
読み仮名 | ナムアミダブツトナムミョウホウレンゲキョウ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-610807-5 |
C-CODE | 0215 |
整理番号 | 807 |
ジャンル | 歴史・地理 |
定価 | 814円 |
電子書籍 価格 | 814円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/03/22 |
蘊蓄倉庫
“犬猿の仲”の法然と日蓮
「南無阿弥陀仏」と称えれば、どんな人間でも往生できると説いた法然。「南無妙法蓮華経」と唱えれば、その身のまま成仏できると説いた日蓮。ともに鎌倉時代に活躍、悩み苦しむ人々が等しく救われるための教えを説きました。本書『南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経』では、両者の生涯と思想を比較しています。一方、日本仏教の中で法然と日蓮は、“犬猿の仲”としても知られています。それはなぜか――。
法然が亡くなって10年後に生まれた日蓮は、その思想形成において、他の宗派を「念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊」(「四箇格言」)と激しく非難したからです。とりわけ、すでに広くポピュラリティを獲得していた法然浄土教への批判は厳しく、「念仏を称えると無間地獄に堕ちる」とまで言っています。現在、それぞれの宗派(浄土宗と日蓮宗)にこうした敵対感がどこまで残っているかはわかりませんが、宗派意識を取り除き、フラットに両者を比較してみれば、意外な共通点も見え、日本仏教の奥深さが見えてきます。
掲載:2019年3月25日
著者プロフィール
平岡聡
ヒラオカ・サトシ
1960(昭和35)年京都市生まれ。京都文教大学教授。浄土宗僧侶。専門は仏教学。佛教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。著書に『ブッダと法然』『南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経』『親鸞と道元』『なぜ仏教は多様化するのか』『理想的な利他』など。