フィンランドの教育はなぜ世界一なのか
902円(税込)
発売日:2019/06/17
- 新書
- 電子書籍あり
テストも偏差値も受験もない。それで勉強ができるって、どういうこと!? その秘密、教えます。
人口約五五〇万人、小国ながらもPISA(一五歳児童の学習到達度国際比較)で、多分野において一位を獲得、近年は幸福度も世界一となったフィンランド。その教育を我が子に受けさせてみたら、入学式も、運動会も、テストも、制服も、部活も、偏差値もなかった。小学校から大学まで無償、シンプルで合理的な制度、人生観を育む独特の授業……AI時代に対応した理想的な教育の姿を示す。
主要参考文献等
書誌情報
読み仮名 | フィンランドノキョウイクハナゼセカイイチナノカ |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
装幀 | 新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 240ページ |
ISBN | 978-4-10-610817-4 |
C-CODE | 0237 |
整理番号 | 817 |
ジャンル | 教育学、語学・教育 |
定価 | 902円 |
電子書籍 価格 | 858円 |
電子書籍 配信開始日 | 2019/06/21 |
蘊蓄倉庫
いじめ予防のプログラム
フィンランドには、いじめとそのメカニズムに関する長年の実証的な研究に基づいた、キヴァ・コウルというプログラムがある。防止、介入、モニタリングの3つの段階を設けて、それぞれで何をすべきかを具体的に示している。いじめのない関係は、人間関係のスキルの一端として学ぶことができるという考えだ。
いじめられた子どもに向かって、大人が言ってはいけない言葉として「私もいじめられたけど、特に悪い影響はなかった」「自分を守らなくちゃね」「いじめは精神や人格を鍛える」「あれはいじめではなく、遊びやからかい、ふざけだ」などがあげられ、法律と警察も視野に含めた対応の仕方もアドバイスされている。
実際にフィンランドの学校ではいじめが減少していると報告され、現在はスウェーデン、イギリス、スペイン、ニュージーランドなど諸外国でも導入されている。
掲載:2019年6月25日
担当編集者のひとこと
ないないづくしの教育
テストもない、受験もない、塾もない、それどころか入学式も、始業式も、運動会もないし、制服や、服装や髪型に関する校則、部活もない。教育費は、学費はもちろん給食費やノート代などもすべて無料。もちろんPTAもないし、教科書や教材は学校に置きっ放しでOK――これがPISA(15歳児童の学習到達度国際比較)で多分野において1位を獲得する、フィンランドの学校教育現場だと聞いた時は、日本人の多くは驚くのではないだろうか。だが英語に限らず語学教育やAIの導入はしっかりと行われており、性教育やいじめ問題にも真正面から取り組んでいる。そのフィンランドは2019年、幸福度においても2年連続で世界一となった。教育に必要なものって何だろう――親、学校現場のみならず、人が人を育てることの意味を考えるための必読書。
2019/06/25
著者プロフィール
岩竹美加子
イワタケ・ミカコ
1955(昭和30)年、東京都生まれ。早稲田大学客員准教授、ヘルシンキ大学教授を経て2019年6月現在、同大学非常勤教授(Dosentti)。ペンシルベニア大学大学院民俗学部博士課程修了。著書に『PTAという国家装置』、編訳書に『民俗学の政治性』等。