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LGBTの聖地は、いつ、なぜ、どのようにして、生まれたのか。決定的かつ魅惑の街場論。

新宿二丁目

伏見憲明/著

886円(税込)

本の仕様

発売日:2019/06/17

読み仮名 シンジュクニチョウメ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 271ページ
ISBN 978-4-10-610818-1
C-CODE 0236
整理番号 818
ジャンル 歴史・地理
定価 886円
電子書籍 価格 886円
電子書籍 配信開始日 2019/06/21

東西約三百m、南北約三百五十mの区画の中に、三百をはるかに越えるゲイバーと、女装系、レズビアン系バーがひしめきあう新宿二丁目。「二丁目」として海外でも有名な、世界最大の多様性を抱えるこの街は、一体なぜ、どのようにして、いつ頃からそうなったのか。自身、そこでゲイバーを経営する著者が、関係者への丹念な取材を積み重ね、知られざる歴史を浮かび上がらせる。決定的街場論。

著者プロフィール

伏見憲明 フシミ・ノリアキ

1963(昭和38)年、東京都生まれ。作家。慶應義塾大学法学部卒業。『プライベート・ゲイ・ライフ』『魔女の息子』(第四〇回文藝賞受賞)等、著書多数。『クィア・ジャパン』編集長も務める。2013年より、新宿二丁目にて「A Day In The Life」を経営。

目次

序章
第一章 “ゲイバー”はいつ日本にできたのか
「夜曲」か「ユーカリ」か/江戸川乱歩と萩原朔太郎/文壇バーとしての顔/ジャズシンガーにしてスパイ?
第二章 伝説のゲイバー・ブランスウィックの二つの顔
ゲイバーとして、ジャズ喫茶として/エノケンとも踊った浅草の芸人/戦前、戦中、戦後を乗り越えて/美輪明宏、野坂昭如、三島由紀夫/そして伝説のゲイバーへ/消えたケリーの行方
第三章 「二丁目」のきっかけとなったイプセン
同性愛が何であるかはわかっていた/脚本家としての成功/男色酒場/次々に誕生したゲイバー/遺言は「人に頼るな」/夜曲殺人事件
第四章 淫風の街
遊里目的の宿場/花園神社の同性婚/牧場から貸座敷へ/赤線時代
第五章 よそ者たちの系譜
ゲイバー以前の二丁目/古着屋から不動産屋へ/浮き沈みの激しい業界/山原の舞姫/白系ロシア人、台湾人/あからさまな対立はなかった/ルーツへの眼差し/娼家での着付けの仕事/「吹き溜まり」としての新宿/新宿の鎮守、山田歌子さん
第六章 零落の時代
二丁目のママになった大女優/上り坂の歌舞伎町/神社が消えた日
第七章 「要町」と呼ばれたエリア――分断された街
御苑大通りこそ明治通りの本線だった/二丁目内の対立/「結界」が生まれた/二丁目は「川向う」/三丁目の方が先だった
第八章 ゲイバー街の成立条件
ゲイバーに必要な立地条件/「一気に」とはいえない/厳然とあった差別/新宿と池袋の違い/なぜ風俗街にならなかったのか/七〇年代でも薄かったゲイの街という認識
第九章 ハッテン場の持つ磁力
「蘭屋」の商才/多くのハッテン場があった新宿/「花の吉原、男の権田原」/ハッテン場としてのゲイバー街/初のゲイバー組合
第一〇章 アングラ文化の渦中で花開く
カウンターカルチャーの拠点/ロラン・バルトの地図/『毛皮のマリー』『薔薇の葬列』/重なり合うゲイカルチャーとカウンターカルチャー/アナーキーで混沌とした街
第一一章 平凡パンチの時代
団塊世代男子のバイブル/同性愛は一過性?/“体制”への対抗思想として/表紙に「ホモの集まる店おしえます」/ストーンウォール事件を報じる/新宿そのものが解放区
終章
参考文献

担当編集者のひとこと

世界に一つだけの街が生まれるまで

 新宿二丁目にあるお寺の盆踊りでは、毎年、地元の老人会のお年寄りや、会社帰りのサラリーマン、ゲイカップル、浴衣姿のご婦人に女装客、外国人観光客、子供らが、ごく自然に同じ空間で楽しむ姿が見られる。スマホアプリが発達した現在、出会いの場としての「二丁目」の役割は薄れつつあるが、世界最大のLGBTの聖地であることに変わりはない。その街に行けば誰もが、存在を否定されたり、排除されたりすることなく、かといってチヤホヤされることも、特別視されることもなく、ただそこにいて楽しむことができる。そんな街があること自体、一つの奇跡なのかもしれない。そんな奇跡がなぜおこったのか。本書は膨大な取材や資料に基づいて、古くからのこの街の有り様を丹念に追っていく。

2019/06/25

蘊蓄倉庫

夏目漱石の女装癖

 現在、新宿区にある夏目坂は、夏目漱石が生まれた地であり、幼い漱石は新宿二丁目の寺の境内で遊んでいたそうだ。その文豪・漱石は『こころ』の中で、主人公の「私」(男)が、「先生」(男)への好意を持つのは「恋に上る階段なんです。異性と抱き合う順序として、まず同性の私の所へ動いてきたのです」と先生に言わしめている。その後、先生は「私は男としてどうしてもあなたに満足を与えられない人間なのです。それから、ある特別の事情があって、猶更あなたに満足を与えられないでいるのです」とも語っている。夏目漱石の妻、鏡子夫人の回想録には、漱石が女装を楽しんでいたとあるそうだ。果たして現在、文豪が生きていれば、新宿二丁目をどう見ただろうか。

掲載:2019年6月25日

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