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倉本聰の言葉―ドラマの中の名言―

碓井広義/編

792円(税込)

発売日:2020/03/14

  • 新書
  • 電子書籍あり

「純、蛍。金なんか望むな。倖(しあわ)せだけを見ろ。」『北の国から2002 遺言』(フジテレビ)より。巨匠の全作品から厳選した四〇〇余の珠玉のセリフ。初の名言集。

「同情ってやつは男には――つらいんだよ」「威張っているのは親の権利です」「人生は、アップで見れば悲劇だが、ロングショットでは喜劇である」「金なんか望むな。倖せだけを見ろ」「子どもがまだ食ってる途中でしょうが!!」――『前略おふくろ様』、『北の国から』、『やすらぎの郷』など幾多の傑作を送り出した巨匠・倉本聰の全ドラマ作品から、愛弟子が精選した四百に及ぶ名ゼリフ。初の名言集。

目次
巻頭の言葉 倉本聰
はじめに 碓井広義
第1章 人生は、アップで見れば悲劇だが、ロングショットでは喜劇である
1 人を許せないなンて傲慢だよな――人間とは
2 神様にだけは背きたくない――生き方とは
3 きっとまた、逢える――人生とは
第2章 男の顔は履歴書、女の顔は請求書
1 一生懸命やればやるほど――男とは
2 母親だったり、妻だったりする前に――女とは
3 恋っていうのは、愛にくらべて――男と女とは
第3章 威張っているのは親の権利です
1 遠慮することなンてないじゃないですか――親子とは
2 死ぬ間際の老けた女房にオレは逢いてえ――夫妻とは
第4章 生き物を殺すときには、神様に祈れ
1 地べた放したら最後だぞ――暮しとは
2 金を稼ぐだけが仕事じゃねえ!――仕事とは
第5章 それはもう単純な反戦思想を超えた、もっと厳しい、鮮烈なものだった
1 今の若いもんは、倖せでええのう――戦争とは
2 金ですむこたア誰でもできるんだ――社会とは
第6章 あの樹のように、私は死にたい
1 若えもンは、あっしたちがこせえてやったンだ――老いとは
2 恐がって震えろよ。震えた方が、カッコ良いぜ――病むこと、死とは
第7章 創るということは遊ぶということ
1 スターは人から見られる商売。役者は人を観察するのが仕事――芸能とは
2 銭儲けばかり考えて、売女に堕したのは一体誰だ――テレビとは
3 我々は心の洗濯屋なのだ――ドラマとは
4 美は利害関係があってはならない――創るとは
おわりに
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書誌情報

読み仮名 クラモトソウノコトバドラマノナカノメイゲン
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610853-2
C-CODE 0274
整理番号 853
ジャンル 芸能・エンターテインメント
定価 792円
電子書籍 価格 792円
電子書籍 配信開始日 2020/03/20

薀蓄倉庫

名ゼリフの出典は?

 本書のオビには「純、蛍。金なんか望むな。しあわせだけを見ろ。」というセリフが掲げられています。この出典はわかりやすいでしょう。そう『北の国から』です。ただし、正確には「『北の国から2002 遺言』より」ということになります。『北の国から』シリーズの掉尾を飾る作品から黒板五郎、すなわち田中邦衛さんのセリフを抜いたわけです。
 では、カバーのソデにある以下のセリフの出典はおわかりになるでしょうか。
「同情ってやつは男には——つらいんだよ」
「威張っているのは親の権利です」
「人生は、アップで見れば悲劇だが、ロングショットでは喜劇である」
「子どもがまだ食ってる途中でしょうが!!」
 最後のものは……おわかりになるにしても(はい、これはシリーズ最初の『北の国から』のもので、五郎さんがラーメン屋で吐く名セリフですね)、さて、他のセリフもわかるとなったらこれは相当な通です。
 まず最初の「同情ってやつは……」ですが、実はこれも『北の国から』で、五郎さんのセリフ。次は『前略おふくろ様』で萩原健一さん演じるサブ(片島三郎)のセリフ。続いて『やすらぎの郷』より主人公菊村栄(石坂浩二)のセリフ、となります。
 記憶の片隅にドラマの場面が残っていたり、あるいは見たことがないのに情景が浮かぶような、思いもよらぬ名セリフに出会えるのが本書です。読み始めたら止まりませんから、その感覚もお楽しみください。

掲載:2020年3月25日

担当編集者のひとこと

倉本ドラマの「あのセリフ」が選ばれたワケ

 本書は倉本ドラマ全作品(!)の中から名ゼリフを400余点抜き出し、「男とは」「女とは」「親子とは」「仕事とは」「戦争とは」「社会とは」といったテーマ別に章立てした作品です。
 倉本作品は脚本が書籍化されていることがほとんどなのですが、本をすべて並べるとこれはなかなか壮観です。なにせ50冊以上はあるのです。しかも昨年4月から始まった「やすらぎの刻〜道」の放送は1年間、全248話に及び、この台本は400字詰め原稿用紙枚数で5500枚に及びます。これを一から繰ってゆくとなると……そんな気が遠くなるような作業をやり遂げたのが編者の碓井広義さん。
 今年春まで上智大学で教鞭を執り、メディア評論で著名な碓井さんは元々テレビマンユニオンでプロデューサーとして活躍していた方。倉本さんを師と仰いで40年という長い歴史があるのです。その「愛弟子」が選び抜いた名ゼリフの数々は、心に沁みるものばかり。この師弟関係があればこそ生まれた本書をぱらりとでも目を通してみてください。倉本ドラマファンならずとも、引き込まれること必至です。

2020/03/25

著者プロフィール

碓井広義

ウスイ・ヒロヨシ

1955(昭和30)年、長野県生まれ。メディア文化評論家。2020(令和2)年3月まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。慶應義塾大学法学部政治学科卒。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年、テレビマンユニオンに参加、以後20年間ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に『人間ドキュメント 夏目雅子物語』など。著書に『テレビの教科書』、『ドラマへの遺言』(倉本聰との共著)など、編著に『倉本聰の言葉――ドラマの中の名言』がある。

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